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「地方創生」はどこへ行く
「新しい地方経済・生活環境創生本部」の設置
地方創生の実現へ新本部設置 年末までに基本的な考えまとめるhttps://t.co/uXBMfbZ9AE #nhk_news
— NHKニュース (@nhk_news) October 11, 2024
政府は、地方創生の実現に向けて石破総理大臣を本部長とする新たな本部を設置しました。農林水産業や観光業の振興、それに企業の地方進出の促進などの検討を進め、年末までに基本的な考え方をまとめることにしています。
石破総理大臣は、地方創生を内閣の最重要課題に位置づけていて、政府は、11日の閣議で「新しい地方経済・生活環境創生本部」を設置しました。
岸田政権が設けた「デジタル田園都市国家構想実現会議」を発展させる形で立ち上げ、石破総理大臣を本部長にすべての閣僚が参加します。
本部は、近く初会合を開いて、農林水産業や観光業の振興、それに企業の地方進出の促進などの検討を進め、年末までに基本的な考え方をまとめることにしています。
また、地方活性化や人口減少などに詳しい有識者が参加する会議を立ち上げることも検討しています。
政府は、10月11日の閣議で「新しい地方経済・生活環境創生本部」を設置しました。
石破総理は、ASEAN首脳会議のためラオスに外遊中ですが、日本を離れる前の9日に開かれた記者会見で、地方創生に向けた新しい本部の設置をはじめ、地方創生臨時交付金の倍増など、今後「地方創生に力を入れていく」意向を示しました。
【速報】石破総理「地方創生に向けた新しい本部を今週設置」 地方創生交付金は当初予算ベースで倍増へ https://t.co/VZxSgGhzuy
— TBS NEWS DIG Powered by JNN (@tbsnewsdig) October 9, 2024
石破総理は9日、衆議院の解散を受けて開いた会見で、地方創生に向けた新しい本部を今週にも設置すると明らかにしました。新たな本部では、年末に向けて基本的な考え方を取りまとめるとしています。
石破総理は全国の地方では地域そのものが消滅する“静かな有事”が起きているとして、「『地方創生2.0』として、次の10年を期間に地方創生を再起動する」と強調。
地方創生のための交付金を当初予算ベースで倍増させ、地域独自の取り組みを強力に後押ししていくと訴えました。
「【速報】石破総理「地方創生に向けた新しい本部を今週設置」 地方創生交付金は当初予算ベースで倍増へ」より引用
10月9日に衆議院は解散し、10月15日の公示を控え、永田町はすっかり選挙モードの真っただ中で、世間でもあまり関心の薄いニュースではありますが、地方自治体にとって「地方創生」がどうなっていくかは大きな関心事です。
自民党の公約『地方創生2.0』
自民党は、10月10日に公約を発表し、「地方創生」について『地方創生2.0』を掲げ、地方経済の活性化と持続可能な社会構築を目指し、デジタル技術の活用と地方への分散型国づくりを進めていくこととしています。
また、地方創生のための交付金を倍増し、地域が自主的・主体的に発展できる支援を強化するとともに、地方における産業振興や雇用創出を支援する方針です。具体的には、地方でのデジタル人材育成や、女性や若者にとって魅力的な地域づくりを推進し、都市から地方への人材や企業の移動を促進するとのことです。
加えて、オンライン診療やデジタル化による買い物支援など、地方住民の生活の質向上を目指した政策も進めることとしています。さらに、企業版ふるさと納税の活用を通じて、首都圏に集中する企業の本社機能や社会機能を地方に分散させ、地方振興を図る方針です。
美辞麗句が並び、本当にできるのかな?と思う部分もありますが、一番気になるのは、「地方創生のための交付金の倍増」という部分。
2年前に「新型コロナウイルス対応地方創生臨時交付金の使いみち」について一般質問で取り上げたことがあるのですが、地方創生のための交付金は使い勝手のいい交付金ではあるものの、その使い方(使われ方)については十分な検討が必要で、これまで使われてきた交付金についても、本当に地域のためになったのかどうか検証が必要だと思います。
とはいえ、実際に10月27日に行われる衆議院議員選挙が終わってみないと、石破内閣の地方創生への取り組みも実現するかどうかはわかりません。
もしかしたら政権交代するかもしれないし。
ということで、片手落ちになるので、各党が掲げる「地方創生・地方振興」に関する公約(マニフェスト)についてまとめてみました。
各党の「地方創生・地方振興」に関する公約
立憲民主党
地方分権の強化と自治体への財政権限移譲を推進。
地方交付税の法定率引き上げによる自治体の財源拡充。
災害に強いまちづくりや地方回帰を促進する政策。
地域の多様性に応じた政策の自主的展開を支援。
東京一極集中を抑制し、地方の人口減少・少子化対策を強化。
日本維新の会
道州制の導入による地方分権を強く推進。
地方自治体に大幅な財政・行政権限の移譲を実施。
地方が自立した経済運営を行えるよう、地方交付税の見直し。
地方の競争力強化を目的とした税制改革と行政効率化。
規制緩和を通じた地方の産業振興を推進。
公明党
地方交付金の拡充を通じた防災・インフラ整備の強化。
地方自治体の医療・福祉サービスの充実を推進。
若者・女性の活躍を支援し、地方経済の活性化を目指す。
災害対策の強化と地域社会の安全を確保。
地域の中小企業支援や産業振興策を進める。
共産党
地方交付税の増額による自治体の財政強化。
医療、福祉、教育分野での公共サービスの充実を目指す。
中央政府の介入を抑え、地方分権を進める。
地域農業や気候変動対策を通じた地方経済の再生。
住民の生活向上に向けた自治体の自主性を尊重。
国民民主党
中小企業支援を通じた地方経済の再生を推進。
デジタル技術やグリーン成長分野への投資を強化。
地方交付税制度の見直しによる地方の財政基盤強化。
若者の地方定住促進や、教育・育児支援を充実。
自治体が自主的に成長できる環境整備を支援。
れいわ新選組
地方自治体への積極的な公共投資を拡大し、経済再生を推進。
インフラ整備、農業・漁業支援を通じた地域経済の自立を図る。
中央主導の政策を見直し、地方のニーズに応じた政策を展開。
地域住民が主体的に行政を運営できる地方自治を実現。
地域密着型の産業振興と福祉サービスの充実を推進。
※社民党や参政党などについては割愛いたしました。ごめんなさい。
こうしてみると、「地方分権」や「自治体の自主性の確保」、「地方への権限移譲」、「地方交付税の見直し」などけっこう似たような政策になっているような気がしています。(日本維新の会の「道州制」の導入など独自の政策もありますが)
「地方創生」の行く末
いずれにせよ、今回の衆議院議員選挙は、今後の地方行政にとっても大きな影響を与えるわけで、私たち有権者も各党の公約をちゃんとみながら投票に行くべきと思います。
そして、今回の選挙結果によって「地方創生」がどうなっていくのか注目してきたいと思います。