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愛犬・外飼いトイプードルの思い出14

ヘアカットによって見た目がすごく変わる犬だった。

トリマーさんに連れていくのは、年に3回ほど。つまり4カ月に1回ほどだ。それ以外はというと、家でシャンプーして、目の周りの伸びた毛や、毛玉をハサミで切るという感じ。雑な扱いだと言わればそうかもしれないが、なんせペットに関しては昭和のままの家だったので……。

だからこそ、トリマーさんにヘアカットしてもらうと、とても可愛くなった。元々、愛らしい顔立ちで、シニアになっても引き締まった体型を保持していたから、トリミングに行くとカット見本でもっていった写真のモデル犬と遜色ない姿で帰ってきた。

近年、もっとも印象的だったヘアカットは、いつも行くトリミングスタオジアの新顔トリマーさんがアレンジしてくれたスタイル。尻尾の毛を短く刈って先っぽだけボールのようにまん丸に逆毛を立てられ、足も爪が出るように短くカットされていた。昭和から令和へ一気にワープしたようだった。

ただ、普段は金田一耕助のようにボサボサ頭がトレードマークの愛犬だったから、今どきの洒落たスタイルは、人間のほうがなんとなく落ち着かない。もっとも、本人もとい本犬はそんなことまったく気にせず、帰ってきた途端にいつものように庭でひっくり返り、背中をゴシゴシと地面にこすりつけるではないか。あー、きれいになったばかりなのに!

ちょっとちょっと、せめて今日ぐらいはそれやめてよぉ。

というと、パッと起き上がって人の顔を見て吠える。それは背中をゴシゴシと地面にこすりつけると同時に、お腹をなでろという催促だ。トリミングで見た目が室内犬ぽくなっても、外犬気質が変わるわけじゃなかった。

懐かしい……そんなこともあったな。









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