welcome to フライハイヴェルト「welcome to Meeting」

大災害、そうとしか形容できない魔法の暴力、これらが一通り終わり、最後の二人はハッとしたようだ。

「んえ〜?理解不能ェ(なにこれ)〜?アークちゃんの邪魔するとか馬鹿(あたまだいじょうぶ)〜?」少女は不機嫌そうな顔で罵ってるのかよく分からないような事を言った。

「ゾディアーク、妾から見ても明らかにやりすぎだ。」女性は少女の近くに行き、軽くチョップした。はずなのだが地面がピシッと言ってヒビが入った。

「ミズちゃん、もうちょい手加減できない?アークちゃんまあまあ痛かったよ?」と少女は叩かれた部分を撫でながら言う。

「だから俺は言ったじゃん勝てないって。キミがなにをしようが構わないけどキミの固有魔力は命あってこその物じゃないか。死んだら発動もできない不遇魔力保持者のくせにイキがっちゃってさ」少年は憎たらしくクラッシャーに論理的罵詈雑言を浴びせる。

「黙れッ…!俺の魂はまだ敗北を認めてません…!」怖い目つきで少年を睨む。鬼以上の形相で睨むクラッシャーは今にも世界を壊せるのではないかと思えるほどだった。すると、クラッシャーは水をかけられた。

「これでも被って落ち着きな、クラッシャー。あたしが言えたことじゃないけどさ」アリは真剣な顔をしていた。

「えっと、話し合い、再開していいですか?」麗眞は本来の目的を思い出すかのように言った。

「ッたく…我っちはいい。どうせ我っちが言うよりもテメェらが分かりやすく言えんだろ。」レッドは少し疲れた顔をしてどこかに行ってしまった。

「マジック『無意識の協力』(パワーレント)」麗眞が魔法を使うとどんどん先程の建物が造られていく。

「え?これぇ、あたしの奇跡じゃなぁい」アリはどうやら感覚でこれが自身の能力であることを理解したようだ。

「少し魔力を借りました。そう言う魔法を作ったんです。」麗眞は簡単に説明する。

得体の知れない力を使うのは怖いけどこれが解析とか分析で良かったかも。そうじゃなければきっと制御できずに魔法も使えなかった。もしかしたら獲得しても一生使わない魔法とかあるのかな。

「ボク、少し疲れたんだけど。」明里の額に汗が見える。かなり体力を使ったのだろう。

「………ポーションが、あるぞ」ソナーは懐から液体の入った瓶を取り出した。見た目はサイダーのようだった。

「ソナー、もらうね。と言うかなんでポーション持ってるの?君、傷とか風邪とかデバフとは無縁だよね?」と言いながら蓋と思しき部分をカリッと砕いて一気に飲み干した。

「俺の…固有魔力を無効にできる、明里が…いるからな。」少し乱れていた服装を直しながら小さな声でソナーは言った。

「ルー、詫びは後でします。中に入って回復しましょう。」クラッシャーは頭から被せられた酒をそのままにして作られた建造物の中に入っていった。

「プロメテウス、そう言えば貴様はここに居ても良いのか?妾からすれば主人と行動を共にせねばいけないと思うんだが。」女性は座っている老人に言う。

「いいんじゃよ。あやつ、短時間で何度も死によった、肉体は不死でも精神まで回復力が高いわけじゃあるまいて、わしが行っても余計な口挟んでしまいにゃ発狂じゃよ。」伸びた顎髭を撫でながら老人は言った。レッドを思っての行動のようだ。

「あの、プロメテウスさん、レッドはそんなに苦しい思いをしても、痛みを患っても他人のために死ぬんですか?」麗眞は考えるよりも先に問いを老人に投げる。

「奴は、ヴェルベッドは神に捨てられても、一つ、思いを抱えて生きてるんじゃよ。それは『自分の目に映る死の瞬間は常に自分でなくてはいけない』と言う思いじゃ。いつ狂ってしまうかも分からないが其れがあるなら死を良しとしたんじゃ。」老人は語る。自分は不死であるから、それを肩代わりしようとする、麗眞はそれを傲慢としか思えなかった。だが麗眞にはどうすることもできない。だから、今は情報を得て、世界を完全に理解することから始めよう。

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