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勝手な同情

 自ら命を絶つということについて勝手なことを書いてます。不快に思われる方がいらっしゃるかもしれないので、ご注意下さい。

 今朝、最寄りの駅に着くと人身事故で電車が止まっていた。アナウンスによると、二つ前の駅で「お客様と接触」したらしい。その駅は去年の秋にも「お客様と接触」があったはず。その日は帰る途中の駅で降ろされたんじゃなかったっけな。

 その接触の多い駅は渓谷の上にかけられた橋の上にある駅で(というか、橋自体が駅、みたいな)前後はすぐトンネル。ハイキング客しか乗り降りしない駅のはず。ということはやっぱり自ら、、、ってことなんでしょう。

 某ニュースサイトで情報を確認したが、コメント欄には案の定、迷惑だ、飛び込むなら川に飛び込めばいいのに、といった意見が多数。まあ、その通りですが。私も、その駅から歩いて15分の別の電車の駅まで歩かされ、普段の倍の時間をかけて出勤する羽目になりました。授業も休講にしたし。

 でも、やっぱり、あんな寂しい駅で降りて一人で電車に飛び込んで、って想像すると、単純に「かわいそう」だなって思ってしまいます。ホームに降りて線路に飛び込むまでの時間に何を考えていたんだろう。

 思いとどまれなかったのか、とか、誰か力になれる人はいなかったのか、とかではなくて。自殺を肯定するつもりはもちろんないが、自ら命を絶ってしまったという結果よりも、やっぱり、そのホームで最後の電車が来るまで過ごした時間がどういったものだったのかがすごく気になる。そして、ヘンな言い方だし、不謹慎かもしれないが、せめてその時間に考えたことが、幸せな瞬間であったり、暖かい記憶であったことを願いたくなる。

 自ら命を絶つということはきっと凄絶なことなんだろう。身体が要求する生命の維持へ向かう行動を振り切って、逆に向かって跳ぶのだから。理解はおろか想像も及ばないが、明日も生きていく者として、せめてご冥福を祈ります。天国までの列車には飛び込まずに乗車して下さい。

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