嫌なことは覚えているのに…
ふとしたときに、昔嫌だったことや誰かにされた心ない一言を思い出してしまうこと、ありませんか?
逆に、誰かに優しくされたことや、自分が嬉しい気持ちになった出来事は、なぜか記憶の中で霞んでいくように感じることもあるかもしれません。
実はこれ、人間の脳の自然な仕組みによるものだと言われています。
脳は「危険」や「不快」といった感情を優先的に記憶するように進化してきました。
これは、危険を避けて生き延びるために役立ってきた反応です。
そのため、喜びや感謝のようなポジティブな出来事よりも、嫌な思い出のほうが強く残りやすいのです。
動物たちと同じですね。
うちの猫や犬は、危険だと思う音や気配など覚えています。
ポジティブな記憶を意識的に増やす方法
では、どうすれば「喜びを忘れてしまう」癖を改善できるのでしょう?
鍵になるのは、「意識的にポジティブな記憶を強化すること」です。
感謝日記とは、毎日「ありがたいと感じたこと」「嬉しかったこと」を簡単に書き留める習慣です。たとえば、こんな内容でも十分です。
• 朝の空気が気持ちよかった
• 誰かが笑顔で挨拶をしてくれた
• 自分が頑張ったことを褒められた
書き出すと「そんな些細なこと?」と思うかもしれません。でも、この小さな感謝や喜びを思い出すことが、脳に「いいこともたくさんあるよ」と教え、ポジティブな記憶を強化していきます。
感謝をシェアすることで周りも変わる
自分だけでなく、家族や友人と感謝や喜びをシェアするのも素敵な方法です。
「こんな嬉しいことがあったよ」と話すことで、周囲にもそのポジティブな感情が伝染していきます。
小さなきっかけが、いつの間にかその場の空気を明るくすることもあるでしょう。
嫌なことを覚えてしまうのは仕方のないことです。
でも、その上で「喜びを忘れない自分」になるための選択を、今日から少しずつ始めてみませんか?
この記事を通じて、少しでもあなたの心が軽くなり、幸せを感じられる時間が増えれば嬉しいです。
感謝日記、ぜひ試してみてくださいね。
もちろん、わかっていても中々できないこともありますよね。
感謝日記ができないときは?
忙しかったり、気分が落ち込んでいるときは、感謝日記をつける余裕がないこともあります。
そんなときは、もっと簡単な方法でポジティブな気持ちを育てることができます。
1. 頭の中で感謝をつぶやくだけでもOK
日記に書かなくても、心の中で「今日は美味しいコーヒーを飲めてよかったな」と思うだけでも十分効果があります。言葉にしなくても、感謝の気持ちを感じること自体が大切です。
2. 小さな喜びに目を向ける習慣を
感謝が思い浮かばないときは、「今日、ちょっと嬉しかったこと」を思い出してみましょう。たとえば、「朝の天気が良かった」「道端の花が綺麗だった」など、どんなに小さなことでも構いません。
3. 手を合わせて深呼吸するだけでも
寝る前や朝起きたときに、軽く目を閉じて深呼吸をしてみてください。
何も言葉にできなくても「今日一日ありがとう」と思うだけで心が整います。
4. 感謝できる日だけ記録する方法も
毎日書かなきゃいけないというプレッシャーを感じてしまう場合は、「感謝したいと思えた日だけ書く」というルールでも十分です。自分のペースで、無理なく続けることが一番大切です。
感謝日記が義務になると、逆にストレスになってしまいます。
できない日があっても気にしないこと。
そして、自分に合った形で「感謝」を少しずつ取り入れることで、ポジティブな記憶が増えていくはずです。