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ロケットは宇宙は人間の未来

国内外ニュースの差異は、どこに起因しているのか?

先ほど「斉藤知事」関連を書いて、いま「イーロン・マスク」の記事をかいてますが、その差は歴然です。

何が違うかと云ったら、明日(将来)が見えるか見えないかの決定的な違いです。

個人的に私は「イーロン・マスク」氏の信奉者ですから、書くもの全部が肯定論で、挙げ足論は一切しません。

また、世界配信されているイーロン関連記事も、概してそのようなアクティブな記事が多いようです。それらは、ニュースで知っているように、口で滑った事業のほとんどが、実現可能か、また失敗してもトライする、という姿勢に感銘するからでしょう。
もちろんSNSーで交されるカリスマ独裁者、としての排他論は、無いことはないですが、大方の見方は私と同じような盲目信奉者が多数を占めている、と判断していいでしょう。

それを実数で証明したのがアメリカ大統領選挙トランプ勝利の金字塔でした。前前回では「バノン」氏の功績があったようですが、今回の「イーロン・マスク」氏の尽力は、金額的にも莫大な資金投入というのは、統計でも知れている事実です。
むかしから定石説話として、金銭対価は、その量に比例するというのが一般論ですが、「イーロン・マスク」氏の場合は、それが明確で、また、個人資産が増える、という政策案にしても、市場原理に沿った方法論ですから、他からの非難がない(あったとしても対抗策を用意してある)ので、現況一人舞台、という感じですが、ボクシングチャンプだって、いずれ負け、がやってきます。それを感じさせない強みが「イーロン・マスク」なのでしょう。

すべてイーロンの「計略どおり」、トランプ政権入りで「テスラ」が得られるものとは
2024/12/3(火) 6:50 ビジネス+IT 12/3(火) 6:50配信   

トランプ次期政権入りが決まり、その言動に一層注目が集まるイーロン・マスク氏。同氏がCEOを務めるテスラにとっては好材料がそろい、株価も高値を維持しているが、トランプ氏に賭けたマスク氏の「本当の狙い」はどこにあるのだろうか。10月に実施したロボタクシー「サイバーキャブ」発表の場での発言には、マスク氏が描く未来が透けて見えていたが、新政権と相いれない主張も存在する。新政権入りでテスラが得られるものとは何か。

【詳細な図や写真】イーロン・マスク氏の「次の狙い」は?(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)(ビジネス+IT)


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トランプ復活後、テスラ株は「300ドル超」高値維持

 2024年10月、当初の予定よりも2カ月遅れとなって発表されたテスラのロボタクシー「サイバーキャブ」。2026年中に3万ドル程度の価格で一般向けに販売するとして話題となったが、市場の反応は芳しくなかった。テスラ株は発表直後に10%以上急落し、発表内容の具体性の無さなどが指摘された。

サイバーキャブのイメージ動画(出典:テスラ公式YouTube)

 ところがその後、テスラの第3四半期の決算が発表され、増収が伝えられると、株価は徐々に上がり、イーロン・マスク氏が熱烈応援していたドナルド・トランプ氏の大統領返り咲きが決定してからは連日300ドル超えの高値を維持している。さらにトランプ氏は、新政権で新設する「政府経費削減省」のトップにマスク氏を据えると発表した。

 結果論ではあるが、マスク氏はこうした結果を10月の発表時にすでに読み込んでいたとも言える。10月10日に行われたサイバーキャブ発表イベントでマスク氏が語ったことの中で特筆すべきは、「来年(2025年)からカリフォルニアとテキサスでModel 3とModel Yの、完全に政府規制に沿ったかたちでの完全自動運転運行を開始する」という点だ。

10月10日、テスラが開催したイベントの要約動画 (出典:テスラ公式YouTube)

米国で「完全」自動運転が実現できていない理由

 米国では完全自動運転の運行に対して厳しい規制が存在する。グーグル傘下のウェイモ、GM傘下のクルーズなどがサンフランシスコや一部のアリゾナなどでしかロボタクシーを実現できていないのは、完全なマッピングに時間がかかるのと同時に、規制をクリアしつつ事業を進めているためだ。

 テスラの自動運転はこれまで「レベル1か2程度」と批判されてきたが、これはこうした規制に沿わない独自路線を貫いていたためで、テスラが提供するFSD(Ful Self Driving)ソフトを使って自動運転走行をしても、政府が算出する「完全自動運転の実験走行距離」には含まれない。一方でテスラは「オーナーの自己責任」とうたうことにより、多くの利用者のデータを蓄積することに成功してきた。

 言い換えれば、完全なマッピングを行い徐々にロボタクシー事業を拡大するウェイモやクルーズに対し、テスラはサイバーキャブ発売により一気に自動運転サービスを全米もしくは世界に広げることも可能となる。

 そこで問題となるのが、現在の規制だ。

現時点で米国ではハンドルやアクセル、ブレーキがついていない車両の公道走行にはかなりの制限がある。いわゆるNEV(低速で走行する車両)では一部認められているが、その多くは決まったルートのみを走行するもので、一般の公道では走行が難しい。

 サイバーキャブは元々ハンドルやアクセル、ブレーキがついていないデザインであり、現在のままの規制では2026年に発売したとしても多くの州で走行不可となる可能性が高かった。

 しかし、トランプ政権が樹立し、主に規制撤廃や政府支出の軽減を目的とする新省の長官になるマスク氏は、こうした規制を左右できる立場となる。米国が中国のような規制の緩やかな社会となりロボタクシーが一気に普及しても不思議ではない。

移動嫌いのマスク氏がひらめいた「公共交通のシェア」

 サイバーキャブ発表の場でもう1点重要だったのは、マスク氏が暗に「移動の民主化、効率化」を訴えていた点だ。

 マスク氏は、車を購入し、維持費を支払いつつ1マイルを移動するのにかかるコストは1ドル以上となると語った。一方でサイバーキャブを使えば、このコストは20セントに低減できる(マスク氏は「税金を含めば30~40セントになるが」と付け加えていた)。さらにサイバーキャブと同時に発表された20人乗りのロボバンを使えば、コストは5~10セントになるというのがマスク氏の主張だ。

 元々渋滞を嫌ってロサンゼルス市の地下を走るトンネルを思いついたマスク氏だけに、「移動にかかる労力とコストをいかにして下げるか」が大きな課題だったとも言える。

 民主化という点では、あえてタクシー運営会社を想定せず、一般に販売することで、購入した人が車を使わない時間帯に「無人タクシー」として自分の車に稼いでもらう、いわば「公共交通のシェア」というアイデアだ。

 「自分の車を空いた時間にシェア」というのはフォードがかつて推進していたが、やはり自分の車が他人に運転されるという心理的な障壁があったためか普及しなかった経緯がある。しかしサイバーキャブは運転しない、単に人を運ぶ機能のみの車両であるため、ある程度の稼ぎが期待できれば一気に普及する可能性もある。

 サイバーキャブはAIビジョンによって前方や安全性などを確認、100GWクラスのコンピューティングを搭載。また、非接触充電システムを採用するためバッテリーチャージのためのプラグも存在しない。

 また、空港などに車で向かい、車が自動的に自宅などに戻るとなれば、巨大な駐車場が必要なくなるため、その場所を公園などに利用できるという点もマスク氏が強調したものだ。そんな未来が訪れるかどうかは定かではないが、環境問題にも言及し、人を移動のストレスから解き放つ発言の1つとして注目すべきだろう。

マスク氏の「理想の未来」、とはいえ決算に見える課題

 そもそもテスラによるサイバーキャブ発表イベントのタイトルは「We, Robot」だった。サイバーキャブそのものよりも注目を集めたのが、ヒューマノイド型ロボット「Optimus」の存在だ。

 マスク氏はこちらも「車よりも安い」2~3万ドル程度で発売すると語った。Optimusはカメラ、バッテリーなど多くの部品をテスラ車両と共有しており、マスク氏は「自動運転車両とはすなわちRobot On Wheel(車輪が付いたロボット)だ」としている。

 Oputimusを一般家庭向けに販売するのも、ある意味で人々を家庭内の仕事、たとえば掃除をする、食器を片付けるなどから解放(Libertize)するという意思の表れかもしれない。車の運転からも家事からも解放され、人々がより自分の時間を謳歌(おうか)するというのが、マスク氏が理想とする未来社会の縮図だとも言える。

 一方で、黒字を計上したテスラの第3四半期決算だが、よく見ると自動車から得られる収入増はわずか2%で、エネルギーや貯蔵に関する収益が前年比で52%と大幅に伸びていることが分かる。エネルギー事業は車の生産と比べると収益効率が高く、全体の収入の伸びが8%に対し、利益が20%となっていることもその表れだろう。

 テスラの第3四半期の車両生産台数は46万9796台、実際の販売台数は46万2890台と相変わらずほぼ在庫を抱えないビジネス業態で、2024年の総販売台数は180万台に達する見込みだ。ここに2年後とはいえ販売価格が3万ドルのサイバーキャブが加われば、少なくとも米国ではEVに関しては圧倒的な強さを維持することになるだろう。

どうなる、2人の“ビジネスマン”による国政

 1億2,000万ドルもの資金を投じてトランプ政権の実現に賭けたマスク氏の狙いは、今のところ「当たった」と判断できる。特に宇宙開発に意欲的なトランプ氏のもと、スペースXが大幅な飛躍を遂げることも予想できる。

 また、マスク氏の動きは他のメーカーにとっても有利に働く可能性がある。選挙中からシェールオイル、ガス掘削を推進し、ガソリン車両へのテコ入れに熱心だったように見えるトランプ氏だが、実際のところ、米国でシェール事業が頓挫したのはバイデン政権が掘削に制限をかけたからではない。シェール掘削に用いられるフラッキングという手法は環境にも悪影響だが、そもそもコストがかかりすぎて中東産の原油などと比べて国際的な競争力に欠けると指摘されている。

 米国最大の自動車メーカーであるGMは、政府補助金込みで価格が2万ドルになる新型のシボレーボルトを計画しており、EV補助金を政府が打ち切るとなれば国内産業にとっても打撃となる。国内での電池工場建設への補助金も政府により行われている現状で、突然EV普及を差し止めるのも困難な状況だ。つまり、米国はガソリン車という選択肢は残しながらも、やはりEV化路線を進める方向に大きな変化は見られない可能性が高い。

 マスク氏にとっては民主党を支持しても現状路線に変化はなく、あえて共和党に肩入れすることで極端なEVたたきを防ぐことができる。そのうえ念願だった規制緩和の動きを推進することができるという、まさにビジネス感覚でのトランプ支持だったのかもしれない。

 しかし、2人のビジネスマンによる国政運営は、これからが正念場だ。極端な移民排除は低価格の労働力を失い、さらなる物価高やインフレにつながる可能性がある。また、中国と親密な関係を築いているマスク氏は、トランプ氏が提唱する中国製品への高関税政策に反対の立場をとることもあるだろう。さらにトランプ氏はメキシコ製品にも関税をと呼びかけるが、多くの製造業、テスラですらメキシコに工場を持っているため、反発をくらうことになる。

 まだまだ未知の要素が多い新政権と、さらなる発展、そして人類を移動と家事のストレスから解放しようという野望を抱くマスク氏は、これからどのような4年間を迎えるのだろうか。


執筆:米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子


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直近半年間のテスラの株価推移。サイバーキャブなどを発表した10月10日以降、株価が下落。第3四半期決算を発表した10月23日に上昇。その後、急上昇しているのは、トランプ氏が勝利した11月6日付近(出典:Google Finance)


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イーロン・マスクは2万5000ドルの安価なテスラの米国生産を断念 #木内 登英 2024/12/02 ナレッジ・インサイト

イーロン・マスク氏は2020年に、「近々2万5,000ドルのテスラの新車が登場する」と宣言し、消費者の期待を高めた。しかし今では、それをほぼ断念している。最近のマスク氏は、「2万5,000ドルの通常モデルを用意するのは無意味だ」「そんなことはばかげている」とまで語っている。

また、「より低コストの車を作るために必要な作業量はとてつもなく膨大になる」。「車のコストを20%削減するようなことは、それを一から設計し、工場をまるごと建設するよりも難しい。その苦労は耐え難いほどだ」と、マスク氏は10月にアナリストらに話している。

テスラの米国での最安値モデルは約4万3,000ドルからだ。バイデン政権による7,500ドルの補助金を適用すると3万5,500ドルになる。

そもそもEV車でなくても新車で2万5,000ドル以下の安価なものは、人件費が高い米国では少ない。自動車評価サイト、ケリー・ブルー・ブックによると、米国で10月に販売された新車の平均取引価格は4万8,623ドルだ。2019年と比べて約1万ドル高くなっている。また、調査会社JDパワーによると、10年前には、米国の新車の約40%が2万5,000ドル未満(奨励金・割引を含む)だった。それが、今年はわずか9%である。

現在、米国で希望小売価格が2万5,000ドル未満の全車両の3分の2以上を、わずか4車種が占めている。トヨタ自動車の「カローラ」、起亜の「フォルテ」、日産自動車の「セントラ」、ゼネラル・モーターズ(GM)傘下シボレーの「トラックス」だ。

米国での安価なEVの製造の夢を捨てかけたマスク氏が、次にターゲットにしているのは自動運転技術である。マスク氏は、ロボタクシーを2026年に登場させる予定だ。テスラの自動運転技術にはまだ課題が残るとされているが、ビジネスをそちらに傾倒させていく考えだ。

トランプ氏は、バイデン政権が導入した最大7,500ドルのEVへの補助金を打ち切る考えを示しているが、マスク氏がそれに反対しないのは、米国市場での安価なEVの生産がもはや優先課題ではなくなっているからだろう。

他方、トランプ氏は、自動運転の規制を緩和することを打ち出しているが、これは自動運転技術を重視し始めたマスク氏にとって都合の良い政策である。マスク氏は政府の無駄な予算の削減や規制緩和を進める政府効率化省(DOGE)を率いるが、自身のビジネスに都合の良い政策を進めるという「利益相反」の問題は、今後も多く浮上することになるだろう。

(参考資料)

"The Withering Dream of a Cheap American Electric Car(「安価な米国製EV」の夢、はかなく散るのか)", Wall Street Journal, November 20, 2024

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