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幸福で遣る瀬ない祈り

じわりと体力を削っていくような寒さにはもう飽きた。
控えめなフリをしているけど、君、全然そんなことないからね。しっかりめに罪を犯しているからね。


8年目の東京。


夜はどこも明るくて、いつでも家を飛び出して散歩ができること。
誰も私のことなんて気に留めていないから、少しだけ羽目を外せること。
外に出れば何かしらの出会いが用意されていること。


8年かけて見つけた東京の好きなところ。


自分の中身も刻一刻と変化して、今振り返ると18歳の時の私とは良くも悪くも別人だ。
自分のことだから、どこがどう変化したかを言葉にするのは難しいんだけどね。


記憶の端々に、思い返すと心がふわっと温かくなる出来事が散らばっていて、そのことを思い返している間は、とびきり幸せな気分になれる。


ふとした誰かの言葉、愛おしい視線、生あたたかい空気、もう会えない人、二度と行けない場所。


たくさん飛び込んだし、たくさん逃げてきた。


関わってくれている人たちが、交わりそうで交れなかった人たちが、途中で離れ離れになってしまった人たちが、どうか温かく幸せな場所に居てくれますように。



これは私なりの愛とか償いとか後ろめたさとかです。





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