俺と週刊少年ジャンプ2011年11号
週刊少年ジャンプ2011年11号。別にその号で後の有名作やマイナー名作の連載が始まったわけでもなければ、自分の好きな作品の見せ場があったというわけでもない、ただの打ち切り作品(DOIS SOL・村瀬克俊 全2巻)が始まったというだけの普通のジャンプ。1が4つ並んでいることに今気づいたが、それだってどうでもいい。
(*1)
なぜ俺はその号について語るのか。それは父親が人生で一度だけ家族に仕事帰りに買ってきたジャンプだからだ。昭和40年代に生まれ、小学生の頃から令和3年の今日に至るまでジャンプの立ち読みの習慣を続けているらしい父親が(俺が生まれた平成11年のその日もジャンプを立ち読みしていたらしいのに)何故その日ジャンプを買ってきたのか。おそらくワンピース単行本派の我が家にワンピースの最新話を見せつけるためだったのだろう。
当時は、なけなしのおこづかい(月500円)から200円を出すとワンピースの単行本が買えたのだが、ワンピースの単行本が出るのは3ヶ月に1回程度のペースだったので人知れずやきもきしていたのだ(アニメは見なかった。単行本よりペースが遅かったからかもしれんが、毎週最後にドォォンと現れる黒地の"ToBeContinued"がマジで怖かったのが一番の理由だと思う)。
そんな折にやってきたジャンプを開き、直感的にすぐ最初の方のページにあったワンピースを開く。するとそこには竜宮城を占拠するゾロたちの姿が。
「おっ?そんな先の展開読んでいいんか?」となりつつも先へ進む。紙質が粗くって読みにくい。でも読む。
次は巻頭のドイソル。後に全17話で打ち切られることとなる作品だ。内容は高校生天才サッカー監督(黒い方)が中学時代ブラジルにいたとかいう裸足の天才と出会いなんかぶつかりながら上手くなりそーな予感を醸し出す、そんな感じの漫画だった。
帝国学園のペンギン技に呆れてイナズマイレブンを11話切り(奇しくもここでも1が4回並ぶ)した俺にとっては実に「良心的」なこの漫画は面白かった……ような気がしたけど、主人公2人がわっかりやすく陰陽に分かれていて、それ以外には裸足どうこうを除けば特に特徴らしい特徴もない地味なキャラだったので、小学生ながら「これから話をどうやって続けるのだろうか」と心配してしまったほどだった。当時は打ち切りの存在など知らなかったはずだが、それでも心配していた。
それ以外には何を読んだだろうか。
「逢魔ヶ刻動物園」(堀越耕平・全5巻)と「保健室の死神」(藍本松・全10巻)だったはず。前者はタイトルだけで読み、印象に残らなかった。後者もタイトルで読み。なんとなく不快だったが印象に残らなかった。
ちなみにこの堀越耕平は後に「僕のヒーローアカデミア」(2014年本誌連載開始)、藍本松は「怪物事変」(2017年ジャンプSQ連載開始)とアニメ化級のヒットを飛ばしている。これは見る目があるうちに入るやら入らないやら。
あ、あとアニメで見たことあるからって理由で「べるぜバブ」(田村隆平)の最初だけ読んだ。女不良の背中に「烈怒帝瑠」という当て字があったのにえらく感心した記憶がある。この当て字に対する憧憬は後々のイブサツやら何やらの地名そうぞうに繋がった……のかも。
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