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「トーキョーN◎VA」の世界観がある程度わかる記事

※この記事は、「Aketaが行うトーキョーN◎VAのセッション」でよく使う世界観をまとめたものです。誤りや一般的ではない事柄があるかもしれないので、ご注意ください。
※著作権的に問題があったら、削除します。

※「トーキョーN◎VA THE AXLERATION」のルールについてはこちらで解説しています。


■“ニューロエイジ”──「トーキョーN◎VA THE AXLERATION」の世界

▼“災厄(ハザード)”

 「トーキョーN◎VA」の世界は、「ニューロエイジ」と呼ばれています。
 “災厄(ハザード)”と呼ばれる大災害が起こったあとの世界です。

 現在よりも未来……それが明日か数十年後かはわかりませんが……に起こった、地球規模の大災害“災厄(ハザード)”。
 地軸を捻じ曲げ、大陸の形を変え、南極の氷をすべて溶かすほどの大災害は7日間続き、多くの生物を死に至らしめました。特に“災厄”後に起こった急激な気候変動と寒冷化(註)による食糧難、新種のウイルスの蔓延が起こした“小災厄(マイクロハザード)”は深刻でした。

※註:地球の寒冷化は、地軸の歪曲による日照の変化や、太陽と地球の距離の変化などが原因と言われています。逆に、南極は赤道付近に移動し、氷は全て溶けました。

▼鎖国日本

 大災害後の地球で力を持ったのは、「日本」です。
 奇跡的に“災厄”の被害を免れた日本は、日系企業を通して培養食糧技術を提供します。これにより、大勢の人間が飢餓から救われました。一方で、かつての大国は、日本に逆らうことができなくなってしまいました。
 “災厄”をきっかけに、一気に覇権国家へと躍りでた日本。寒冷化によって氷の下に沈んだかつての大国を尻目に、常春の大地を得て、世界を牛耳ることも可能でした。

 ですが、日本は突然、「鎖国」を宣言します。
 “災厄”以前に日本を出ていた日本人も国内へ入れない、徹底した鎖国です。
 物理的、呪術的にも守られた日本国内の様子はようとして知れず、完全な秘密国家となりました。

 鎖国の理由を、日本は語っていません。
 しかし、鎖国日本は干上がった旧東京湾に出島を残しました。
 それが「東京新星市」……通称「トーキョーN◎VA」です。

トーキョーN◎VAの商店街。異様な臭いがたちこめる。

▼“災厄の街”トーキョーN◎VA

 “災厄”が起きてから長い長い時間が経ちました。
 世界はいまだに混迷を極め、世界中で内乱や紛争は絶えません。

 そんな時代でも、トーキョーN◎VAは繁栄を続けています。トーキョーN◎VAは“災厄”が起こったことによって造られたことから、“災厄の街”と呼ばれるようになりました。

 トーキョーN◎VAの人口は数億とも数十億とも言われています。人々は市民ランクによって階級わけされています。貧民や難民は差別され、人権もなく、福祉という言葉は忘れ去られました。
 日系の大企業、多国籍企業の社屋が建ち並ぶトーキョーN◎VAには、世界中からカネが集まってきます。カネに食いつく犯罪組織もあとを絶ちません。
 また、世界中から難民や犯罪者たちも押し寄せてきています。彼らは隅田川を境に、「レッドエリア(主にスラム街)」と呼ばれる劣悪な環境での暮らしを余儀なくされています。また、「イエローエリア(アサクサをはじめとした下町)」に隠れ潜んでいる者もいます。

 弱肉強食、適者生存。
 トーキョーN◎VAはそういう街です。これは、ニューロエイジ全体にも言えることかもしれません。

 しかし、希望がないわけではありません。

 実力さえあれば、才能さえあれば、あるいは運さえあれば、たとえ難民だろうが子供だろうがのしあがることができます。
 これもまた、トーキョーN◎VAという街、ひいてはニューロエイジの事実なのです。

■“IANUS(ヤヌス)”──電脳化された世界の必需品

 世界は高度に電脳化されていて、どんなところにもネットワークは広がっています。
 ですが、今や人々はスマートフォンやパソコンのような端末がなくとも、ネットワークにつながることができます。
 「IANUS(ヤヌス)」(註1)の存在が、それを可能にしました。

 IANUSは身体に埋めこむ極小のチップで、これがあればいつでもどこでも、ネットワークにつながることができます。
 あなたは視界の好きな場所にモニターを開き、ネットワークから情報を得ることができます。
 他者と連絡をとることもできれば、TVがなくても配信されている映画やドラマを見ることもできます。パソコンがなくても仕事をすることも可能ですし、自らネット配信することもできます。
 さらに、常にネットワークにつながっていることで、建物にくっついたAR(拡張現実)(註2)の看板や、道路のAR標識、AR名刺などを、裸眼で見ることもできます。
 また、モニターごしにネットワークを見るだけではなく、五感すべてをネットワーク内に飛びこませることも可能です。ネットワークはもうひとつの現実世界なのです。現在(2023年)の言葉でたとえるなら、現実世界と遜色ない、非常にリアルなメタバースと言えます。

 なお、こみいったことをしたいなら、外部のコンピュータ……トロン、ポケットロン、タップ……を用意する必要があります。

 IANUSはID(身分証)としても機能します。
 もしあなたが殺されても……嫌な話ですが……、IANUSが無事なら、身元を割ることは簡単です。あなたは身元不明として処理されることはありません。
 それ以外にも、IANUSはクレジットカードの機能も持ちます。電車に乗るとき、いちいち切符を買う必要はありませんし、コンビニでものを買うとき財布を出す必要もありません。改札口をくぐるだけで、あるいは端末に向かって手をかざすだけで、売買は終了するのです。

IANUSはニューロエイジを生きるためには欠かせない。

 IANUSの登場によって、世界は劇的に変わりました。
 IANUSを持たない人もいますが、その不便さは、現代のスマホを持っていない人とは比べようもありません。ときには命にかかわります。
 今や人類にとって、現実社会とネットワークのあいだに境はなく、同じ現実として地続きになっているのです。その世界を感じるために、IANUSは必要不可欠です。

註1:IANUS(ヤヌス)という名称
 ローマ神話の守護神で、前後を向く二面像であらわされます。前後……現実世界とネットワークの両方を同時に見ることから、この名前がつけられたと思われます。

註2:AR(拡張現実)とは?
 ARの詳細は下記参照。IANUSがあれば、ヘッドマウントディスプレイやスマートフォンのような機械は必要なく、裸眼でARを見ることができます。

五感全てをネットワークに没入させたとき、
ニューロ(ハッカー)が見る光景。光のグリッド(格子)が見える。
IANUSがあれば見られる光景。


 ここから先は、「トーキョーN◎VA」の世界をさらに詳しく知りたい方向けの内容となっています。

■マキノイド──自我を持つAI

 ニューロエイジには「マキノイド」と呼ばれる、自我を持つAIが存在します。
 彼らは普通のファイルのようにコピーすることができず、人間のように交わって、子をなします。基本的にネットワーク上に住んでいますが、機械や生体部品で構成された身体を得て、街を歩いている者もいます。

 マキノイドの生態はよくわかっていません。誕生して10年ちょっとしか経っていないため、寿命がどれぐらいなのか、遺伝子はどうなっているのかなど、わからないことが多すぎる存在です。
 そのため、彼らを差別する国や集団もあります。残念ながらトーキョーN◎VAおよび鎖国日本は、彼らの人権を認めていません。

 余談ですが、トーキョーN◎VAには、「メロディ」というマキノイドの歌手がいます。生体部品で構成された身体を持ち、その歌声は絶大な支持を得ています。
 彼女もまた人権を持たないはずですが、市民ランク「B」を持っています。これは彼女およびその周囲の人間が努力したことによって勝ち取ったものと思われます。マキノイドの中にも、こういう者がいるということです。

AIは、いつマキノイドに進化してもおかしくはない。
彼らは人間のよき隣人たりうるのか、それとも……?

■人ならざる存在──アヤカシとヒルコ

 マキノイド以外にも、人ではない者はいます。
 “災厄”の影響で生まれたのか、それとも隠れ潜んでいただけなのか、ニューロエイジにはアヤカシやヒルコというものが存在します。

 アヤカシは、吸血鬼や人狼、龍、妖怪など、この世のものではない、伝説やおとぎ話の中にだけ出てくるような者たちを指します。
 ヒルコは、突然変異によって生まれた生き物で、極端に身体が大きかったり、腕をゴムのように伸ばせたりと、普通の人間の肉体ではできないことができます。まさに「突然変異種」です。

 ニューロエイジは多種多様な人々が暮らしている世界です。
 トーキョーN◎VAも例外ではなく、自分の隣にいる奇抜な恰好をした人間が、単なるコスプレなのか、ファッションなのか、アヤカシなのかヒルコなのか、区別することは困難です。奇抜なファッションなど、トーキョーN◎VAではありふれているからです(ありふれているなら奇抜ではないかもしれませんが)。
 そう考えると、ニューロエイジはアヤカシやヒルコにとって住みやすい世界なのかもしれません。

 しかし、注意は必要です。
 彼らには人権が存在せず、彼らを狩ろうとする集団も存在します。かつての地球より住みやすくなったとはいえ、ニューロエイジは決して楽園ではないのです。
 また、アヤカシやヒルコであることがバレれば、それまで積みあげてきたものをすべて失うおそれもあります。人間は、人外の存在を受け入れるほど寛容ではないのです。すべて失った者たちは、同族に助けを求めたり、ヒルコ街などに逃げこんだりします。

 なお、アヤカシやヒルコに対する一般人の認識は、現代とそう変わりません。
「アヤカシ? 童話の中のファンタジーでしょ」
「ヒルコ? そういう突然変異種が活躍する映画あったよね」
 この程度の認識です。

アヤカシやヒルコたちはあなたの隣に潜んでいるかもしれない。

■様々な犯罪組織

 カネの集まるところに、犯罪組織は集まります。

 「河渡連合」は日本古来の極道ですが、トーキョーN◎VAの下町の治安を守ったり、商売の合法化をはかったりと、比較的穏当な組織のように思われています。ですが、その実態はいまだに暴力組織であり、油断はなりません。傘下には数多くの組をかかえています。

 「カーライル・シンジケート」は北米連合(現在のアメリカ合衆国)のマフィアであり、トーキョーN◎VAで広い範囲を支配下に置いています。マーダー・インクという戦闘集団も健在で、その危険性は河渡連合に勝るとも劣らないと言われています。今は暴力によるシマ(領地)の奪取はなりを潜め、地盤を盤石にする時期に来ています。

 「三合会(トライアド)」は、大国“夏(シア。今の中国)”の陰の支配者と言われています。河渡、カーライルと肩を並べるほどの勢力を誇りますが、大きな内憂をかかえていると噂されています。今後、トーキョーN◎VAでの勢力をさらに拡大させていくものとみられます。

ストリートは犯罪組織の根城。

■超巨大企業群

 ニューロエイジにおいて、企業は国家よりも強大な力を有しています。

 「千早グループ」は千早重工を頂点とした超巨大企業グループです。その業種は重工業から芸能関係まで多岐にわたります。後方処理課と呼ばれる特殊工作員を擁しているとも言われています。

 「イワサキグループ」は軍需産業を基幹とする巨大企業で、かつては千早グループと熾烈な争いを続けていました。ですが、後述する「ヘイロン・ケミカル」の台頭により、一時的に手を結ぶことになりました。

 「ヘイロン・ケミカル」は大国“夏(シア。今の中国)”系の巨大企業で、その名の通り、主に化学製品を取り扱っています。違法ドラッグ……特に戦闘用のコンバット・ドラッグで利益をあげていると言われています。近年になって、力をつけてきた企業でもあります。

 「テラウェア・コーポレーション」はソフトウェアやハードウェア、サイバーウェア、サイコアプリ、ゲームなど、コンピュータ関係のものを手がける企業です。ナンバーズという工作員を擁しているという噂がありますが、それ以上に謎の多い企業です。

巨大企業の社屋は「アーコロジー」と呼ばれます。
これは「完全環境都市」を意味し、社屋の中に都市機能が全て備わっています。
「アーコロジー」はひとつの都市と同じだけの人口を有しています。

■真教と浄化派

 真教とはニューロエイジ最大の宗教組織で、貧民や難民といった弱者に手をさしのべ、人々を助けるための様々な活動を行っています。

 ですが、真教でもっとも有名な一派は……残念なことに……「浄化派」という過激派です。
 真教浄化派「氷の静謐」結社と言えば、世界でもっとも規模の大きなテロ組織として知られています。その目標は主にトーキョーN◎VAで、「不浄な存在であるN◎VAおよび日本を氷の下へ沈め浄化する」ことこそが、自分たちの使命であると考えています。
 「氷の静謐」結社の幹部は「能天使(パワーズ)」と呼ばれ、色を冠した二つ名を持っています。そのうち、“黒”と“白”は結社の頂点にいましたが、今は空席となっていると言われています。

 一方で、真教は浄化派や危険なアヤカシを狩る部署を有しています。また、危険な聖遺物を封印する部署もあります。

科学万能の時代でも、人々は神にすがります。

■N◎VA軍──世界最強の軍隊

 「日本国関東方面軍第12師団第203連隊東京新星市治安維持部隊」。
 通称、N◎VA軍。
 鎖国日本がトーキョーN◎VAに駐屯させている軍隊です。

 かつて、トーキョーN◎VAの治安がいちじるしく損なわれた時期がありました。そのときに日本から派遣されたのが、N◎VA軍です。
 一時は人権を無視した治安維持活動を行っていましたが、ある程度鎮静化したあとは、ブラックハウンドという公的警察機関に任せ、沈黙を守っています。表向きは。

 裏社会で、彼らはマキノイドやアヤカシ、ヒルコを弾圧していると言われています。テロリスト容疑をかけられた人間も、彼らによって始末されていると噂されています。
 ある日突然、あなたの隣人がいなくなったら、N◎VA軍の関与を疑った方がいいでしょう。
 ですが、そのことを決して口にしてはいけません。
 次の標的は、あなたになるかもしれませんから。

N◎VA軍はどこにでも潜んでいます。

■トーキョーN◎VAの風景

 トーキョーN◎VAっぽいイメージイラストや動画を掲載しておきます。
 ゲーム内の光景を思い浮かべるうえで参考になれば幸いです。

・漫画「浅葱先生によるトーキョーN◎VA講座(X(旧ツイッター))」


・動画「攻殻機動隊」


・動画「ゴースト・イン・ザ・シェル(実写版「攻殻機動隊」)」


・動画「サイコパス」

災厄の街。
奥がホワイトエリア(都市部)、手前がレッドエリア(スラム街)。
高さ1000mを誇る「アーコロジー」。
武器も持たずにストリートを歩くのは危険だ。
たまには合成酒でひと息つこう。
人は何を求めて街にくりだすのか?
公的警察組織「ブラックハウンド」だけではなく、
企業警察も街をうろついている。
リニア(電車)があっても、ヴィークル(乗り物)は重要な足となる。
ヴィークルは運び屋の商売道具でもある。
レッドエリア(スラム街)に打ち捨てられた廃車の群れ。
少女の目に映るのは、絶望か希望か。

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