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単行複発酵 と並行複発酵における”複”の誤解
醸造酒は世界各国至るところで作られていますが、醸造工程で大きく分けると以下のようになりますね。
1. 単発酵 (例:ワイン)
2. 単行複発酵 (例:ビール)
3. 並行複発酵 (例:日本酒)
さて、いきなり本題です。
単行でも並行でも、”複”発酵というと発酵の工程が複数あるように理解しませんか?「単行させる複数の発酵」「並行させる複数の発酵」。私、当初そう思ってました…。今一度整理してみます。
【ワイン】
糖化の工程ナシ
すでに葡萄果汁に含まれる糖分を酵母が分解してアルコールを得るワイン
→ 単発酵
【ビール】
まずは糖化工程。大麦に含まれる澱粉を糖へと分解。(発芽〜糊化、糖化)
次に別工程でその糖分をビール酵母が分解してアルコールを得るのがビール
→ 単行複発酵
【日本酒】
米に含まれる澱粉を糖へと分解(糖化)しながら、その糖分を酵母が分解してアルコールを得る工程が一度に行われるのが日本酒
→ 並行複発酵
こうして書くと、複数の発酵の過程があって、糖化の工程も「発酵」と呼ぶのかと思いませんか?少なくとも私、そう思ってました。
でも何度調べても、どう調べても「糖化」の工程は「発酵」とは呼ばない。「発酵」と呼べる工程は一つ。色々考えてこういうことなんだと合点がいきました。
糖化と”発酵”の”複”数の工程をそれぞれ”単行”させるのが、単行複発酵
糖化と”発酵”の”複”数の工程を同時に”並行”させるのが、並行複発酵
「並行」の単語中に複数の意味が含まれるから理解が難しくなる。誤解のないよう、以下の呼び方はいかがでしょう。
単発酵 → そのまま単発酵単行複発酵 → 単行糖化発酵並行複発酵 → 並行糖化発酵