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6月定例会一般質問①「地域公共交通」について

6月14日、令和6年花巻市議会第2回定例会一般質問(3日目)の場において、私は登壇して一般質問を行いました。

質問項目は2点。
・地域公共交通計画に基づく取り組みについて
・公共施設マネジメントについて

今回はそのうち「地域公共交通計画に基づく取り組みについて」に関し、一般質問の要旨と当局とのやりとりについてご紹介します。

一般質問の要旨

地域公共交通計画に基づく取り組みについて、私は次の3点について質問しました。

1つ目は花巻地域に新たに導入する予定の予約乗合交通について。
令和6年度から花巻地域(湯本、湯口、宮野目、矢沢)に導入される新たな予約乗合交通について、地域住民との協議やスケジュールについて聞きました。

2つ目は大迫、石鳥谷、東和地域の予約乗合交通の見直しについて。
大迫、石鳥谷、東和地域では、予約乗合交通の運行形態の見直しに関する説明会が昨年度実施されましたが、説明会において示された週3日のフリー運行から週5日の定時運行への移行案について、地域によっては反対も多く、いまだ見直しの具体的な方法は決定していません。
今後、運行形態の見直しについて今年度どのように地域や関係者の方々と調整していくのか聞きました。
 
3つ目は地域公共交通利用促進について。
地域公共交通は、単に移動手段の確保という側面だけではなく、さまざまな副次的な効果があり、国土交通省によれば公共交通のネットワークの整備によって徒歩圏が拡大し、結果医療費の抑制に効果があるといったデータも示されています。
公共交通を利用し住民の健康増進を図るために、現在市で行われている健康ポイント事業と連携し、公共交通を利用することで健康ポイントを付与する制度を検討してはどうか。
また、通勤に公共交通を利用することによって、自家用車通勤と比較して二酸化炭素の排出量がどれくらい削減されるのかといったデータを示すことにより、視覚的に市民に訴えるなどの取り組みを検討してみてはどうか。
これらのように利用促進の方法はいろいろあると思いますが、地域公共交通の利用促進策について市の考えについて聞きました。

当局からの答弁と再質問を含むやりとり

これに対する当局(建設部長)の答弁ですが、

1.花巻地域に新たに導入する予定の予約乗合交通については、関係者との 
  協議を終え、これから導入予定の行政区ごとに説明会を行う。令和6年
  10月をめどに導入予定。

2.大迫、石鳥谷、東和地域の予約乗合交通の見直しについては、現在、昨
  年度の説明会の状況を踏まえ交通事業者と協議をしている。今年度中
  に方針を確定し、令和7年度から見直しに基づく運行を開始。

3.市民の意識の醸成が必要であり、交通系ICカードの導入等の取り組み
  を考えている。ほかにも利用促進策はいろいろとあると思うので、研究 
  したい。

要約すると、こんな感じでした。 

私は、答弁を受け、次のように再質問しました。

1.行政、市民、交通事業者、議会など関係者が一体となった取り組みが必
  要であり、議会でも現在産業建設常任委員会で、地域公共交通に関する
  行政への政策提言を検討している。

2.市長自ら率先垂範する必要があるのではないか。例えば、大迫、石鳥
  谷、東和の総合支所の市長執務日が月1回あるが、市長自ら公共交通を
  利用して各総合支所に出向き、市民に公共交通の利用についてPRする
  のはどうか。

3.地域での話し合いが足りないと感じる。行政と交通事業者の話し合いの
  結果を地域住民に説明するのではなく、行政、交通事業者、地域住民の
  3者の話し合いが大事であり、地域住民が地域の課題を話し合うことに
  よって、地域住民がボランティアで地域の住民を輸送する「互助輸送」
  の発想も出てくるのではないか?

これに対し、市長は「市長自ら公共交通を利用することは考えられるが、忙しく余裕がない。地域住民の話し合いは必要と考えるが、職員にその余裕がない」という答弁でした。


所感

「余裕がない」「忙しい」のは重々承知していますが、市がすべて関与しなければならない訳ではなく、「地域住民が自分たちで公共交通の事を考える場を提供する」だけでもいいのではないか、と思います。

花巻市はこれまでも「パターナリズム(※)」の気質が強く、「住民のために何でもやってあげなければ」という風潮が強すぎると思います。
これで、「自分たちのことを自分たちで考える」住民自治は生まれてきません。

地域公共交通は、今後の人口減少社会におけるまちづくりの根幹をなす重要な政策です。
行政、市民、交通事業者、議会など関係者が一体となって取り組むためにも地域住民が自分たちの交通手段を考えていく必要があると思っています。


また、利用促進策は本当にいろいろ考えられると思います。

利用促進策については、この記事でもさまざま紹介していますが、肝心なのは、関係者が本気で利用促進に取り組むことだと思います。

公共交通は単なる移動手段ではありません。
公共交通は「人との交流」「健康増進」「観光」「健康増進」など地域のまちづくりの手段であって、今後の人口減少社会を地域で考えるきっかけとなると思います。

次回は、一般質問②「公共施設マネジメント」について報告します。


(※)パターナリズム
   権力や能力のある者が弱い者に対して「あなたのため」として干渉な
   いし温情的に扱うこと。










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