海はとおくから
海は近づくけば近づくほど僕は海が嫌いだ。
夏に海へ行きたいとよく人は言う。
けど行ってみ?涼しいどころか暑い。その実態は
・日陰がない
・水に入るまでの砂に焼かれる(暑い)
・水に入ったら入ったで波の強さに負けて危険だ
・潜っても濁った水でほぼ視界ゼロ
・水から顔を出したら海藻が顔面に張り付いてギャー
特別に沖縄のような透き通った綺麗な海ならともかく自分の身の回りの海のイメージはこんなイメージになってしまう。
今まさに夏の暑い週。
子供心にビキニのお姉さん目的に、と言っても現実は違う。小さい子供連れの家族が散歩してる程度のもの。
ビキニギャルよいったい、どこへ行った?
海は迫力がありすぎる。現実味がありすぎる。
海は怖い。自然の脅威を感じる。
僕のイメージは綺麗さより怖さの方が先走る。
お盆には海に行くな。と年寄りは言う。
実際僕の野球部の後輩も海で命をなくした。
3.11の地震からの津波も忘れない。
しかし、
しかし、
海をみょうに欲す時がある。
無性に海に行きたい時がある。
海の匂いを嗅ぎたい、時がある。
海の音を聴きたい、時がある。
海から昇る太陽を見たい、時がある。
海の遠くから吹く、風を浴びたい時がある。
忘れそうになる思い出を確かめたくて。
忘れたくない思い出を胸にしまいたくて。
傷ついた心を癒したくて。
別れた悲しみを流したくて。
わからなくなった自分を取り戻したくて。
勇気をふりしぼりたくて。
明日の活力をもらいたくて。
帰りたくない日を暗闇と共に分かち合いたくて。。。
海はとおくにあるとなつかしく
海に向かう気持ちは健やかで
海に近づくほど風質は変わり、爽やかで
海面にうつされた夕日は様々な色に変わり美しさと寂しさの両極面を胸に打ち
夜の月明かりはなお前世の魂をも包むほど安らかだ。
海はとおくから眺める
その姿がいちばん美しい。
それは額に入った景色絵の様に
生活の一部となっている。
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