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舌の上で踊るバレリーナ:パヴロヴァを食す
パヴロヴァを扱うスイーツ店に行ってきた。
最近の日本情報に疎くてこのスイーツがどれほどの認知度なのかわからないけど一応説明すると、パヴロヴァとは焼いたメレンゲタルトの中に生クリームを詰め込んだもの。
諸説あるけど発祥はオーストラリアだとか。著名なロシア人バレリーナのアンナ・パヴロワがオーストラリアに来た時に、おもてなしとして彼女の舞台上での軽やかでエレガントな動きから着想を得て初めて作られたらしい。
そのパヴロヴァ専門スイーツ店があるらしい。調べたら週末しか開いていない。
運良くその日仕事が休みだったので向かうことにした。(余談だけどベルリンの一部のお洒落スイーツ店はなぜか土日しか営業していない)
電車を乗り継いで最寄り駅で降りる。
徒歩7分。裏通りに面した場所にその店はあった。
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お店に入ると真正面にショーケースとその横にレジが構えられている。座席数は壁側にカウンターチェアが3つ、窓側に2つと本当こじんまり。
ショーケースを覗き込むとネットで見た通り純白で埋め尽くされていた。
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私の中で定番のピスタチオを頼む。その後モンブランと書かれているのを見つけて迷わずオーダー。日本ではコンビニでも買えるくらいメジャーな代物だけどこっちではそんなにお目にかかれない。日本にいた時は高確率でモンブランをチョイスしていたので発見できて嬉しい。
家族用も込みで計4つ買って約24,00€。パヴロヴァを購入すると一直線に家に帰る。
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早速ピスタチオからいただく。
フォークを入れると空気をたくさん含んだメレンゲ生地がさくっと簡単に割れる。中には別の純白、生クリームが詰まっていた。
口に運び入れると優しい味がふんわりと舌全体を包み込んだ。メレンゲも生クリームもひかえめな甘さ。トップのピスタチオソースがほんの少し苦味が効いているけど、優しい生クリームに包まれてまろやかなものに変わる。
さすがバレリーナを模したといわれるスイーツ、味が軽やかで繊細だ。
モンブランの方はというと、初めに上を覆っていた栗のペーストのみを食べてみたら渋みがあった。私が思っていたのと違う味に少し落胆したもののそれは勘違いに終わった。
そのままメレンゲ生地と一緒に食べると中のふわ甘生クリームとあわさってなんと私の知ってるモンブランの味になった。モンブランだ!と興奮しながら食べ進める。
すると真ん中にラズベリーソースが入っているのに気がついた。酸味のアクセントが効いている。優しい味一辺倒にならず味変が楽しめた。
初めてパヴロヴァを食べてみたけど上品なスイーツだった。まさに洗練された芸術品のよう。この特別なスイーツを堪能して、食と芸術の融合の美しさを感じることができた。