我が町のスポーツがガラパゴスにならないために・・・
我が町は、この度、新たにスポーツ推進計画(中間見直し)を策定した。
自分も、この計画に意見する「スポーツ推進審議会」の委員となっており、会議においては自分の意見を言わせていただいたところだが、テープ起こしをしたと思われる会議録では自分の考え方が伝わっていなかったような感じなので、改めて自分の考えを表明させていただく。
ということを言いたかったのだが、自分の話し方も拙く意見の趣旨が伝わらなかったのかもしれない。
実際、令和4年3月25日に国の第3期スポーツ基本計画が策定された。
予想通りというか、国の第3期スポーツ基本法と我が町のスポーツ推進計画には大きな隔たりがある。
例えば、国の第3期スポーツ基本計画では、今後5年間に総合的かつ計画的に取り組む12の施策を上げている。
このうち、「②スポーツ界におけるDXの推進」や「⑥スポーツの成長産業化」、「⑨スポーツ団体のガバナンス改革・経営力強化」について、我が町のスポーツ推進計画には全くといいほど触れられていない。
例えば、スポーツ界におけるDXの推進は、感染症の拡大防止と相まって喫緊の取り組みだと自分は認識している。
先日、自分の経営している法人のヒップホップダンス教室の講師と打ち合わせをしてきた。
実は、この3か月、岩手県独自の緊急事態宣言のよる感染症の拡大防止のため市内の公共施設が休館となり、公共施設を会場としている「ヒップホップダンス教室」がやむなく休講となった。
4月8日から公共施設が使えることになり、約3か月振りに教室を開講することにしたのだが、講師に対し「今度公共施設が使えなくなったら『ヒップホップダンス教室』を会員向けに『Youtube Live』で配信し、会員限定のアーカイブ動画で見れるようにすると、これまでどおり教室が開講できるのではないか?」という提案をした。
講師も前向きに検討してくれるようで、自分はこれが実現すれば逆に新たな会員も獲得できると考えている。
実際にそういったサービスは全国で当たり前に展開されているが、我が町のスポーツ推進計画にはそういった視点が一切ない。
また、スポーツの成長産業化については、国はこれまでも経済産業省との連携の元、新たな産業としてのスポーツの可能性を追求してきた。
我が町ではスポーツをいまだに「体育」という概念でとらえている方が多く、一例を挙げれば「スポーツの指導はボランティアでするもの」という考え方をもっている住民が少なくない。
そのため、「スポーツにお金をかけるなんてとんでもない」という風潮が蔓延り、そして「スポーツは行政が責任をもってやってもらえばそれでいい」という認識が広がっている。
もちろん行政の支援も必要だが、「スポーツを成長産業とする」「スポーツで稼ぐ」というマインドにシフトしないと、いつまでたってもお役所頼みのお願い行政から脱皮できないし、スポーツ人材も育っていかない。
そして「スポーツ団体のガバナンス改革・経営力強化」は言うまでもない。
自分の経営している法人で運営している「総合型地域スポーツクラブ」は当然ガバナンスコードをしっかりと明記して運営していかなかればならない。
だが、一方で我が町のスポーツ団体は、責任の所在が明確でない「任意団体」がほとんどであり、ガバナンスやコンプライアンスが徹底されていない。
また、経営力強化のために必要なスポーツ人材が育っていない現状は、前述したとおりである。
こうやって我が町のスポーツは取り残され、ガラパゴスと化していく。
この現状を変えなければならない。
時間はもうない。
行動しなければならない。
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自治体職員OBとしてこれまでの行政経験と、退職後に出会った様々な方々や先人の考え方を紹介しながら、二項対立を超えた「メタ」なまちづくりを目…
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