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鈴を持つ者たちの音色  第十九話 ”α”-イエロー④

GQ(自給):「俺ら力(ちから)自慢が開けようとしても開けられないんだ。これは無理かも知れないなぁ。」

BOO(武):「ここまでやっても開かないんだ。これはきっと力(ちから)じゃない。おそらく棺の蓋にある8個の窪み。これが何かを意味しているのじゃないかな?」

GQ(自給):「うん。そうかも知れない。そういう事にしておこう。」

BOO(武):「ここからどうする?進路はここで途切れているようだ。」

GQ(自給):「周りを探してみよう。意外と通じる路が見つかったりして。」

ふたりは今立つ場所からふた手に分かれて洞穴部屋を半分ずつひと回りする。

BOO(武):「上には行けない。下に続く路も無い。真ん中には棺‥」

GQ(自給):「…うわぁー。」

BOO(武):「どうしたー?(BOO(武)がGQ(自給)の方へ駆けつける。)おっうわっぁ!」

何かが、いた。と、ランタンを照らすと壁際にべったり直立した”海モグラ”がいた。ジッ。としていて建物の一部のように動かないので気がつかなかった。
よく見ると”海モグラ”の立つ右側に階段があった。

BOO(武):「おいー。驚かすなよー。めちゃビックリしたー。何?この階段を上ればいいのかい?」

GQ(自給):「なんだ。そういう事だったのね。驚いたよ。ランタンの灯りが”海モグラ”の下から照らされて迫力があったよー。」

BOO(武):「俺らがくるまでずっと立っていたんだな。純一無雑だ。ほんと素晴らしい!君は。そしてほんと可愛らしい。」

”海モグラ”は最後に階段のある位置まで教えてくれた。生命の恩人である。
そして、”海モグラ”はちゃんと言われた場所を最後まで案内してくれた。
”海モグラ”にありがとう。を伝え階段を上ると、そこが本部の階下だというのに気づいた。

GA(自給):「本当に本部へ着いたね。上手く行った。」

BOO(武):「”海モグラ”のおかげだね。巡回員イエローは”海モグラ”が危険な生物じゃないのを知っていて、僕らをあの場所へ連れて行った気がする。”海モグラ”はこの本部へも何回か来てるのでは?うちらを案内した棺のある部屋から上へは上がって来なかった。それは本部の彼らに躾られてるからのような気がする。」

GQ(自給):「躾られてる?うーん。なるほどね。その線あるかもね。本部は既にこの便利な賢い従順な”海モグラ”を操ってる可能性がある。それにしても最初は驚いたぁー。まさかね。あんなのが迫ってくるとは考えもしなかったよ。」

午前6時。
ふたりは時間内にゴールした。
隊長と巡回員イエローがやってきてふたりを褒め讃えた。

隊長:「まさかね。本部の階下から現れるとはね。驚いたよ。よく頑張った。コレをやろう。」

黄色い鈴がBOO(武)とGQ(自給)に配られた。

BOO(武):「あの。あとひとつ貰えますか?僕たちは”うみ‥、いや、もうひとり協力してくれたおかげでここまで帰ってこれたのです。その協力者にもこの鈴を与えたい。」

隊長は巡回員イエローと相槌をかわし、黄色く眩しく黄金に輝くその鈴をもう一個彼らに渡した。


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