見出し画像

幻想の夜


光る砂粒が雪の上に散りばめられていました
空の星より小さく細かく輝いていて
自分の物にしたくて掬いましたが 
手の平に残るのはただの雪でした
理由はあるのでしょう
答えはあるのでしょう
しかし時として
真実は傷口となり痛みます
星空 
外灯
雪の道
それらが視界を埋めると
在る一つのファンタジーになります
孤独な道のりは空気を揺らす零下の足音で
物語より短い数十秒の詩は
室内灯の明かりで幕を閉じます
家の中からは見えない砂粒は
夜のうちに星に届くそうです

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?