愛犬・外飼いトイプードルの思い出40
早朝、玄関のゲージの中で、非常に切ない鳴き声を上げることがあった。それは「お腹が痛いよ、トイレに行きたいよ」という合図だった。
お腹の調子が悪い時は、人間だって説破つまってしまうから、そりゃ犬だって辛いだろう。始めはクーン、クーンと鼻を鳴らし、だんだん大きな声になる様が、なんとも哀れだ。
真っ先に気がつくのは、玄関の真上の部屋で寝ている私だ。いつもの散歩の時間より1時間ほど早いだろうか。慌てて着替えて下りていくが、残念ながら間に合わないことが多かった。
そうなると犬も気の毒だけど、人間も一苦労だ。
まず犬を庭に放し、それから玄関のドアを開け放って空気の入れ替えをし、汚れた敷物を片してゲージを洗い、バケツにお湯を汲んで犬のお尻を洗う。
普段、ペット用のおしめを付けようとお尻回りを触ると嫌がるくせに、この時はおとなしく体半分をバケツに漬けられて、素直にお尻を洗われていた。
昔むかし、ウォッシュレットのトイレが出始めの頃、「お尻だって洗ってほしい」というCMがあったけれど、まさにそんな感じ。なんだかホッとした顔でなされるがままになっていた。
どんな時も基本的に食欲旺盛な犬だったけれど、お腹を壊した日は、カリカリご飯をお湯でふやかして量は少なめに。大概、それで翌日には復調していた。
尾籠な話で恐縮だが、翌朝、まだゆるめであればもう一日、ご飯の量を少なくするし、立派なウ〇チなら安心して元の量に戻してあげられた。