映画『暗くなるまでには』-並行世界へのトリップ、憑在論、失われた未来を求めて-
山の中を歩く男女。二人は手と身体を寄せ合っては離れてを繰り返す。言葉を交わすことはなく、二人の背中には何か重い物があるように感じられる。場面は変わり、倉庫の中でうつ伏せで並べられた青年たち。重苦しい空気が蔓延る中にカメラマンの男性が訪れ、撮影を始める。周りを巡回する兵士達は彼の存在を気に留めようともしない。ショッキングな事件の情景とフィクションの混合。その断片的なショットを繰り返しながら、タマサート大学にて発生した「血の水曜日事件」の生存者である女性に映画監督の女性がインタ