鍼灸院の心遣い
先日通う鍼灸院からいただいた電話に感動したので備忘のようなnote。
昨年子供を産んだ。
史上最少出生数の中に私の子供は含まれている。
出産後は身体の不調は多くの産後の女性と似たような症状があった。
産後すぐは恥骨や会陰切開(えいんせっかい)の跡が痛かったり、子供が大きくなると首肩に負担が出てきた。
元々反り腰猫背という劣悪な姿勢で生きている私にとって、9キロ超の子供を長時間抱っこすることは肩を破壊しに行くようなものだったのかも。
単身赴任の夫、しかし自分の親と産前より同居しているので、家事も育児も助けてもらっているが、それでも私の髪を切ったり、友人とランチに行ったり、自分の不調で病院に行くことはいつも気が引けていた。
日々助けてもらってるのにこれ以上負担してもらうなんて...と
しかし肩の痛みが限界に達しついに「肩が痛い」と家族に白状した。家族は「早く病院に行ってみてもらいな!赤ちゃん見てるから!」と快く送り出してくれた。エンジェル...
整形外科に行ったところ、鍼治療を勧められ、しかし人気なのか初回予約できたのは限界が来て整形外科に駆け込んだ翌週末だった。
子供には悪いがあまり抱っこしないように生活してせめて悪化しないようにしようと思っていたが、その鍼灸院から今日電話が来た。
ダブルブッキングでもしたのかしら
なんて失礼なことを考えながら電話に出ると、
「整形外科で書いていただいた問診票に授乳中と書いていたのでお電話しました」
授乳中は飲めない薬も多い。
受けられない施術でもあるのかなと思った。
しかしこの予想も外れる。
「赤ちゃん、施術中にお預かりできるんですが、予約していただいた日は先生がお一人しかいないんです。別の曜日なら、施術中赤ちゃんお預かりしますよ」
なんだそれは。
なんだ!!!それ!!!
当日は夫が帰ってきてる日なので、元々子供は預けて1人で行く予定だった。
その提案はお断りしたが、これ、結構すごいことなのでは?と思った。
出産した友人でも、子供を一時預かりで預かってもらえず(定員いっぱいで無理だったり)、家族にもお願いできず、自分の不調を放置して悪化していくような話は聞いていたし、まさに今回の自分も家族に遠慮して放置した末路だった。
まさか鍼灸院で赤ちゃんを預かってもらえるなんて思いもしない。
そもそも、これはあくまで私の経験の中の話だが、病院に行って問診票に妊婦であるか、授乳中であるかは女性なら回答する機会もあると思うが、前述の通り妊娠中や授乳中は受けられない治療や飲めない薬もあるのでこれらに配慮する意図でおそらく書かれているだろうに、治療前や処方箋をもらうときに「授乳中でも大丈夫なんですよね?」と聞くと「あれ、どうたったかな、確認します」みたいなヒヤリハット、今まで結構あったのだ。
それなのに、授乳中であるという回答から、赤ちゃん連れてくるかも、当日預かれるかしらというところまで配慮してくださるなんて
感動。
もちろん保育の資格がない方なのでは、そんな方に大事な子供預けるのか?など思うところがある方もいるかもしれないけれど、それでもこのような配慮をしてくださる方たちなら、自分の目の届く範囲で見てくださるのなら、頼ってもいいのかもしれないと感じた。
同じように思う方、いるのでは?
区役所の保育関連の部署の方も、家族も、友人も、みんな頼っていいんだよと言ってくれるけれど、それに素直に乗れない自分がいた。みんなを信頼してないわけではないけど、こんなことで子供を預けていいのか、でも私が健康でなければ子供に何かあったときにうんぬん... そんな私のような思考の人には、この鍼灸院の方の心遣いはとても染みるように思った。
頼りたいけど頼れない私のような人には、少しおせっかいなくらい声かけるべきなんだなと産後痛感していた。おせっかいどころか、感動して家族にすぐこの電話の話をしてしまった。兎にも角にも私はこの優しさが嬉しかった。
今回はお断りしたけれど、初回の鍼治療が少し楽しみになった。