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【愉快なマスクデザイン・コンテストの勧め】

 税金466億円も投入したアベノマスクに、髪の毛や虫が混入していたとか。

「白マスクのみ着用」を義務づける頑迷な学校や会社があって、生徒や保護者や社員を悩ませているとか。

 祖国の迷走ぶりに、目を覆いたくなる毎日。

     *

 限られた情報しか得られないチェンマイ近郊田舎町に暮らしていても。

 すでに残り少なくなった脳細胞が、さらに猛スピードで死滅している元青年であっても。

 それらを冷静に選別&分析すれば、「いま、何をなすべきか」は自ずと判断できるというのに。

 国ともあろうものが、どうしてもっとキッチリ優先順位を見定めることができないのだろう。

 学校や会社ともあろうものが、どうしてもっと頭を柔らかくできないのだろう。

 そんなことをブツブツ呟きながら、夜のおかずを買いに出ると。

 あれれ、やっていますなあ、手作りマスク販売コンペティション。

棚全景

 手作りマスクは、この田舎町でもすでに早い時期から出回っていたけれど、色やデザイン、ここまで進化したのですなあ。

一部アップ

本当にカラフルできれいだし、中にはウイットに富んだものもある。

デザインマスク

 そんな中で迷いながら選んだのが、象の絵が入った冒頭写真の一枚。

 値段はわずか10バーツ(35円弱)!

 透明のビニール包みから出してみると、思ったよりも大きいし、厚いし、それでいて息もしやすい。

 ちょっとゴムがきついけれど、使われているのはかつて日本の家庭にも常備され、あの森光子さんもドラマで売っていた「パンツのゴム(分かるかなあ)」なのだから、仕方がないよね。

 だからこそ、コストダウンにつながっているのだろうから。

 これをつけて歩いたおかげで、総菜屋のお姉さんは「スワイ・マーク(とってもきれい)」とうっとり褒めてくれるわ。

 いつも無愛想な餅米売りのオバさんまで、不気味なほどニコニコ笑ってくれるわ。

 バイクですれ違ったマスク美人なんぞ、私の蠱惑の瞳に見惚れてこけそうになるわ。

     *

 おほお〜!(タイ人の感嘆詞)

 すっかり気を良くした元青年、そそくさと部屋に戻って慣れない自撮りをし、フェイブックの顔写真を素早く更新してしまいましたとさ。

 いやはや。

 お騒がせして、ごめんなさいねえ。

 日本の学校や会社でも、手に入る素材を使った「手作りマスクコンテスト」なんてやってみれば、きっと楽しくなると思うのだけどなあ。


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クンター吉田@チェンマイ在住物書き
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