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鈴を持つ者たちの音色 第四十九話”イマジネーション”
”過去の世”から”現世”に戻り
”スズモノ”一隊のメンバー、一人ひとりに確固とした目指す方向の心が決まった。
その中で早々と護りに入ったのはGQ(自給)と海モグラだ。
このふたりは”グランドライン”を維持する方向に心を決めた。
それは大叔母が目指す方向とは違う”裏”の部分に当てはまり、言い換えれば”残る”という方針でもある。
”スズモノ”たちは地球外の惑星を目指す一方で、GQ(自給)と海モグラは”グランドライン”を諦めずに護る努力の方を優先とした。
これには大叔母も他の”スズモノ”たちも驚いた。
そしてひとりを除き、誰もがすぐに理解した。
”グランドライン”はそう簡単に失くせない。
皆んなの住む家だからだ。
大叔母は”地球は滅ぶ”。と言っていた。
それなのに”グランドライン”を、
地球を、護ろうとする者がいる。
人間は目で見るものしか信じないのだろうか?
どうして、ひとつしかない命を生き抜く方向に定めないのか、WO(女)には理解できなかった。
WO(女):「ねぇ。どう考えたってこれから闘う戦闘員は多い方がいいわ。あなた達が”グランドライン”へ残るってことは、それだけ私たち最前線の人員が減るのよ。不利になる可能性だってある。それを理解してるの?」
GQ(自給):「ああ。理解してるさぁ。君らについていくのが嫌な訳ではない。ここ”グランドライン”が心配なだけさ。この”海モグラ”だってそうさ。この”グランドライン”があったから今の自分でいられた。
それに諦めたくないんだ。来世で結果が分かっていたとしても、僕は残りの命をここ”グランドライン”へ全力を注ぎたい。」
大叔母:「そうかい。止めはしない。しかし、これだけは分かってくれ。君たちは”スズモノ”の一員でそれは地球を救う為の一員を意味する。大事なメンバーなんだ。地球を救うためにも君たちは必要不可欠。いざとなったらここにいる皆んなは放っておかない。それは分かるね?」
GQ(自給):「はい。それはわかります。皆んなの命を巻き添いにしない為にも、何かあった時は”見切り”という判断を下してください。それに、僕たちには”悪抜き”後の環境を整える使命もありますから。」
大叔母:「そうじゃ。お前はこれからも”スズモノ”じゃ。それを忘れるな。」
GQ(自給):「はい。」(隣で海モグラも頷いた)
大叔母:「総裁。”スズモノ”総出で留守にした間は何事もなかったか?」
総裁ブルー:「ええ。”アイツラ”が襲ってきましたが、私たちで用はたりました。機械秘書が出る幕でも無かったです。」
大叔母:「そうか。やはり”スズモノ”がいないタイミングを知ってやってきたか。”過去の世”にいた同調者が伝えたタイミングでやったきたのだろう。行動が早いな。しかし、コレも芝居じゃ。
”現世”に”スズモノ”を足留めしようったって、そうはいかない。”アイツラ”は”現世”に狙いは無い‥。”来世”じゃ。”アイツラ”は”来世”を狙っておる!総裁。ここは任せた。”スズモノ”はこれから”来世”へ行くぞ。」
総裁ブルー:「随分とまた、大忙しですなぁ。体に堪えますよ。」
大叔母:「それ。冗談かいっ。笑。そのままその言葉。お前に返してやるよ!」
総裁ブルー:「失敬(笑)。、(大叔母には年齢の話題は丸禁だった)」
大叔母:「”スズモノ”一同よ。”来世”へ!」
GQ(自給)と海モグラを”現世”へ置き、その他”スズモノ”一同と大叔母は”来世”へ向かった。
大叔母は光の筋を手繰る。
時代は、太皇13年の夏だ。
==何処かわからない。喧騒な雰囲気に囲まれる。
はじめてきた場所を意識する。
ピンク色の光に染まる部屋の中だ。
”スズモノ”一同がその部屋を狭くする。
BOO(武)、WO(女)、ME(男)、GA(我)、WA(輪)、GO(豪)、モモンガ族のダンテ、機械人間3体、そしてGE(ゲン)と大叔母だ‥?
ひとり見かけない女性がいる‥
そして大叔母がいない
GO(豪)が不躾に聞く。
「あのー、あなたは?誰?」
その姿を知っているのはWO(女)だけだった。
「この美女は大叔母よ。その年齢の姿は”ジュン”。そしてここ”来世”での呼び名は”マスターP”。」
大叔母:「へっへっへー。驚いた?説明なくて、すまぬ。なぜか、ここ”来世”へ来ると見た目が若くなるんじゃよ。
おそらく、ここ”来世”が1番危険じゃと言うことじゃろ。戦闘モード。というか、な。」
GE(ゲン):「その美しさで、じゃろ。とか、じゃよ。とかは、きつ〜。」
ME(男):「おいっ。聞こえるだろっ。お歳でも耳はいいんだっ。(ギロリと大叔母に睨まれて焦るME(男)」
大叔母:「ここ”来世”へ来るとなぁ。身体がキレッキレっなのよー。ほらっ。(真上の天井に足蹴りを当てる)柔らかいし。」
GA(我)とWA(輪)は「いったいどーゆー仕組み?何がどーなって、こーなって、と若返る理論立てを協議している。”若返りの”納得がいかないらしい。」
大叔母:「そんなら、いきまっせー。(言葉も軽い)」
ピンクの部屋のピンクのガラス扉を開け、バーカウンター脇を通り食堂へ出る。
大叔母は食堂の一席に皆んなを座らせた。
大叔母:「まぁ。せっかく来たんだから景気づけの一杯と行こうじゃないか。」
WO(女):「やることがオッサンね。」
WA(輪):「言うことも。笑」
大叔母が飲み物を作りWO(女)が運んできた。
大叔母とWO(女)に客が次々と話しかけてくる。
WO(女):「ウェイトレスも悪くないわね。」
大叔母:「あなたも似合うわ」
お互い笑い合う。
大叔母:「これから”砦の奥”に入る。ちとした知り合いに装身具を頼んである。身を守る防具だ。戦いに備えてそれを装着する。それにGO(豪)、念願の”剣士の砦”だ。GE(ゲン)とよく見ておきなさい。」
GO(豪):「はい。興奮するなぁ。」
”剣士の砦”には3つの砦がある。
3つの砦が繋がったコロッセウム(円形闘技場)を中心に、北に”士魂の砦”、東に”大願の砦”、西に”伝奏の砦”だ。
大叔母はGO(豪)には内緒だったが、この”剣士の砦”にはじめて足を踏み入れる者には条件があった。
装身具を受け取りに行くにしても、コロッセウムに入らなければならない。
その条件とは、コロッセウムでの剣闘会への参加だ。最低でも”スズモノ”一同から1名参加させなければならなかった。
コロッセウムの前に来た。
受付係の保安者がゲート前に近づいてくる。
「こりゃ珍しい。初来訪者ですか?」
GO(豪)が張り切って前に出る。
「はい。」
保安者:「はじめての方の参加ルールはわかっていますね?この中からひとりの参加が義務づけられています。誰が参加しますか?」
GO(豪):「大叔母?なんか参加しろって言ってますが、僕でいいんでしょうか?(大叔母は皆んなの後から大きく○マルのジェスチャーをする)」
保安者:「あなたが参加員ですね。それではこの紙に名前と使用武器を書いて‥(名前を書きながら、そこでGO(豪)は気づく)」
GO(豪):「大叔母!これって。この場所で闘うの?今から!(大叔母は皆んなの後からまた、大きく○マル。とジェスチャーをする)」
GO(豪):「ひぇー、たっのしみー!」
GO(豪)が名前を書くその隣にGE(ゲン)が寄ってきた。
「なに。それ。ゴウ。ズルリィ」
そう言いながら、GE(ゲン)もGO(豪)の下に名前を書く。
「おいおい。ひとりだけだと思って見ていたのにー。こうなりゃ我慢できない。2人も3人も、同じでしょ!」
BOO(武)もやってきた。
BOO(武)はこういう格闘会には目がない。
3人とも血が騒ぐのだ。
保安者:「おやおや。珍しいこと。まるでパンを取り合う子供のよう。ここ”剣士の砦”にふさわしい方々ですねぇ。開始時間まで少々あります。奥のウォーミングアップ場を使って下さい。
食堂はあなた達が今来た方向にあります。お腹減っている方はどうぞ。」
大叔母:「私はこれから残りの”スズモノ”を連れて3砦に挨拶してくる。お前達はどうする?」
GO(豪):「闘いに備えて準備します。(BOO(武)も隣で頷く。GE(ゲン)は暇だからと言ってついてきた。)」
”スズモノ”は先ず最初に”士魂の砦”に行った。
大叔母の顔を見て数名のイケメン剣士が近づいてきた。大叔母はモテモテだ。”じゃろ”とか”じゃよ”とかイケメン剣士の前でも使うのだろうか?
いや、そもそも大叔母が190歳である事を、この目の前でチヤホヤしている男子たちは知っているのだろうか?WO(女)とWA(輪)はチクりたい気分で可笑しくなった。
その他は、GE(ゲン)が馴れ馴れしく剣士を捕まえては、「今日は誰が剣闘会に参加するのだ?」と聞いているようだった。
刈り込みの激しいジンダラボッチは今日は出場しないらしい。
次に”大願の砦”に行った。
先ほどの砦とは雰囲気が違い静かな砦だ。
入り口から奥のホールが見えた。
祈りの時間らしい。
皆、目を閉じて剣司祭の言う言葉を復唱していく。
祈りの力は強い。今夜の剣闘会でもギャラリー、一団となり祈りの力をぶつけてくるだろう。
祈る姿の中に”モリオ”がいた。
大叔母の姿を見て会釈する。
しばらく待ったが、祈りの時間は長い。
我慢しきれず次の砦へ向かった。
最後に”伝奏の砦”
ここには有名人”剣士G”がいる。
大男ガイムが扉を開けて奥に通してくれた。
大男ガイム:「これはこれは。今日は総動員でおいでなすった。お祭り騒ぎですね。」
大叔母:「ガイム元気そうね。ところで今夜の剣闘会は誰が出場するの?たまにはあなたも出たら?運動不足でしょう。」
大男ガイム:「笑。まぁね。出てもいいけど、最近の出場者は出たがりの常連者か礼儀の知らない若者ばかりでなぁ。何か腹の底からグバァッと来るのがないんだ。だから、最近は見に行かない日もある。」
大叔母:「闘いマニアのあなたが見に行かない。なんてね。よほどの事ね。ねぇ。何で今日、私が直々にこうしてやってきたと思う?」
大男ガイム:「ハンっ。どうせまた、からかいにきたんだろっ。もっとちゃんと修行しろ。とか。」
大叔母:「まぁ。それもあるわね。あのさぁ。今夜の剣闘会は見応えあるわよー。久しぶりに興奮する事間違いないっ。絶対来て。それを言いにきたの。」
大男ガイム:「ははーん。そういう事ね。こちらにも面白くなるような札を用意しろ。そういう事な。わかった。面白くしようぜ。」
大叔母は大したものだ。
3砦に挨拶に行くという名目で今夜の剣闘会を裏で誘導している。
3砦に顔がきいて、ここまで誘導できるのは、もはや大叔母しかいない。
GE(ゲン)はそれを読み取った。”今夜の闘いは実りのある闘いになる”と。
コロッセウムに観衆が集い、大叔母の効果もあって噂が噂を呼び客席は全て埋め尽くされた。
今日の剣闘士の入場だ。名前が呼び出される。
マイクパフォーマー:「レディースエン、ジェントルメン。今宵引き合い血に寄るコウモリ達よ。今夜は3ヶ月に一度のミッドナイトフェスティバル。月夜に染まり血に染まり隣の客員に噛みつかないよう‥お気をつけ下さい‥。それでは本日の入場者ー。
初回エントリー者No.1:剣士GO(豪)ーー。
GO(豪)にスポットライトが当たり歩いて出てくる。どうしたらいいのか恥ずかしく手を振る。
ME(男):「おーい!GO(豪)ー。らしくないぞー。もっと堂々としろー。(”スズモノ”たちの客席は盛り上がっている。)」
初回エントリーNo.2:剣士GE(ゲン)ーー。
GE(ゲン)は小走りで走り全体から見える場所で止まり剣のカタをひとつふたつ披露する。客席からおおーと歓声が出る。兄貴と似ず、なかなかの演出家だ。
初回エントリーNo.3:武道家BOO(武)ーー。
BOO(武)は軽快に体操選手のように側転から前宙返りそして、前方ブリッジで静止。で決めた。これまた歓声があがる。
エントリーNo.4:剣士Gーー。
勇者の王道だ。
ただいるだけでヒーロー。
負けなしの”伝奏の砦”の名を知らしめた宣伝者
積み木の丘の伝説は今も語り継がれる
大叔母:「大男ガイムよ。やはり剣士Gを出してきたね。こりゃ楽しみだよ。」
エントリーNo.5:”大願の砦”代表ジェシカーー。
その美しい美貌はとても10代とは思えない華やかさ。そして薔薇のようにその華やかさの裏には容赦なく棘という狂気を潜ませている。
姉は何度もこのコロッセウムに出場しているジェシー。いつかは見たい姉妹演出!
エントリーNo.6:”士魂の砦”代表ゴリンジーー。
夜の闇に最も似合う男。
暗闇に隠れて姿が見えない。
ひとりの帰り道はゴリンジに気をつけろ
以上6人での剣闘会をこれより開始します。
ルール説明は皆の知ってる通り
制限時間は1時間
・舞台から落ちる
・気絶する、降参する
・3回のノックダウン
で負け。
兵器や銃の飛び道具は禁止。
いつもは集団同時バトル制ですが、今夜は出場者が多いので変更します。
一回戦は2人での対戦。
二回戦でいつもの集団同時バトルとなります。
それでは一回戦の組み合わせが決まりました。
一回戦のカードは‥
《 剣士GE(ゲン)VSいるだけでヒーロー。せっかち君剣士G 》
剣士G:「おーい、その紹介。全然カッコよくない⤵︎なんだよー。それー。」
《 武道家BOO(武)VS”士魂の砦”ゴリンジ 》 《 剣士GO(豪)VS”大願の砦”ジェシカ 》
という組み合わせになりまーす。
それでは第一回戦
剣士GE(ゲン)VS剣士G はじめっ!