「楽しさ」の歯車が回り出す瞬間
「やらされ感」ではいい仕事ができない。仕事は楽しくない。
これは心の中では誰もがわかっていることですが、上司の命令だからやるしかない、仕事だからしょうがないと、やらされ感を覚えながらも、与えられた仕事をなんとかこなしていけば、なんとか仕事は進んでいきます。
昭和の時代は、そんな感情を持ちながらも「歯を食いしばってやるのが仕事だ」「好き嫌いを仕事に持ち込むな」と気持ちを奮い立たせてみんなが頑張ってきた時代でした。やらされ感であろうがなかろうが、なにくそと働いていていくのが常識の時代だったと思いますが、今やそんな常識は通用しません。
どうすれば、人はやらされ感ではなく、自ら進んでやりたいと思えるようになるのでしょうか。
先日、ある若い社員から、「最近、仕事を追求していくことが楽しくなってきました。面白くなってきました」という嬉しいメールをもらったのですが、きかっけは、ある仕事の責任者として矢面に立ったことだったようです。その仕事は、先輩に頼らなければできない大変な仕事だったのですが、何とかやりきり、お客様から感謝されたことで、仕事の楽しさや喜びを感じたようです。
自らやっていくことの面白さ、仕事の目的を追求していくことの面白さを一度知ると、それからは仕事の仕方が変わります。私もそうでしたが、一生懸命に取り組んだことが人に役立った感動体験は、働く楽しさに気づく大きな転機になります。
ただ、大変な仕事ほど、途中でくじけることもあります。先ほどの若い社員を支えていた先輩社員の存在が大きかったとようです。横にいてくれた先輩が、仕事に妥協せずに取り組んでいる姿やお客様に喜んでもらいたいと一生懸命に頑張る姿勢が支えになったようです。上司や先輩の関わり方が大切になってきます。
その若い社員は最近、自分から本を読むようになったり、仕事の効率を考えてどんどん工夫や改善をしています。人を思いやるゆとりや感謝の気持ちも高まってきて、毎日が楽しそうです。
一度「楽しい」という歯車が回り出すと言われなくても動き出すのが人。楽しさこそ、成長の原動力だと思います。
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