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ゆるすぎる無計画ゆるキャン△聖地巡礼ドライブ記(2024初夏)

2024年6月現在、アニメ『ゆるキャン△ season3』が放送中である(あった)。

アニメの聖地巡礼というのは放送中にやるのが楽しいので、今やってみた。

*2024年8月15日追記

この記事はアニメ1・2期・映画を追いかけてすぐ3期をおおむねリアルタイムで視聴した北海道民の私が放送中の6月にほぼ無計画に「せっかく東京の方に飛ぶなら人生初の山梨県行って、聖地巡礼してみるか」と山梨県を訪れテキトーな知識とグルグルマップのお導きで観光した記録
……を聖地巡礼後にかえってゆるキャン△好きが昂じた8月の私が訪問時は未読の原作情報などを引用しつつ記す、というテキトーな記事である。

石垣しかない甲府城
富士山は見えない。
近代国家ゾーン

8:30過ぎに甲府駅前のホテルを出てビックカメラだかヨドバシだかの角を曲がってブラブラ歩いていると甲府城が見える。

なんとなく登ってみたが、特に何も無い。
石垣と芝生の妙な調和が面白かった。

あfろ『mono』第1巻より。

映画ゆるキャン△に登場した山梨県庁の方へ下ってみた際に見えた山梨県警本部道場が一番見所であったように思う。
(最高地点から富士山も見えなかったことだし)

元々9:13発の電車に乗るつもりであったが、まだ9時前なので跨線橋を渡って甲府駅の北口側へ回る。

すると、駅側のこじんまりとした古い洋風建築の前にオタクと思しき人たちが列をなしている。

これはまさか!と思い彼ら(決めつけ)を凝視してみると誰も彼もが「YURUCAMP」という字などが刻まれた物品を所有するか、見慣れた美少女らのプリントされた衣類を着用している。

そういえば今は3期放映中だな、と気がついた。

そう、この日甲府ではゆるキャン△SEASON3のイベントが企んであったのだ。
知らなかった。

雨で破れないか心配だった
この背景を撮る人は多そうなので差別化を図った

このイベントに参加してみたくはあったものの、しかしレンタカーのレンタル時間とモロ被りな上に地元の物産をたべたべする系イベント感が強いのでさっさと流して甲府駅に向かう。

甲府駅の改札をくぐると左手に見えたのがゆるキャン△のパズルゲームの広告。そういえばあの物語シリーズにもツムツムのパクリのようなスマホゲームがあったが、どうやらこのゲームもその類らしい。こんなゲームの広告はきっと"聖地"くらいにしか設置することを許されていないだろう。

謎パズルゲーム(8月に始めてしまった…)
身延線の列車

そして身延線に乗り、レンタカーを借りに向かう。そして借りた。

ゆるキャン△の聖地が集中している身延町は甲府市から見て南西の富士川沿いの山あり谷ありの土地だが、ただ南西に進むのは芸がないので、まず甲府市内で釜無川を西に渡り、かの悪名高き市名?の南アルプス市へ向かう。

南アルプス市はさすが複数の自治体の連合体というべきか、まるで中心らしい中心を見つけられずのっぺりと広がった住宅街の中に市役所がある、といった雰囲気である。

南アルプス市役所前交差点。アルプスという字がどこかおかしい。
南アルプス市役所

その後なんとなく甲府盆地の西端を走るウェスタンライン(富士川西部広域農道)を南下し身延・富士川町方面へ向かったのだが、これが図らずも放送されたばかり(5/30)のアニメ3期9話(「ツーリングと桜めぐり」)でしまりんが走ったとされる道をなぞることとなった。

あfろ『ゆるキャン△』第14巻 第72話「春ツーリングと盆地の景色」より



おそらくは無意識のうちに(多分6月上旬地点ではまだ聖地扱いされていなかったので私のような現地で調べるテキトー人間は気が付かなかったに違いない)、登場人物と同じ場をたどってしまうことこそが聖地巡礼の醍醐味である、と私は信じている。

そうでなければテレビの画面と風景の一致を見て喜ぶしかなくなってしまうだろう。

中野の棚田。この日は曇りで富士山は見えない。

こうしてウェスタンラインらへんを走っていたところ、北海道ではほぼ見られない複雑な農道の上にある棚田が気になったので行ってみたが、普通車で棚田の間を縫うように走るのは常に物損事故の恐怖と隣り合わせで、正直走っている間は棚田を目指したことを後悔ばかりしていた。

目的地を諦めて引き返したかったが、安全な切り返しポイントは少なく、同じ道を引き返したくはなかったため仕方なく多少は道路幅が広いであろう観光名所を目指して上へ上へと車を走らせた。

「登山中に遭難したら山頂を目指せ」という教えの応用でどうにか目的地へたどりついたが、なるほど山梨県がこんな道ばかりであるなら、それこそ志摩リン(しまりん)のように原付か、バイクで観光した方がよいだろう。

ほんの少し道の広い北海道への郷土愛が強まった。

道の駅みのぶ
道の駅みのぶ

ウェスタンラインから身延道を経て合流した国道52号線を南下すること10分(うろ覚え)、「多分聖地だべ」の当てずっぽうで訪れた道の駅みのぶは富士川クラフトパークの一部を間借りしているかのような雰囲気で、やたら広かった。

そのため第2駐車場(この日は混んでいた)から道の駅本屋(?)までやたら遠く、結局用便を済ませ花壇を眺めただけでさっさと車に引き返した。

その日は結局聖地だったかどうかは知らないままだったが、後に気に入った瑞浪絵真ちゃんの初登場シーンがこの道の駅であったらしく、そのベンチへ行かなかったことが少し悔やまれる。

あfろ『ゆるキャン△』第13巻 第73話「富士川公園にて」より。左下が絵真ちゃん。かわいい。
常葉を「ときわ」と読ませるあたり難読地名は日本列島津々浦々に散在している。そもそも巨摩を「こま」と読むためには前提知識を要する。
もちろんこのトイレは本栖高校ではない。

道の駅みのぶから富士川に沿って国道58号線をうねうね南下し、飯富橋を渡り東岸へ、そしてさらにうねうね山道を越えるとJR東海身延線の甲斐常葉駅が見えてくる。

私は甲府を出て以来のゆるキャン△オタクを見かけた。

甲斐常葉駅は各務原なでしこら本栖高校生が通学に利用する駅のモデルとなっており、実際にこの駅の近くに本栖高校のモデルとなった旧身延町立下部中学校の校舎があり、駅と校舎の位置関係は現実のものがそのまま作中に反映されている。

駅の川向かい。平成を感じる!
駅舎を出てすぐ(ほぼ)分岐器中にある旅客通路を渡らなくてはホームへたどり着けない駅というのはゆるキャン△とは無関係に珍しく面白い

常葉だか下部だか富里だか五条が丘だかイマイチよく分からない通称の地域のメインストリートを抜けるとやたらキツい角があり、そこを曲がるとやたらキツい傾斜の坂の上に本栖高校…もとい旧下部中学校が見える。

これすき
シュール
あの校庭!

日産ノートで聖地巡礼の徒歩オタクを抜き去りつつどうにか坂を登り、教職員用と思しきスペースに車を停めると本栖高校がそこにあった。

車でも登るのがキツいというのに、よく登場人物らは歩いて登校しているモンだ。

公立中学校はどの地域にも必要なので、下部のように平地面積の少ない土地なら丘の上に設置するのも已むなしといったところだが、本栖高校をわざわざ丘の上に設置したのは少々設定として苦しさを感じないでもない。

ただ、札幌においても稲雲高校のような例はあるし、甲斐常葉駅からの直線距離を考えるとむしろ架空の高校ながらそれなりにそれっぽい、優れた立地設定なのかもしれない、とたった今考え直した。

玄関。最新クールの絵柄のパネルが並ぶ。
玄関
やさしい
1期〜映画の絵柄のパネルは隅へ。

校舎内には入れなかったが、どうせあの部室のモデルは校舎内にはないだろうし、野クルの校庭を見られたのでおおむね満足、といったところでブランコで遊ぶオタクらを横目に車へ戻る。

駅へ戻る途中の(行きで抜き去った)オタクを再び抜き去り坂の途中の常幸院へ。
こちらの駐車場は広く、何故か立派な自販機ショップがある。ここもまた聖地である。

本栖高校にほど近いため生徒の利用も多い…とか
振り向きしまりんすき

常幸院はとにかくゆるキャン△聖地巡礼に親和的で、スタンプも置いてある。しかし、ここでは数あるスタンプポイントの中で唯一台紙の販売がなかったため、致し方なくその場にあったゆるフェス(甲府駅で見たアレ)とやらのポスターを流用することに。こちらの方が「その場限り」感があり、個人的には好ましい。

表に捺せばよかった。
これを見てわざわざエンジンを止めに車へ戻るなど。

主目的地の本栖高校周辺を巡ったので目的がなくなり、とりあえず周辺の整地を検索してみると大垣千明や犬山あおい(イヌ子)らのバイト先が密集する身延町飯富地区をスルーしていたことに気がつき、冷や汗を流した。

(甲斐常葉駅へ行く途中飯富橋を渡っている)

やはり無計画はよくない。

まんまスクショは美学(?)に反するが状況を示すために

イヌ子の働くゼブラもといセルバみのぶ店はほぼアニメまんまである。

しかもセルバ店内に結構充実したゆるキャン△グッズコーナーがあるからすごい。

専用台紙ではないので押印な失敗したりもする。
改めて相対的巨乳がすぎる。

ここでゆるキャン△仕様でもないカレーメシを大量に買えばゆるキャン△の6人のコースターがもれなくついてくることを知ったが、そんなにたくさん旅中には買えないので、仕方なくAmazonで箱買いした。
(おかげで今6人全員のコースターが手元にある)

SHINY DAYSなどで知られる亜咲花さんにはゆるキャン△×カレーメシのタイアップ曲(Easy Life,Easy Curry-カレーメシのうた-があり、そのジャケット画はまさにこのパネルのよう。
休業中

セルバの次はしまりんの書店を訪れたが、ここは定休日であった。
駐車場らしきスペースから道路へ出るのに苦労した。

気を取り直して次なるスタンプポイントを探せば、南北に長い身延町内のメインスポット(?)身延山へ続く道中の椎茸と湯葉の店武州屋が千明のそれであるらしい。

何故武州屋かは忘れてしまったが、とりあえずまた国道52号線を南下し向かうと眼前に道路に跨る巨大な門が。

あfろ ゆるキャン△13巻収録 第73話『各務原姉妹の桜めぐり』より。

ここは原作にも登場する聖地らしく、当日はなんとなく「ここも聖地だったよーな」くらいのノリで巡っていたが、実際そうだったのが嬉しい。
私はゆるキャン△の網羅性(?)が好きだ。

(私が原作単行本12〜16巻を購入したのは8月)

そこを潜るとなるほど作中と同じように狭い!
武州屋を通り過ぎ、さらに奥の公共駐車場になんとか停めて武州屋へ行ったが、渋い商品とおじさんオタクで溢れるいい店だった。

ここでは多少のお菓子とペンや車系作品グッズを買った。確か4000円くらいは使ったはず。

無料の日でよかった
ブッた切られた鉄網?と立体交差水路めっちゃすき
少し色褪せた2期のポスター

続いて富士川をもう一度渡り、身延町の山奥を越え、しまりんとなでしこのファーストコンタクトの地、本栖湖を目指す。テキトーにも程がある。

武州屋から本栖湖を目指すと国道300号線(本栖みち)を通ることになるが、その途中にゆるキャン△の里とも呼ばれる道の駅しもべを目指す。

富士川にかかる身延橋を渡り作中にも登場した身延駅前をテキトーに流しつつ市川なんとか身延線を川沿いに北上する。
この道の東の山側にたかーい中部横断自動車道が走っており、その建設用足場の解体現場もまたたかーく、あかーく、ちっぽけな下道と"たかが"足場のアンバランスが面白かった。

作中で千明だったかが利用している波高島駅あたりで道に迷いつつ甲斐常葉駅あたりをまたまた通るとそこそこの山道に入る。
はー、ここをなでしこは輪行したんかい!
という実感がいい体験。

道の駅しもべに着いた。

なに……なに?
もうゆるキャン△ブランドとなった感が
興里創村は映画ゆるキャン△幻のサブタイ
(うそやで〜)

道の駅しもべは地産の野菜などが売っていたり料理屋の建物があるほかは、ほとんどゆるキャン△ショップとなっていたから、つい15分くらい品選びしちった。
声優サインポスターもあり、ゆるキャン△好きらしい5歳児くらいの男の子もはしゃぐなど、賑わっていた。
僕(ぼく)はここでグッズ(アクスタ系とか?)と下部饅頭を買った。

うまい

道の駅しもべを出て、あとはひたすらうねうね山道を走り本栖湖を目指す。正直こんなワイディングロードを曲がった先に1話なでしこが自転車を漕いでいたら轢いてしまいそうで怖い。

同作者のあfろ『mono』第1巻よりセルフツッコミ


南部町からここまで走るヤツはおそろしい!そりゃあこんな距離の山道を越えたらベンチで寝ちゃうわな、とも感じた。

山道はおそろしい!(5分は待たされた)

ついに本栖湖に着いたが肝心の富士山が見えない。レンタカーの返却期限があるので1話のように夜晴れるまで待つわけにはいかない(し当時テキトーな視聴経験しかなかった私は夜晴れて富士山が見えたエピソードを忘れていた)ので、さっさとコーアンのショップに入る。

み、
え…
なかった!

コーアンにも色々グッズが売られていたが、もはや買うべきものはほぼなかった。何せ3店目だもの。ここまで来ると他の聖地で見たオタクをまた見るように。

あfろ『mono』第1巻より

その後、とりあえず返却期限までの時間潰しに、と精進湖と県境近くの富士ヶ嶺公園を訪れつつ、ふもとキャンプ場もとい道の駅朝霧公園へ……

うっかり静岡県に来ちった。

おいしい

その後、アホなので迷わず南へ進む。

それからは聖地も巡らず、ひたすら清水富士川線だったかの住宅街・農地・山道を何度も擦りそうになりながら、どうにか山梨県南部町へ。

南部町の道の駅とみざわ
地のものちゃうやん!

最後はカタルシスを解放するかのように中部横断自動車道の無料区間をトバして甲府らへんへ。
無事返却時間までにレンタカーを返せた。

返却後に国道52号線(美術館通り/旧甲州街道)を東に向かって甲府まで踏破。

道中の草津温泉が小さいながらなかなかよかった。

ゆるキャン△には登場していない(そもそも甲府があまり出てこない)し、同じあfろ作品のmonoにもおそらくまだ登場していないが、いずれ登場してもおかしくないので名誉聖地認定しておこう。

甲州ほうとう小作 甲府駅前店にて

作品愛がにわかに沸き起こってきた段階でのテキトーな聖地巡礼も悪くない。

今回は甲府・本栖湖・富士川流域しか行けなかったので来年あたりそれ以外の聖地も巡るつもり。

(その頃にはゆるキャン△聖地巡礼したmonoのアニメも放送されるだろうし、またアツい季節がくるはず)

あfろ『mono』第1巻より

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