SHIORI EXPERIENCE というアツいマンガを知っているか?
正式なタイトルは『SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん』 長田悠幸 町田一八 作 月刊ビッグガンガンで連載中
地味な高校英語教師 本田紫織 が、27歳の誕生日に突然伝説のギタリスト ジミ・ヘンドリクスの霊に取り付かれ「27歳が終わるまでに音楽で伝説を残さないと死ぬ」と告げられるところから始まる、バンド漫画である。
オススメ① 圧倒的にかっこいいライブシーン
バンド、音楽系漫画の華といえばライブ、演奏といった音楽を奏でる瞬間だろう。そのシーンをいかに魅力的に表現できるかが音楽系漫画の肝と言っても良い。 だが、本来聴覚メインで楽しむ「音楽」というものを視覚的に表現するのは難しい。演奏しているシーンを描いて、観客に「なんて素晴らしいんだ!」と言わせるのは簡単だが、その「素晴らしさ」に説得力を持たせるにはどうすればいいのか? シオリエクスペリエンスはその課題を「マンガ的表現」と「画力」で解決した。
「その演奏を聞いた人間が何を感じたのか」をマンガ的に、大袈裟に、格好良く描いてくれている。 実際に音楽を流せるアニメでも、細かい描写を伝えることが出来る小説でも出来ない、マンガだからこそ出来得る、素晴らしい表現方法だと思う。ここで紹介している画はほんの一部でしかないので、是非紙の媒体で、電子書籍なら画面の大きなタブレットで見て頂きたい。
オススメ② The 27 Club
「ジミ・ヘンドリクスの霊」「27歳で死ぬ」といったワードで気づいた方もいるかもしれないが、このマンガは「The 27 Club」という現実の伝承がテーマとなっている。
一言で言ってしまえば「偉大なミュージシャンは27歳で亡くなる」と言う伝承で、1969~1971の間に何人もの素晴らしいミュージシャンが27歳の若さで命を落としたことが発端となっており、その中にジミ・ヘンドリクスも含まれる。
ネタバレにつながるので多くは言わないが、このマンガにはジミ以外にもThe 27 Club のメンバーの霊が登場する。 このメンバーの霊に憑かれた人物は、霊に体を貸す(JACK inさせる)ことにより、一時的に伝説的ミュージシャンの演奏を完璧に再現できるようになる(代償として、27歳までに伝説を残せなければ死ぬ)。 「もしもThe 27 Clubのメンバーが一堂に会して演奏することが出来たら」というある種の妄想がこのマンガで叶うのかも注目である。
そして、The 27 Club のメンバーへのある種の「救い」もこのマンガは描いてくれている。 当時人気絶頂だったミュージシャンが、27歳の若さで命を落としたのだからそこには何かしらの理由がある。 まだ全員が登場したわけではないが、少なくともメンバーのうち2人は生前何に絶望していて、死後、改めて希望を見出すまでがとても痛快に描かれている。 このあたりもマンガだからこそ出来る解釈ではないかと思う。
気になったら是非読んで欲しい
というわけで、私がこのマンガに感じる魅力を2つ選んで書いてみたが、このマンガの素晴らしいところはこれだけではない、メインとなる王道の泥臭くてアツいストーリー、丁寧なキャラクター描写(特に主人公の敵役 青島すばるが素晴らしい)等々沢山の魅力に溢れたマンガであり、率直に言ってもっと売れて欲しいと思っている。
とりあえず、下記のページから1話の試し読みが出来るので軽率に読んでみて欲しい、損はさせないと思う。
https://magazine.jp.square-enix.com/biggangan/introduction/shioriexperience/