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農産物の出荷予測は可能か?~万願寺とうがらし編①~
結論から言うと、まだ勉強中なので分からない。このシリーズは私が最新の施設園芸を勉強していく中で試行錯誤し、どうすればどの程度出荷量予測できるようになるのか、という自論を持つことを目的にしたの独学ノートである。
農業の仕事に携わって10年以上。田んぼの仕事もしてきたし、露地野菜もハウス栽培も作ってきた。
仕事で農業をする上で大事なのは、「いつ」、「どのくらいの野菜」を出荷できるかを正確に把握することだと思う。
いや、当たり前すぎて変なことを言っているかもしれないけれど、出荷量というのは非常に予測が難しい。
もちろん、年間通しての収穫量はそれほど変動しないし、過去の出荷日をもとにだいたいの出荷日を予測することはできる。
ただ、予定よりも2週間出荷時期が遅れてしまう、とか、2週間ないし1か月くらい出荷量が連続して下がってしまう時期が出ることがある。
そういう時に、取引先には、じゃあ、いつ出せるんですか?と当然のことのように聞かれるが、その問いに根拠を持って答えるのが難しいのだ。
天候不順や病害虫の発生が野菜の出荷計画をずらす主な原因だが、その不利な状態がいつ解消されるか、が確実には分からないし、解消されたとしてもその後の出荷計画にどんな影響を及ぼすのか、完璧に予測できることは少ない。変動する要因が多岐にわたるためあくまで仮説や推測の域を出ないからだ。
先進的な農業者さんたちは少しでも取引先に迷惑をかけないようにと、色々な手法でこの問題に対応してきた。
特に施設園芸では出荷計画を狂わせる要因の多くを潰すことに成功してきたのではないかと考えている。ビニールハウスを基本とする施設園芸は作物の最適な環境を提供し続けることで収穫量を最大化することを目指している。収量を最大化しようとすると、おのずと計画通り生産出荷することになるからだ。
考えている、という曖昧な言い方をするのは私が施設園芸の初心者であるからだ。実は最新の施設園芸がどういう設備で何を目的に投資を行っているのか知らないのだ。
私が今現在栽培している野菜は万願寺とうがらし。ビニールハウスで育てているが、自動で気温調整する機械もついてないし、センサーを使った水やりなども行ってはいない。笑ってしまうくらいアナログな管理をしている農家である。
一方で最新の施設園芸をしなくても、自営農業だけで何とか食っていける作目が万願寺とうがらしである。妻もパートに出たりしないで、子育てと、農業だけをしている。農業以外に収入はないので文字通り、万願寺とうがらしの栽培で食っているのだ。この野菜はホントに一部の地域でしか作られていない特産品なので単価が高かったりする。
しかし食っていけるのは今の限られた期間だけなのかもしれない。今後の情勢次第ではいつ吹き飛んでもおかしくない経営体である。
そんな弱小経営体だからこそ、マイナー野菜を育てている強みを活かし、最新の施設園芸の勉強をする意義があると思う。
だからもちろん最新技術を知ることで生存戦略を見いだす、というのも勉強をする一つの理由である。
しかし、一番私が興味を持っているのは、この記事のテーマの通り、農産物の出荷予測がどのくらいの精度まで上がるのかという点である。
自分の計画した通りにことが進んでいく、痛快な充足感が農業の醍醐味だと思っている。その精度をどこまで上げることができるのか、一農業者として現況を勉強していきたい。
最新の研究では収穫量に寄与する環境因子はほとんど解明されているとかいないとか…
というわけで、このテーマに沿って、月1回記事を書きます。このテーマを書くにあたっての勉強方法などはまた次回記事にします。ありがとうございました。