welcome to フライハイヴェルト「welcome to MIRACLE」

「立ち話とか嫌なので場所変えましょう。どこかいい所知ってます?」契約が終わり、情報を聞き出そうとしている彼女が開口一番に放った言葉がこれだった。

「龍と契約すると傲慢になりますが、どうやらその影響が顕著に表れているようで何よりです」皮肉交じりに男は言う。

「ええ、私でも自分の変化が分かります。」

「それでは、移動しましょうか。」と男が言う。その発言と同時に彼女の脳内ステータスに変化が起きた。

「いえ、移動はもういいです。疲れました。」と彼女が言う。実にワガママな発言だった。

「アァん?テメェ…舐めてんのか?動かなきャ移動できねェだろうがッ!」辺りに怒号が響いた。

「っるさいわね〜頭に響くじゃないの〜」フラフラとしながらアリは言う。

「それで?ボクらはこれからどうするのかな?君の指示を一応、待つけどさ」笑顔で女性は言う。その笑顔から少し威圧感を覚える。

「この世界の構造はだいたい理解したので、瞬間移動します」突然発せられた言葉を周りは理解できていなかった。

「じゃあ、始めましょうか。座標公開。アビリティアンロック、マジック『空間転移』(テレポート)」魔法陣が展開され、スキャナーのようにそれは全員の身体を下から上へと通されていく。そして、肉体はその場から消えた。

「な、なんだァ?意味が分かんねェ…」気づけば全員の位置が変わっていた。一同は驚愕した。ありえないと口々に言う。

「それじゃあ、話を始めましょうか」彼女は落ち着いて口を開いた。どうやら場所はどこかの建築物の中のようだ。内装はまるで現代のカフェのようだった。

「先程いた場所から少し遠く、転移が完了する前にこの場所を作りました。」淡々と説明する彼女はどこか自慢げだった。

「んえ?わたし、そんな酔ってたぁ〜?なんか知らない場所になってる〜あはは…」と言いながらテーブルに着いた。

「それで、ボクらが要求したことはしてくれたからね。大抵のことなら答えるよ。」そう言いながら彼女もテーブルに着いた。

「助かります。じゃあ、まず、全員の素性を聞きたいです。」まずは普通のところから。なんら不思議ではない切り口から会話は始まった。

「ボクは暴星 明里だよ。」青い髪の女性はそう名乗った。

「あたしはぁアリ・クィーンっていうの」酔っている女性はそう名乗った。

「俺はサーカス・クラッシャーと言います。クラッシャーでいいです。」翼の生えた男はそう名乗った。

「我っちはレッドヴェルベッドだ。この奇跡の中で一番強い。初見殺しがなきャ我っちが勝ッてたな」先ほど上半身を吹き飛ばした男は苛立ちながらそう名乗った。

「……ソナー・ポケット」コートを羽織った大男は静かにそう言った。そして帽子を深く被った。

「では、改めて裁苦谷 麗眞です。」彼女は自身のことを言う。

「まずは、この世界の基本的なところを教えてくれませんか?」彼女はそう聞く。言葉こそ丁寧だが他人に物を頼む態度ではなかった。

「いいよ、ボクが教えるよ」と明里は種族について、自分たち奇跡とメンバーはあと一人いることや過去に何があったのかを説明した。(詳しい内容は自分がフォローしている綿貫様の世界観設定①から読んでいただけるとありがたいです)

「ユグドラシルについては?」麗眞は明里が話し終わったところでそう口を開いた。何人か驚いている様子だった。

「ユグドラシルはァ…」話すべきか否かレッドは迷っている様子だった。

「ユグドラシルはねぇ〜死んじゃったのよぉ〜」場の空気を壊すようにアリは言った。

「今からそうねぇ大体3日だったかしらぁ?魔王を倒すためにぃ魔力と命を犠牲にぃ死んだのよぉ〜」酔いに任せて吐き出すようにアリは言う。彼女は彼女自身が酔っている事を理由に話しているようだった。

「アリ、一番悲しんでいたあなたがそんなに簡単に言うのですか…それとも飲み過ぎで大事な友人が死んだ事を忘れましたか?」憤りを感じている。目は怖かった。

「っるさいわねぇ、前に進めないクセにぃ。あたしは酒を使ってでも絶対に前に進んでやるわよぉ」窓がカタカタと振動する。

「まずいね。レッド、ボクはキミが嫌いだけど、今は協力するべきってことは分かるかな?」明里は椅子から乱雑に立った。

「流石によォ、こいつァまずい。ソナー、結界を準備しろォ!」椅子を灰にしてレッドも立ち上がった。

「…」ソナーは無言で普通に椅子から立った。何か大変なことが起きようとしてるらしい。


投稿が遅れて申し訳ございませんでした。ここからは少し言い訳させてもらいたいです。まず、時間の都合です、いかにも能力のない人間が言いそうなことですね。次に結末をどうしようか考えていなかった。正直こっちが本命です。自分は結末を考えてから書く逆算型みたいなもので終わり方を決めないと何も書けません。先日、やっといい感じに結末がまとまったので改めて投稿を再開したいと思います。それでは、また次のページでお会いしましょう。

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