【第25回】雨の日とブックオフと言い訳ばかりの僕。
連日のように雨が降る。
少し前のエッセイで梅雨が好きだと書いたけれどもこうも雨だと流石に気が滅入ってくる。こればっかりはしょうがない。
なんでも関東の方では記録的日照不足でずっと日の光があたっていないそうだ。
そうなると流石に梅雨明けが待ち遠しい。
さて今日は休日。就活が始まる前にしていたバイトもやめてしまったから結構暇だったりするわけで。早く働かなきゃなと思いつつ卒業がかかってるテストも近づいているから勉強に集中する…という言い訳でずるずる今日まで来てしまったのだ。
何をしようかと悩んだ僕は結局ブックオフに行くことにした。
ブックオフとは言わずもがな古本屋だ。最近は本以外にも家電や衣服ホビーなんかを売っているけれども。
読み終わった本とかを売ればお金が入るし立ち読みをして時間も潰せる。貧乏学生のためにあるような場所だと思う。
最近はメルカリとかで売ればお得なのだろうけど商品の写真を撮影し購入者と連絡をとり購入されたら梱包して発送する作業が面倒に感じて手を出していない。どうせ中古で買った文庫本なのだからそんなに手間をかけるのなら店に持ち込んだほうが楽だと思う。
けれども一番近いブックオフでも僕の家からは結構遠い場所にあった。自転車で行けばそんなに苦労はしないけれども雨の中だと思うと少し萎えてしまう。実家で暮らしていたときはブックオフは比較的近く、学校帰りにでも寄れたのに残念だ。
ただ雨を理由に外出しないのは、なんとも勿体無い気がしてならない。どうせ家にいたってダラダラとYouTubeを見て飯食って風呂入って寝てそれで今日という日は終わりだ。きっと今日は勉強もしないだろう。どうも気が乗らないからだ。
だったらでかけたほうがいい。重い腰を上げやっとのこと自転車をブックオフまで走らせた。
ブックオフにたどり着くとそんなに店内は混雑しておらず快適そのものだった。都会のブックオフに立ち寄ると人がいっぱいいて、そそくさと帰ることがあるのだけれども、田舎だし雨が降ってることもあって自由に店内を見て回れる。
とりあえず持ってきた読み終わった本を売ろう。一人暮らしの家は狭いからできるだけ使わなくなったものは手放すようにしている。どうしてもとっておきたかったら実家の物置と化した自室に置くのだ。
本を5冊売って895円。まずまずだと思う。捨ててしまうと罪悪感が湧くけれども売れば、だいたいは他の人の手に回ってゆく。それでお金が手に入るなら文字通り儲けものだ。
ブックオフやリサイクルショップは見ていて楽しい。思いがけず昔の記憶が戻ったり掘り出し物があったりと様々な発見がある。
高校時代は嫌な現実から逃げるようにレトロゲームを買い漁って遊んでいたから、古いゲームも売られているブックオフは思い出の場所の1つでもあるのだ。
結局2時間くらい店内をウロウロして参考書を買って帰った。
参考書を買ったのは結局「今日俺は無駄なことをせずに何かをしたんだ」と思いたかったから。
「今日はやる気がないので勉強はできませんでした。でも明日以降、がんばるための準備をしたんだよ」ってね。
ああ。今日は言い訳ばかりしている。今も「まあそんな日もあるよね」って書こうとしていた。
少しはちゃんとしないとな。今日はスパッと寝てしまって切り替えよう。
そして明日の僕は今日の僕へとこう怒るのだ。
「言い訳ばっかりしていいわけ?」と。