展示会「まぼろし」が終了いたしました
2025年1月24-26日に犬と街灯にて行われた、展示会「まぼろし」が終了いたしました。ご来場いただいた皆さん、誠にありがとうございました!

「夢うつつ」という言葉がありますが、多くの場合、今現実に起こったことを現実だと認識することに時間はかかりません。しかし、さっきみた夢が稀に現実だったかのように見えることがあると思います。時間が経てばそれは相反するものになり、夢は夢だったことを簡単に受け入れ、現実にあった過去が夢のように、まぼろしのように思えてしまう。
特別な日があると、人間の心というものは日常に戻るために自然と整理されてゆくようで、それに身体は追いつこうとします。夜はうまく眠れず、朝は珍しく7時前に目覚めてしまったり、何を食べても上手く喉を通らなかったり。そんな状態も数日経てば、お笑い番組を見て笑えたり、睡眠も食事も十分にできるようになったりします。しかし、私はその日が特別であればあるほど、日常に戻っていくさまが悲しいのです。どうしても、その日の研ぎ澄まされた感覚が曖昧なものに変わってゆく感覚が、悲しくて仕方がない。思い出してみても、表情の端々が前に比べて朧げにしか思い出せません。夢じゃなかったのに、夢であったようです。
こんな日は、なんでもいいから日記のようなものをつけてみるのですが、正直、その時に書いた文章はありふれていて、チンケで陳腐で、正直終わっているとまで思えます。
だけど、明日になれば、今書きだせた感覚すら忘れてしまっていることが多い。そう思えば、今の心は越えられなくとも、なんとかその時間の一部でも思い出せるものを作れたら。文明が残ってきたように、陳腐に思える言葉でも書いてみたらいいと気付かせられた3日間でした。
あのとき、終わっているように思えた言葉などが、何年後かに感覚を呼び覚ます手がかりとなる。そんな短歌を、そんな文章を今後も作っていきたいですね。
長くなりましたが、この3日間は想像していたものよりも遥かに充実したものとなりました。それは関わってくれた皆様のおかげです。ありがとうございました。最後にはなりますが、参加していただいた江藤颯真さん、宮下十蔵(Goemu)さん、ギャラリーを貸してくださった犬と街灯さんにも心からの感謝を。
次回は夏頃を考えています!また皆様にお会いできることを楽しみにしています。次回もお楽しみに。