そういえばイブサツってなに?(初心者向け解説記事)
こんにちは。私のツイッターアカウントとそのツイートを見ている(ことに耐えられる心のしなやかな)皆さんは、よく”イブサツ”なるワードとともに垂れ流される地図・駄文・妄想をよく目にしているのではないでしょうか。
今回はその「イブサツ」というワードについて基本的なことだけを語ります。皆さんがこの記事を読むことによって、脈絡無く垂れ流される妄想に対する理解度などが高まり、イブサツ専用アカウント(@IBUSATSU)のツイートを楽しめるようになることを願いながら、書きましたので、是非お付き合いください。
では本題に参りましょう。
イブサツという単語
「イブサツ」とは空想地図・架空鉄道・歴史改変コンテンツおよびその世界観のことを指します。
(これは「異聞大札幌年代記」の略称です。覚えなくてもよいですが、覚えておくとイブサツがどういうコンテンツであるかについての理解がし易くなるでしょう)
もう少し狭い意味の「イブサツ」の説明をすると、イブサツとは基本的に現実改変型空想地図・架空鉄道(現実世界とは異なる鉄道会社・路線が存在する世界のことがらを創作するコンテンツということになります。
「イブサツでは~」といったフレーズが文中にあった場合には文章全体が「イブサツの世界観の中ではこのような設定になっている」というような内容のものに(現実世界や他の架空北海道などと比較して)なっていることが多いですね。
(しかしその一方で、”そういうこと”にしているのはそれらのジャンルが現在(割と)流行っていて同業者からノウハウを吸収しやすく、また注目されやすい上に創作の幅も広いから、というような面もあります。)
ただし、イブサツといってもコンテンツや世界観のみを指すわけではありません。「イブサツ企画」といえば、イブサツ関係コンテンツ及び設定(世界観)の異なる作品・コンテンツを製作するサークル(ほぼ個人サークルです)なので、これには注意しましょう。
(イブサツ企画は現在は基本的に2つのコンテンツを抱えており、その第一号がイブサツで、第二号が「失われた幌都を求めて/失幌/道庁なき札幌」という題の、明治末期に道庁が札幌から旭川に移転した世界を扱うというものです)
イブサツという世界観
イブサツというコンテンツの作中では(現実世界ではお寒いことになっている)北海道の鉄道や道路、産業に歴史をやたら豪華かつ面白おかしい(?)ものにするため、札幌や北海道、そしてついでに日本の人口をやたらめったら増やしています。そうしなくては変な鉄道や施設に自治体などをこしらえても需要の少なさから”現実味”(=フィクション内設定としての”それっぽさ”)が皆無のクズ妄想と見放されてしまう恐れがあるから……というのも理由のひとつです。
主要な人口設定を紹介しましょう。
北海道:約1800万人
札幌市:約340万人(ただし西区の一部と手稲区の領域を除く)
石狩市:約85万人
当別市:約32万人
道央第一都市圏(札幌圏):約600万~700万人
旭川市:約80万~110万人
日本国:約1億4500万~1億7000万人
と、こんな感じで、多いですね。
これらの人口増加操作はおよそ江戸時代後期からの細かい歴史改変により根拠付けられています。なるべく出生率を上げて人口の道外流出を抑えるために産業を維持してみたり、北海道が日本経済の「辺境」にならないために、満州国や極東共和国を現在に至るまで存続させて「環日本海経済圏」を構築してみたりと、無駄に凝った改変の成果としてこれらの人口設定は今までも、これからもお出しされるでしょう。
(そのため明治2年の時点で蝦夷地の人口は30万人くらいはいるだろうし、終戦時には少なくとも500万人を突破しています。いや、もしかしたら900万人くらいに到達しているかも)
イブサツというコンテンツ内に登場する代表的な単語の超簡単な解説(順番は思いついた順)
JR北日本:正式名称は北日本旅客鉄道株式会社。国鉄分割民営化後の1980年代後半から北海道の、宗谷海峡トンネル供用開始後の2009年からは樺太県(南樺太)におい鉄道事業及びそれに付随する事業を行う会社。今世紀初頭に北海道・北海新幹線の収益で完全民営化を達成した。歴史改変により(札幌らへんを舞台にした空想作品としては珍しく)札幌圏のJR路線が史実の倍以上の長さとなったため、史実のJR九州以上に駅周辺の都市開発に力を入れている。この経営スタイルは当初多くの人から批判されたが、元々北海道の内陸部は鉄道路線の延伸によってその歴史の始まった街が多いためか、駅を中核とするまちづくりに向いている風土に馴染んでいる。
道央交通公社:ぶっちゃけ超拡大版札幌市営地下鉄。7路線を抱え込んでいるが、その路線コースは政治的事情その他によってかなり変なものとなっている。日本最長の地下鉄路線と化した大蝦夷線とかかなりアホだと思う。作者の「札幌の地下鉄がJRとかと直通運転するのはなんか違う」という思想(?)のせいか七星線と幌都線以外は史実同様のゴムタイヤ式となっている。この謎のこだわり設定が役に立ったのは奇しくもアップダウンの激しすぎる大蝦夷線の存在になんとかリアリティを付与したかった時であった。
支庁:北海道庁の地方出張所みたいなもの。この世界の北海道の人口は史実東京都よりもずっと多い上に北海道は広いので特例で道庁の権限の多くが支庁に移管されている。史実とは異なり、名寄市に庁舎を置く天塩支庁が存在する。
石狩工業港:明治末期の石炭積出港築港から昭和初期の世界初(?)の内陸掘込み式港の建設により日本有数の工業地帯の玄関口となった。形がいびつなのは旧石狩川の流路を転用しているため。
第二次世界大戦:日本と満州は枢軸国側で頑張ったし、日本の国力は開戦時点で史実の2倍弱あったのだが、普通に敗けた。1945年8月の原爆投下と河本大作関東軍司令官爆殺事件をきっかけとする満州のクーデターによる満州の寝返りによって日本が降伏、終結した。ちなみに極東共和国は中立を貫いた。
日本経済:地のパワー(?)が史実よりつぉいのでバブル崩壊は経験していないか、そもそもバブル自体を回避しているし、リーマンショックまでは一時的に世界一の経済大国となった。ただし2015年に人口構造などあれこれの要因から「理由なき停滞」を迎えてからはなんかダメな感じ(適当)。コロナ禍を経て2022年度には中国に世界二位の座を奪われそうだ。