フィクション?
いつも
ソーラーパネルの群れを左手に見ている
右手に見ながら歩いた時
もし
急激な光の収束が起こり磁場が乱れ
別次元の世界へ
若しくは
今の記憶を持ったまま何時ぞやへ
吐く息には混ざらない
脳内の徘徊
蜻蛉の羽ばたきは樹々を赤らめ
樹々の揺らぎは嗅覚と記憶を結びつける
木洩れ陽は弱い光の放射で
掴めない虹の六つ角をつくる
先へ先へと息を吸う
狭間を跨ぐ歩み
コツコツと足音がよく響く
家路へ向かう子どもたち
名を知らぬ小さな赤い実
犬と散歩する古老
花壇に植えられた秋桜
帰り道はいつものように
群れを右手に見ている
現実と空想と遊ぶ
イヤホンを外した世界は
赤子の眼のように透き通っていた
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