「トーキョーN◎VA」のルールがある程度わかる記事
※この記事は、「Aketaが行うトーキョーN◎VAのセッション」でよく使うルールをまとめたものです。一般的ではないかもしれないので、ご注意ください。
※著作権的に問題があったら、削除します。
※「トーキョーN◎VA」の世界観については、こちらで解説しています。
■「トーキョーN◎VA」というTRPG
「トーキョーN◎VA THE AXLERATION(ジ・アクセラレーション)」は、判定にダイスではなく、トランプを使う、少々特殊なTRPGです。そのため、戸惑う方も結構います。
ここでは、「トーキョーN◎VA」のシステムについて、できるだけ簡単に解説したいと思います。
これだけ読めば、初心者でも「トーキョーN◎VA」の卓に参加できるかも?
「トーキョーN◎VA」特有の単語の使用は、可能な限りさけ、一般的に使われている単語を使うようにしています。「トーキョーN◎VA」でよく使われる専門用語については、最後にまとめて掲載しています。
■基本──「能力値」と「スート」
「トーキョーN◎VA」のPC(プレイヤー・キャラクター)は4つの能力値を持っており、それぞれに「スート」が割り振られています。
スートとは、トランプのマークのことで、スペード、クラブ、ハート、ダイヤを指します。
「トーキョーN◎VA」の4つの能力値とは【理性】【感情】【生命】【外界】であり、それぞれ、
【理性】 → スペード
【感情】 → クラブ
【生命】 → ハート
【外界】 → ダイヤ
に対応しています。
■実際に判定してみよう──拳銃で敵に攻撃する場合
▼1.〈射撃〉技能で判定し、弾丸が命中したかどうか決める。
では、実際に判定をしてみましょう。
ここでは、「〈射撃〉技能を使い、拳銃で敵を撃つ」という、戦闘でよくある場面を想定します。
下記のような能力値を持つPCを例とします。
・【理性(スペード)】 7
・【感情(クラブ)】 6
・【生命(ハート)】 2
・【外界(ダイヤ)】 6
・武器:拳銃 攻撃力[P+7]
・一般技能 〈射撃〉
*
〈射撃〉は一般技能であり、誰もが持っている技能です。キャラクターシートで〈射撃〉を探すと、たいていの場合、スペードだけが黒く塗りつぶされているはずです。
「トーキョーN◎VA」の判定の99%は、技能による判定です。判定に使えるカードは、黒く塗りつぶされているスートのものだけです。
つまりこの例なら、
「〈射撃〉判定をするにはスペードのカードを出すしかない」
ということになります。
スペード以外のカードを出した場合、その時点で判定は失敗となります。
*
では、〈射撃〉判定をしてみましょう。
「トーキョーN◎VA」のプレイヤーは、常に4枚の手札を持っています。その中から、スペードのカードを出します。
仮に、スペードの3を出したとします。この数値に、能力値を足します。
どの能力値を足すかというと、【理性】です。先に述べたように、【理性】はスペードに対応しているからです。
手札からスペードの3を出し、【理性(スペード)】の能力値が7の場合、
となります。
「達成値」とは、「その行動がどれだけ上手くいったかを表す数値」で、高ければ高いほど、上手くできたことを表します。
PCは「スタイル技能」という特殊能力や、様々な「道具」を持っており、その中には、達成値を上げる効果を持つものもあります。
▼2.攻撃が命中したら、ダメージを決める。
拳銃を撃って、達成値10を出し、弾丸が敵に命中したとします。
ここからは、「敵にどれだけのダメージを与えたか」を決めます。
武器の攻撃力を見てください。[P+7]というアルファベットと数字が書かれています。これが基本の攻撃力となります。
この数値に、好きな手札を一枚、足すことができます。このとき、スートは何でも構いません(〈射撃〉判定をしたときのように、スペードである必要はない)。
ここでダイヤの7を出した場合、
これが敵に与えるダメージの数値となります。
この数値も、「スタイル技能」や「道具」によって上がることがあります。
ダメージが決まったら、「肉体戦ダメージチャート」「精神戦ダメージチャート」を見て、どのような効果を敵に与えたか確認しましょう。「トーキョーN◎VA」にHPはないので、一撃で倒したり、気絶させたりすることもできます。
なお、敵は様々な防御手段で、ダメージを下げてきますので注意しましょう。
※ダメージの種別は、「S」はslash(斬撃。ナイフ、日本刀など)、「P」はpiercing(貫通。槍や銃弾など)、「I」はimpact(打撃、爆発)を指します。これらとは別に「X」というものも存在します。
■判定のやり方はひとつ覚えればOKです
「トーキョーN◎VA」には、登場判定や情報収集判定、購入判定など、様々な判定があります。
しかし、どの判定も、「やり方」は先に述べた〈射撃〉判定と同じです。
変わるのは、
「判定に使用する技能」
と
「ダメージを求めるかどうか」
の2つです。
登場判定や情報収集判定には〈社会〉〈コネ〉技能、購入判定には〈信用〉技能を使います。技能が変わるだけで、判定のやり方自体は、先の〈射撃〉と変わりません。
これらの判定のあとに「ダメージ」を求めることはありません。ただの情報収集判定で、ダメージを決める必要はありませんよね?
■制御値について
【理性】をはじめとした4つの能力値には、それぞれ「制御値」という数値が付属しています。
これは「自動的に発動する回避能力」のようなもので、先の拳銃による攻撃なら、「最低でも制御値以上を出さないと攻撃は当たらない」ということです。
先ほど、〈射撃〉判定(【理性(スペード)】を使用)で達成値10を出しましたが、もし、敵の【理性】の制御値が11なら、敵は回避する行動をとる必要もなく、銃弾はかわされたことになります。達成値が制御値に届いていないからです。
「制御判定」というものもありますが、滅多に使われないので、ここでは省略します。
■神業──「トーキョーN◎VA」を代表する必殺技
各PCは、3つの「神業」を持っています。
これはPCが3回だけ使える「必殺技」だと思ってください。
「敵を一撃で倒す神業」「どんな攻撃も防ぐ神業」「相手の精神を破壊する神業」「社会的な制裁を下す神業」など、「必殺技」の名に相応しい効果を持っています。
もちろん、物騒なものだけではなく、「身分を偽装する神業」「不都合なことを隠す神業」「相手が隠している真実を語らせる神業」「どんな物でも都合よく用意していたことにできる神業」といった、面白い神業もあります。
神業は、神業でしか防いだり打ち消したりすることができず、戦闘などで自分の順番がまわってきてなくても、割りこんで使うことができます。
また、神業を使う場面は、あなたのPCの「見せ場」でもあるので、たっぷりと演出しましょう。よい演出が思い浮かばないようなら、GMに任せても構いません。
■「組み合わせ」のルールは“まだ”おぼえなくていい
「トーキョーN◎VA」には「組み合わせ」と呼ばれるルールがあります。
これはトレーディングカードゲーム(遊戯王、MtG、ヴァンガード、デュエルマスターズ、ポケモンなど)に似ていて、「あのカードとこのカードを組み合わせて使えば、大きな効果が期待できる」というようなものです。
「トーキョーN◎VA」にも、「あの技能とこの技能を組み合わせれば強い」というものがあります。一方で「あの技能はこの技能と組み合わせないと使えない」というものもあります。
では、「組み合わせ」のルールとはどんなものなのでしょうか。
これについては、“まだ”おぼえる必要はありません。
サンプルキャラクターは、ある程度「組み合わせ」が成立しているので、「組み合わせ」を意識することがありません。特に、私が自作したサンプルキャラクターは、「組み合わせ」が完全に成立しています。
下手におぼえようとすると混乱するので、はじめのうちはやめておきましょう。
ゲームになれてきて、自分ひとりでキャラクターを作りたいと思ったときにおぼえればよいと思います。
■「トーキョーN◎VA」に出てくる主な単語(五十音順)
・エキストラ
一般人。何の力も持たず、「倒す」と宣言されれば、無抵抗のまま倒されてしまう弱い存在です。
・カット進行
緊迫した状況、主に戦闘を処理するためのルールです。後述する「シーン」「フェイズ」よりもさらに小さな時間の単位です。
・キャスト/ゲスト
神業やスタイル技能といった強力な力を持つPCや敵のことです。PCのことはキャストと呼び、敵のことはゲストと呼びます。
この呼び名は、「トーキョーN◎VA」が「映画」を意識しているためにつけられました。後述する「シーン」も同様です。
・シーン
映画で使われる用語とほぼ同じ意味です。
「社長と話しをするシーン」「犯人をつかまえるシーン」「情報を集めるシーン」というように、「トーキョーN◎VA」はシーンという時間単位の区切りでゲームが進行していきます。
・スタイル
カブト、ミストレス、カリスマといった、「クラス(職業、役割)」のようなものです。
たとえばイヌなら警察官、カブキならアーティストやアイドルといった感じです。
ただ、スタイルは能力だけではなく、「そのPCの生き方や性質」も表しているため、キャラクター表現をする際の手助けとなります。あくまで「手助け」なので、縛られすぎる必要はありません。
・スタイル技能
前述の「スタイル」ごとに決まっている特殊能力のことです。そのスタイルを持っている者だけが使うことができます。
・トループ
機動隊、暴走族などの集団のことです。神業を持たず、スタイルも1つしかない弱い存在ですが、エキストラよりは強く、数が多いと厄介な敵になります。彼らだけはHPを持っており、人数=HPです。
・災厄(ハザード)
世界を突然襲った大災害。この影響で地軸が曲がり、日本は赤道直下に移動し、南極の氷はすべて溶けました。
「トーキョーN◎VA」のジャンルは「サイバーアクション(サイバーパンク)」とされていますが、“災厄”を乗りこえたあとの世界であることから、「ポストアポカリプス」というジャンルでもあります。
・フェイズ
「トーキョーN◎VA」のセッションをわける4つの区分です。
「オープニングフェイズ」で依頼・任務を受け、「リサーチフェイズ」で様々な調査を行い、「クライマックスフェイズ」で問題を解決し(たいてい、戦闘が発生する)、「エンディングフェイズ」でその後を演出します。「起承転結」と呼べばわかりやすいかもしれません。
それぞれのフェイズの中に、先に述べた「シーン」がいくつもあり、その下にさらに小さな「カット(カット進行)」があります。
図にすると以下のような構造になっています。
フェイズ
│
├─人に会うシーン
│
├─情報を集めるシーン
│
├─敵と戦うシーン
│ │
│ └─カット(カット進行)
│
└─黒幕を追いつめるシーン
・ルーラー(RL)
「トーキョーN◎VA」におけるゲームマスター(GM)のことです。