welcome to フライハイヴェルト「welcome 2 WAR」

「麗眞、すごいね。無傷でアリを止められるとは思わなかったな。」と言いながら明里は麗眞に歩み寄った。

「明里さん、私、やりましたよ!」と麗眞は明里に駆け寄る。

「良く頑張ったよ。ボクよりのすごいね」そして辺りにパシン!と言う何かを叩いた音が響き渡った。

「いたっ!え?なんで?」明里は麗眞の頬を引っ叩いていた。

「ボクさ、行っちゃダメって言ったよね?なのにどうして向かったのさ。今回は運が良かったけどもしかしたら死んでたかもしれないって分からなかったの?」真剣な顔で麗眞に言う。

「ごめんなさい。でも、これは私なりのケジメなんです!クラッシャーを止めるためにどうか、力を貸してください。」と深く頭を下げた。

「全く、マホロバ人みたいだね。ボクの友達にもいたよ、無茶してもやるべき事を成し遂げようとするの。」憂いた顔をしていた。

私…とんでもない地雷を踏み抜いてる…もうこれで二つ目とか…!

「そうだなぁ、ボクは人形だから傷を負うと修復が簡単じゃないんだよね。だから、外から入りづらく、内から出られない属性結界の解除ならしてあげる。」きっと明里にとってそれなら容易に出来るのだろう、意気揚々と提案をする。

「お願いします。明里さん」深く頭を下げる。

「もちろん。君が傷つかないようにボクが手助けするよ。会ったばかりだけど、仲間だからね。」そう言って袖を捲る。そして結界に向かって歩き出す。

「麗眞、いいですか?明里とは連携が大事です。マホロバ風に言うならアウンノコキュウって奴です。」ケツァルは麗眞に注意するように言う。

「うん、分かった。」そう返答する。そうして明里についていく。

「魔力発動『死ぬのがいいわ』(キラークイーン)結界よ、崩壊の時だよ。」結界の前に立った明里は結界に触れ、呟くようにしてそう言った。すると、明里が触れた所から結界は消えていく。内側の様子が見え始める。

「天使ごときがこのアークちゃんに敵うわけないんだよぉ!さあさあさあ!罰罰(バチバチ)に殺っちゃうよォ!!」少女は空中に浮遊し暗黒の稲妻を高く掲げた両手に集束させボロボロのクラッシャーに放とうとしていた。少女の真下でソナーは葉巻を加えて片手をポケットに入れていた。

そっか、今だ!ここで二人を止める魔法を使えばいいんだ!私が無茶しても明里さんが手助けしてくれる理由…私に期待していると言うこと、ここでやらなきゃ!

「今!願いを聞き入れたまえ!窮地を迎える刹那に悠久の時を!マジック『遠き最果ての時間』!!!」魔法を発動した瞬間、鐘が鳴った。すると戦闘をしている四人の動きが遅くなった。

「全てを断絶する嵐よ。全てを吹き飛ばせ。風魔法『烈なる狂風』」まだ完全に消えていない結界内にこれまで体験したことがないほどの風が吹き荒れた。例えなど出てこないほどに強い風だ。

「さあ、争いは終わりだよ。打ち付けられよ。地に伏せ、己が愚かさを噛み締めよ。後悔など遅い、生温い。水魔法『終結の龍落とし』」詠唱を終えると雨が降り始めた。雨粒はさほど大きくはない、だが、隕石のように地面を抉る。いくら強者を止めるためとは言えこれはやりすぎではないだろうか?とさえ思えるほどだった。

麗眞はその後景に圧倒されることしかできなかった。だが、これでやるべきことは完了した。自分一人で争いを終わらせることが出来なかったのが心残りではあるがアレはあくまでついでのような物であった。最低限の条件は完遂した。次のステップに進む必要がある。

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