無量へ


三手動かすだけで私が見る六面は醜くなる

だから

先を目指す事を諦めて苦しみから逃れた

一等だった記憶が余生を彩るはずもなく

批評を求めるだけ求めても

ゴミ収集車のようには応えてくれなかった

現実は斜め上から降るぬるま湯のように

冷気からも熱波からも程遠く緩い

それでも

ポケットの中にある充分な小銭で

アイス珈琲と煙草を買って朝をやり過ごす

私なりの平和は晴れ時々曇りの午後に訪れる

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