【インタビュー】パート×フリーランスの複業を選び、つかみ取ったもの
「理想の生活スタイルがあるけど、今の働き方だと難しい…」「家族の時間も大事にできる働き方がしたいけど、どうしたらいいんだろう…」
自分が大事にしたいことを考えたときに、働き方がネックとなることはないでしょうか。
今回お話を伺ったよっぴさんも以前は同じような悩みを抱え、専業主婦時代はこれからの自分の働き方について悩んでいたとのこと。でも、現在は完全在宅でパートとフリーランスを掛け合わせる「複業」を始めたことで、理想の暮らしと働き方が両立できているそうです。
そこで、よっぴさんに、理想の暮らしを実現するために行動したことや、自身の変化についてお話を伺いました。
よっぴさんってどんな人?
ーーはじめに、現在のお仕事を教えてください。
「おうちにいながら得意なことで働く」をモットーに、在宅フリーランスをしています。専業主婦からフリーランスになったのは約6年前。現在は、週2回は企業のWeb担当としての在宅パート、週3回はフリーランスという働き方をしています。
フリーランスの仕事の内容としては、ブログの運営や自分の講座、大学の非常勤講師、オンラインサロンなど家でできることを中心に行っています。
ーー毎日どのようなスケジュールで生活しているのでしょうか?
仕事の時間は平日の9時から16時のみです。土日や夜は仕事をせず、子どもが学校や保育園に行っている間で仕事をするように調整しています。
<平日の具体的なスケジュール>
意識したのは、自分でコントロールできる仕事を増やすこと
ーーよっぴさんにはお子さんが2人いらっしゃるんですよね。突然の体調不良など、予期せぬことが起こったときはどうしていますか?
基本的に、納期のある仕事をしないようにしています。
ーー納期のある仕事をしないというと……?
フリーランスには2パターンがあると思っていて。1つは企業などと業務委託を結び、納期までに成果物を提出する「請負型」。そしてもう1つは、自分でサービスを生み出し販売していく「提案型」です。
フリーランスになってすぐの頃は、実績や確実な報酬を求め、企業のWEBライターなども行なっていました。でも「時間の切り売り感」を抱くようになり、このままでは納期に追われ、主導権を持てないフリーランスになってしまうという危機感を持ったんです。
そこで、自分のサービスを育てると同時に請負型の仕事は手放していき、仕事をコントロールしやすい提案型にシフトチェンジしていきました。
ーー確かに納期があると、何かあったときにどこかで無理せざるを得なくなりますもんね。ただ、在宅パートの仕事の方は納期がある請負型かと思います。そちらはどうしていますか?
在宅パートの仕事は週2日の固定曜日を決めていますが、その日に予定があったり体調不良が重なると、別日に振り替えて納期に間に合うよう柔軟に動いています。そこは週5日ではなく、元々週2日でできる作業量しか請け負っていないメリットかもしれません。
ーーなるほど。しかし、自分で仕事をコントロールしていると言っても、Web担当のパートにブログ運営、自分の講座の立ち上げや大学の非常勤講師など、これだけたくさんのお仕事をされていて夜や土日はまったく仕事をしていないというのが驚きです。
実は、自分ではたくさんの業務量を抱えているという意識はあまりないんです。
ーーそうなんですか!?
傍から見ると凄まじい量の仕事をしているように見えるかもしれません。でも、会社員だって電話対応をしたり、書類を作成したり、後輩に仕事を教えたりと実は多岐にわたる業務をしていると思うんですよね。私も、前職は教員だったので、授業・生徒対応・広報・就職指導など多岐にわたる業務をしていました。
ただ、会社員だと自分のやりたいことだけを選べるわけじゃない。苦手なことをしなきゃいけないときもありますよね。その点、私の場合は、好きなことや得意なことだけをいろいろな業種でやっているんです。だから、短い時間の中でも多くの仕事ができているように感じられるのかもしれないですね。
妊娠中に趣味で始めたブログ。最初はWebの知識もほとんどなく、ブログが仕事になるとは思ってもいなかった
ーーパートとフリーランス、2つの働き方を掛け合わせていますよね。在宅で働き始めた当初からこの働き方をしていたんでしょうか?
そうですね。在宅パートとフリーランスの時間配分は今と違っていましたが、最初から組み合わせて働いていました。
ーーもともと在宅で働けるスキルを持っていたのでしょうか?
いえ、趣味でブログを書いていましたが、Webの知識はほとんどありませんでした。PV数(ページビュー数)やアフィリエイトといった、ブログを運営している人なら誰でも知っているような言葉も知らなかったくらい。働き方に悩んで人に相談したときにも、「できることなんて何もないです」って最初に答えてました。
ーーWebの知識がまったくなかったとは意外です!でも、現在ブログ運営やブログの講座をされていますよね。もともと書くことは得意だったのでしょうか?
いいえ、書くことが得意だと意識したことはないんです。でも、私が学生のころはデコログやmixiといったブログブームで、ちょうど「個人が発信する」ようになった時代と重なっていました。それで私も自然と書くことには触れていましたが……書く力は周りと同じ程度だったと思います。
ーーなるほど。でも、誰かに何かを発信することには昔から慣れていたということでは?
いいえ!学生時代にやっていたブログは、知っている人だけに公開していました。だから発信することに慣れていたとか、発信力があったわけでもないんです。
初めて自分のブログを友人以外にも公開したのは、妊娠中に始めたアメーバブログでしたね。妊娠・出産の状況や子育てに関することを投稿していました。
ーーそれまで仲間内だけに発信していたブログを、なぜ公に向けて書こうと思ったのでしょうか?
自分と同じように悩んでいる人のためになるんじゃないか、と思ったのが大きいですね。
上の子を妊娠中のとき、起き上がることもできないくらいつわりが酷かったんです。どんなにつらくても夫は仕事だし、当時友達にはまだ妊娠したことを言ってなかったから相談できる人もいなくて。
そのときに似たような状況の人がいないかスマホで検索したら、同じように悩んでいる人や、乗り越えた人のブログがたくさん出てきて。経験談をたくさん読んで、すごく励まされたんです。
それで、自分も記録を残そう、それが誰かの役に立つかもしれない、と書き始めたのがきっかけです。
ーー最初は同じ境遇の人に向けて書き始めたのですね。そこから、ブログを仕事にしようと思ったきっかけは?
子どもが1歳を過ぎてくると、ブログを通じて仲良くなった人たちがどんどん職場復帰をして、ブログから離れていったんです。そこで、みんなは社会に戻っていっているのに、自分はこれからどうなるの?と考えるようになりました。
でも、最初からブログを仕事にしようとか、フリーランスや在宅ワークといった働き方が思い浮かんだわけではありません。
ただ、会社員として働くのは、性格的に両立できないんじゃないかとは思っていました。たとえば、子どもの突然の体調不良で、会社に「休みます」と電話するのも正直つらいな……とか。だめなことをしているわけじゃないと頭では分かっていても、私自身が気にしてしまいそう、と思ったんです。家で働けたらいいなと考えるようになったのは、そんな理由からかもしれません。
そこからいろいろ働き方を調べていたときに、専業主婦から起業して社長になった方に悩みを相談できる機会があって。その方から、ブログが仕事になるとアドバイスをいただいたんです。
「働き方なんて、自分で選んだらいいじゃない!」悩んでいた自分に刺さった言葉は、新しい道を進む原動力になった
ーー起業家の方とは、どんなお話をされたのでしょうか。
最初は、働き方について相談していました。そのお話の中で「会社員にこだわらなくても、働き方なんて自分で選んだらいいじゃない!」と言われて、「そうか!」と。
さらにその方から「何かできることはある?」と聞かれて。そこで「仕事も今はしていないしできることは何もないけど、趣味でブログを書いているんです」と伝えたところ、「それがあなたのスキルだよ!」と教えてくれたんです。
ただ、ブログが仕事になるなんて想像もしていなかったから、当時の私はPV数の見方すら知らなくて……。その方がPV数の見方を教えてくれたのですが、月に30万PVあることがわかって。
ーー意識して運用していなかったのに、30万PVも!
その方もびっくりしていました(笑)。「ただ読まれているだけじゃなくて、いいねやコメントもこんなにたくさんついているなんてすごいよ」と言ってもらえて、そこで初めてブログが仕事になると気づきました。
ーーそこからすぐにブログを仕事にし始めたんですか?
いえ、はじめはどうブログで収益をあげていくかっていうのも分からなかったですし、最初は普通に近所でできるパートを探してました。あと、最低でも保育料分は稼ぎたかったので、まずは確実にお給料がいただける仕事を探そうと。
ただ、せっかく新しいお仕事に挑戦するのであれば在宅勤務かつブログの経験が活かせる仕事がいいなという思いもあって。そこから、会社員だけど在宅で働ける仕事や、子連れOKの会社を調べ始めました。そこで出会ったのが現在も週2で在宅パートをしている会社です。
ーー完全在宅勤務で毎月固定のお給料が発生する会社に採用になったのに、なぜ週5ではなく週2勤務にしたのでしょうか?
固定の収入があったとしても、労働量=収入ではないストック型の収入となるブログを育てたり、自分のサービスを作ったりしたい気持ちがあったんです。そのために行動する時間が欲しかったので、面接時から「週の半分だけ働きたい」とお願いしていました。
ーーフリーランスになり始めのときは、どのくらい時間が必要か分からないと思いますが、どう考えて週の半分をフリーランスとしての仕事にあてると決めましたか?
私が最低限ほしいと思う収入が週3の在宅パートで達成することがわかったので、残りの平日の週2日をフリーランスの稼働日として割り当てました。
ーーフリーランスとして仕事をする時間を先に決めていた?
はい。先に稼働する時間を決めて、その時間の中でできることをやっていくというやり方を取りました。
内容としては主に自分が運営しているブログの記事執筆や講座準備に時間を割いていたため、すぐ報酬につながることはなかったです。でも、当時の記事が今もなおブログからの収入を生み出してくれていたり、現在私が行なっているブログ講座「よっぴ式」の大切な基盤になっています。
フリーランス一本だと「稼がないと」というプレッシャーに襲われるだろうなと思い、「複業」を選択したのですが、これが私にとっては正解でした。
ーー「複業」のどんなところが正解だと感じましたか?
在宅パートによる固定収入があったことで、自分が本当にしたかったことにすぐに成果を求めず取り組めたのが最大のメリットでした。在宅で講師業をすることや、自分が稼働していない間も収入が発生するブログなどのストック型収入の仕組みを整えることに時間をかけられたので。
ーー話を伺っているととても理想の働き方に思えますが、今の働き方で悩んだことはありますか?たとえば、やっぱり会社員のほうがよかったとか……。
それが、まったくないんです。
ーーまったくですか!?
もちろん会社員時代は何かトラブルがあったときに助けてくれる先輩がいたり、人手があったりと良い部分はありました。フリーランスだとすべての責任をひとりで追わなければいけないので、そういったギャップは感じます。
それでも、私には今の働き方が合っていますね。全責任を背負ってでも、働く場所や働き方、そして仕事の内容まで自分ですべてを決められることが心地よい。自宅で、自分が決めた時間の中で働くということがすごく快適なので、今の働き方がベストだと感じています。
あえて今以上に働き方をベストにするなら……もっと仕事の稼働時間を減らしたいですね。今は平日の9時から16時で働いていますが、働く日数を減らして、何もしない日も持てたらさらに理想的だな、と思っています。
働き方に悩んでいる人の力になりたい
ーー今後やりたいことはありますか?
2023年は、フリーランスを目指す方に向けた新しいサービスを作りたいと考えています。請負型じゃなくて、提案型のサービスを作るためのサポートをするものです。
ーー先ほどお話でも出た、自分で仕事をコントロールできる提案型のサービスですね。
はい。今って、請負型のフリーランスが多いと思います。でもそれって、やればやるほど収入は上がるけど、その分時間を費やさなきゃいけないんですよね。
私の周りにも、フリーランスになったのに、休みの日にも働いてたり、単価が低くて収入がついてこなかったりと悩んでいる人が多いんです。理想の働き方を実現するためにフリーランスになったはずなのに、実際にそれを実現できている人は少ない。
私自身の経験談もお伝えしながら、請負型から提案型の仕事にシフトチェンジして、理想の働き方を実現したい人向けのサービスを作りたいなと思っています。
ーーよっぴさんのお話を聞いて、理想の働き方を目指すためのヒントがたくさん得られたように思います。最後に、どうしても一歩が踏み出せないという方も多くいると思うのですが、そんな方に向けてアドバイスをいただけますか?
まずは「この人の働き方、理想的だな」と思う人を見つけてみてください。そして、この人!と思える人を見つけたら、その人のSNSでもなんでも良いので、つながって考え方や生き方をインストールしてみましょう。
自分ひとりで考えたり、自分と似た考え方の人と話したりしているだけでは、変わることは難しい。でも、今の時代SNSで簡単に違う価値観や常識の人とつながることができますから!
発信を見ることで、「こんな理想の暮らし方をしている人にも、こんな時代があったんだ」と気づきがあったり、考え方が変わるきっかけになったりしますよ。
ーーまずは、自分の中の考え方を変えるための準備をするということですね。私も早速、自分の理想の暮らしと働き方について今一度考えてみます……!よっぴさん、改めてお話を聞かせていただき、ありがとうございました!
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ライター やまゆか