welcome to フライハイヴェルト「welcome to Miracle」②

窓がカタカタと揺れる。つまり微弱ながらに振動があると言うことになる。この世界で考えられる最も妥当な振動、魔力の放出だろう。

「……クラッシャー、落ち着け…」とソナーはクラッシャーの肩に手を置いた。

「ソナー、俺が理由も無しにアリと対立してるとでも?」とても強い口調で発せられた言葉に痛みを感じた。

「魔法の準備だァ。早くしやがれェクソガキ。」レッドは焦りながらも麗眞に指示をする。どうやら、憎んだり歪みあったりする状況ではないらしい。

「具体的にどんな魔法を使えばいいの?」よく分からないまま麗眞は構える。

「この状況を変える方法は無いのかな?ボクやレッドの魔法は攻撃的すぎるから変に相手を刺激しちゃうんだ。」それなりに早い口調で明里は説明をする。

「滅刀『鬼丸国綱』」アリはどこからか刀を取り出して構えた。手に持っていた酒瓶は消えていた。刀は禍々しい雰囲気を放っていた。

「アリ、やるって言うんですね。いいでしょう、俺が完膚なきまでに倒してあげますよ。」翼の煌めきが増した。どうやらクラッシャーも戦闘態勢に入ったようだ。

「……すまない、麗眞…」ソナーは小さく言うと建物は一瞬にして消えた。まるでここに初めから建造物は存在していなかったかのように。

「ソナー!テメェはとッととクラッシャーを止めろォ!!」危険を察知したのかレッドはアリの方向に走り出していた。アリの目の前に立ったレッドは一瞬にして身体が横に二等分され、頭部が破裂した。

「イッテェな!!クソがッ!いい加減にしやがれクソババアァ…」惨殺されたかと思うと瞬時に再生しレッドはアリの首根っこを掴んで持ち上げた。仮面をつけているが怒っている表情が目に浮かぶ。

「何よ、あんたは歳も重ねられないガキじゃない。離しなさいよ。」アリはレッドに対して冷ややかな視線を向ける。するとレッドの仮面にヒビが入った。

「ソナー、あなたなら分かってくれると思っていたんですがね。これまで手加減をしていましたから、ここで本気を出して奇跡最強が誰か、その身に叩き込んであげましょう。」クラッシャーの周りには雪のように光の粒子が降り注いでいる。その粒子が地面に落ちると最後にその粒子は一番強い光を放出して消滅した。地面が少し抉れているのが見えた。

「…結界……創生…」呟くようにソナーは言った。するとあたり一帯が暗い陰に覆われた。

「あんれま、ソナーちゃんやっちゃうの?やるって言うんならアークちゃんも本気(マジ)でやっちゃうよ?」ソナーの陰から小柄な少女が現れた。その頭部には角があり、鱗のついた尻尾も生えていた。

「!ルー!来てくださいッ!」閃光弾のような光が瞬いたかと思うとクラッシャーの隣には金髪の少年がいた。彼にも尻尾が生えている。だが角はなく代わりに恐竜を思わせるような羽があった。

「クラッシャーさぁ…ソナーに勝てないの承知で俺を呼ぶよねぇ。本当に気分を害するからやめてよ。で?結界内だから尚更勝てないけど。」不機嫌そうに少年は言う。

「麗眞、おいで、そろそろすごいことが起きるからボクと一緒にいよう。ミズハノメ、お願い」地面に波紋が起きたかと思うと水から飛び出すように少し老いた女性が出てきた。

「明里や、防御に専念するんでいいんだな?」女性は明里にそう聞くが答えを聞く前に既に行動していた。

「ババア…早く諦めろォ。我っちはプロメテウスが嫌いだ。出させんなよ…?」レッドは先ほどから何も変わっていなかった。アリは未だに持ち上げられている。

「ガキがぁ…ドワーフをナメてっと肉塊にすんぞカスが」とてもアリから出る言葉とは思えなかった。

「妾は貴様と対峙などしとうなかった。レッド、どうかその手を緩めてくれんかえ?」レッドの背後にはまさに地龍を擬人化したような見た目をした女性が立っていた。

「ひぇっひぇっひぇ…かなりホットな状況じゃのぅ?えェ?ヴェルベッド。」杖をついた老人がいつの間にか立っていた。

「プロメテウス、貴様ならヴェルベッドに物申せるだろう?どうにかしてくれんか。」会話を試みる女性をよそに老人はレッドに近づいた。

「アリ、すまんな。わしゃヴェルベッドを止めることはできんかのぅ。じゃが、お主を止めるくらいならやれるんじゃ。」伸びた顎髭を撫でながら老人は言った。

「全ての物体の構造をインプット。能力を獲得し、広げます。オリジナリティ100%(マックス)裁苦谷 麗眞は無属性魔法を全て獲得しました。戦場にて、互角以上に戦えると判断しました。模倣刀(リメイク)鬼丸国綱をディメンジョンボックスに入れました。」
また、私の知らない言葉が…強くなっていく。私の脳はまさにこの世界全ての事を詰め込んだ叡智だ。見える、この後全てがどう動くか。私はユグドラシルについて触れたのが間違いだった。これを正すために私がこの場を収めなきゃ。
最低条件は
 アリ・クィーンとレッドの戦闘の意味を無くす...①
      結界を消す...②
クラッシャーをソナーの手助け無しで撃退する事...③
忘れちゃいけないのはここは森に近いつまり
     森への被害は0でなくてはならない...④

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