【第78回】最後の一分一秒まで楽しむ根性。(タイ王国旅行記Vol.8)
タイ旅行最後の宿は、なんと初日に宿泊したゲストハウスのほぼ真向かいにあった。
最終日のフライトはなんと朝の7時25分。寝るだけで十分だったので空港の近くでとにかく安い宿を適当に選んだのだけれども、まさかこんな偶然があるとは。
この宿の付近にも野犬がちらほらいて夕方になり元気になって走り回っているのにビビりながら大幅な迂回をして、僕はチェックインするためにゲストハウスの扉を開けると…。
ワンワンワン!!!!!!
うわ、びっくりした!
犬から逃げてやってきたゲストハウスでは、なんと犬をペットとして買っていたのだ。なんだよこれ。
おもてなしが最高のゲストハウス。
最初に犬に出迎えられたときは、心底びっくりしたのだけれども、チェックインしてみると何もかもが最高のゲストハウスだった。その辺にいる野犬とは違う。やっぱりペットはペットだ。小型犬は可愛い。
なんと、このゲストハウス、水の入ったペットボトル、コーヒー、紅茶、お菓子、果てはカップ麺などがいつでも全部無料。空港と駅に近くアクセスも文句なし。安宿らしく相部屋だけれどもベットは全部カプセルで構成されていてある程度プライバシーは守られる。これで1000円いかないとは。文句なし100点。
あと重要なこととしては、備え付けのシャワーがしっかりお湯が出るシャワーだった。こんなことでもありがたいと思うようになったとは。
ただ寝るだけなのが非常に惜しい宿だったと思う。なにせ朝4時にチェックアウトしなければいけないのだから。
それに加えて、このゲストハウスのオーナー家族が気さくでいい人たちだった。そんな彼らの優しさが伝わるエピソードがある。
これは少しばかりの休憩を挟むと僕は夕飯を食べに街に繰り出すことにしたときのことだ。
ゲストハウスを出るとオーナー婦人が「どこへ行くの?」と話しかけてくれた。
ノンネイティブにもわかりやすいようなハキハキとわかりやすい発音で話してくれるこの婦人の一言一言は、英語が全く得意ではない僕にとってが非常にありがたい。
「なにか食べようかなと思ってるんだ」
そう僕が伝えると、婦人は笑って、
「だったらあなたにおすすめの場所があるわ!この通りを右に曲がって真っ直ぐ行くと屋台料理が食べられるわよ!」
と、教えてくれた。
こうして僕は現地人のおすすめする屋台料理を何の苦労もなく味わえたのである。
麺料理。料理名は不明。
誰か教えてください。
ただ唯一残念だったのは、この屋台街は僕がタイ旅行初日に訪れた場所と全く同じだったことだ。
最後の一分一秒まで旅を楽しむ根性。
夕飯を食べ終えると軽くお酒を飲んで朝4時のチェックアウトに備え22時頃にはさっさと眠りについた。
徒歩10分程度で空港に到着するので本当は4時に起きる必要ないのどだけれども、最後の最後まで旅を楽しむためにはこうしたほうがいいと思ったからだ。
無事起きることができると、わざわざ僕のチェックアウトのためにフロントのソファーで寝ていてくれた人がいて申し訳無さと感謝の気持ちでいっぱいだった。ありがとう。
チェックアウトをすると僕は空港へ一直線で向かった。これだけ早く空港に着いたのは2つの理由がある。1つ目は空港の24時間営業のレストランで最後のタイ料理を楽しむこと。2つ目はお土産などのショッピングだ。
1つ目はイメージしやすいだろう。
僕は最後にカオマンガイを食べた。カオマンガイ自体は初日にも食べたし、空港のカオマンガイは120バーツ(当時のレートで約420円)と、あのときのものより3倍高いのだけども、それに見合っただけあって肉厚で量も多く満足感があった。いくら高いとは言っても日本で食べるとこの値段では食べられないので今のうちに食べておいたというわけである。
重要なのは2つ目だ。
これが結構重要で航空券の費用を抑えるためにLCCで機内持ち込みだけの旅をしていると機内持ち込み可能な荷物の重量制限(航空会社によって)と預け荷物に入れることができるが機内持ち込みは許可されていないもの(100mlを超える液体など)の壁にぶち当たってしまう。
しかし、このルールは実は簡単な回避方法がある。
保安検査を終えたあとの免税店等で買い物をすればいいのだ。一般で流通する市場より割高なことも多いが、買い物する者や量によっては荷物を預けるより断然割安なので覚えておくといいだろう。
そんなわけで残り少ない時間でショッピングも楽しむことができた。最後の最後まで楽しもうとするがあまり、なぜかタイティーのタピオカドリンクとアップルパイを買ってしまった。お金の使いすぎには注意しよう。
ただ、間違いなく旅の満足度を高めるためには、朝早くに起きてでも最後の一分一秒まで楽しむ根性が大事なのだ。
こうして僕のタイ王国旅行は終わりを告げたのである。
最後の最後までタイを楽しんだ僕は飛行機に乗り込むと自然と満足感に満ちあふれている自分がいることに気がついた。
確かに「帰りたくないな」とか「名残惜しいな」とか、そういった感情がないわけではない。ただ、それ以上に「楽しかったな」という気持ちでいっぱいだったのだ。
前回訪れた上海では、どちらかというともっと滞在したかったという気持ちが上だったのに。
そして、それ以外にもう一つ芽生えた感情が。
「もっといろいろな国を巡りたい!」…と。
タイをこれだけ堪能した今、他の国でも楽しめるに違いない。
大学生活もこの時点で残り半年になった、できるのは今しかないのだ。
そんな小さな決意を抱かせ、僕のタイ王国旅行は終わった。
その後、僕は2ヶ月後の11月に“戦後最悪”とまで形容されるほど悪化した日韓関係の真っ只中、韓国に訪れることになるのだが、それはまた別のお話。
最後に
タイに行ったのは9月ですが、なんと、もう12月ですね。6日間の旅を全部記事にしようと思うと時間がかかります…。
次からは前回同様、記事で使えなかった写真やこぼれ話なんかを公開しようと思っています。全10回で完結です。
もうちっとだけ続くんじゃ。
>>前の話はこちら:【第77回】絶対ラスボスいる場所にラスボスがいた。(タイ王国旅行記Vol.7)