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読書のつぶやき

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読書するたびにNoteにまとめようと思ったが、あんまり長くなりすぎて記事として成り立つ前に挫折してしまうことが多くなってきた。一言つぶやきでもいいから記録しようと、ここに記す。
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2021年2月の記事一覧

『空が分裂する』,最果タヒ
これは詩なのか告白なのか、記録なのか告発なのか。普通の意味で「読む」ことはできない。文の流れに身を任せ、浮遊するように味わうこと。この本においては一単語一単語立ち止まってはいけない。流れることで著者に「出会い」、自分自身に「再会」するのだ。

『フランツ・カフカ』,ヴァルター・ベンヤミン
フランクフルト学派の才人ベンヤミンによるカフカ論。一読した限りで正直理解し難いが、それでも彼のカフカに対する熱量が凄まじく圧倒的で読者にどんどんページを捲っていかせる文章力を持つ。そして不可解で有名なカフカ作品をさらに読みたくさせる。

真鍋博『超発明』を読んだ。星新一などのイラストレーターによる想像発明品集。ぱっと見、常識度外視のSFチックだが、読んでみると実はこれ適当に突飛なことを言っているのではなく、むしろ常識に「超接近」して常識を「脱臼」させる曲芸をやってのけている。創造とは既存のものから生まれるのだなあ

『コミュニケーションのデザイン史-人類の根源から未来を学ぶー』
人間のコミュニケーション(=情報伝達)に注目したデザイン史。地図・本・学校・美術館・手紙というメディアに焦点をあてて現代までの歴史を掬う。一個の内容は薄いが興味を惹かせるブックガイド。「道」「腕木通信」が気になった。