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かかわる人を幸せにするお掃除会社
DOIT!シリーズでもご紹介した、高知のお掃除会社「四国管財」の新しい本が発売されました。そのタイトルが「かかわる人を幸せにするお掃除会社~本気のクレーム対応と魔法のホウ・レン・ソウ~」(著:中澤清一/発行:きんざい)です。 社員をとことん大切にする中澤社長の思いと、長年に渡って磨き上げてこられたクレーム対応や報連相の仕組み、また現場のスタッフさんへの細やかな対応の仕組みなどが細かく紹介されています。
中澤さんが「いい会社づくり」に取り組むようになったのは、昔、あるショックな出来事があったからです。父親が亡くなり、二代目として会社を良くしていこうと意気揚々入社したのですが、当時の会社の雰囲気は悪く、誰も誇りをもって働いていませんでした。当時、世間では清掃業は低く見られていて、働き手が集まらない業界でした。会社の雰囲気はそんな背景があったからかもしれません。
それに追い打ちをかけたのが、中澤さんが社員さんの結婚式に招待された時のこと。仲人さんが社員の勤務先を紹介する時に四国管財の名前が呼ばれなかったのです。清掃会社で働いていることを隠されていたのです。
「そんなにうちの会社で働くのは恥かしいことなのか?」。そこから中澤さんの闘争心が湧いてきました。「みんなが誇りを持てる、家族に自慢できるいい会社にする!」という夢に向かって進み始められたのです。
いろんな仕組みを導入してこられましたが、特に大切にしてきたのは「クレーム対応」と「ホウ・レン・ソウ」に対する取り組みです。どんな小さなクレームにも素早く対応する。そこに顧客の感動が生まれます。しかし、それだけでなく、「クレームになる前から対応しよう」と、現場の清掃スタッフに「少しでも気になったことを報告できる仕組み」を作ります。その為には、本社にみんなが安心して言える本部と現場の信頼感だと、「すべての責任は本社にあること」を伝え、スタッフの悩みに24時間対応できる電話窓口を用意し、仕事以外のことにも相談に乗るなど、時間をかけて、スタッフが安心して相談できる社風を築きあげてこられたのです。
そして、そのベースにあるのが「報告・連絡・相談」の仕組みです。そのポイントは「報告をしろ!」と叱るのではなく、「ホウ・レン・ソウ」と褒められる。そしてその情報がどうなったか、必ずフィードバックする。それが社員を安心させるのです。中澤さんは、ホウ・レン・ソウは愛だと考えておられます。
この本を読み、いい会社にしていくためには、「安心して働ける環境」を作っていくことが大きなポイントであるということに気づきます。上司に意見が言いにくい、悩みを相談しにくい、仲間同士がいがみ合っている・・・そんな職場では人の心がすさみますし、やる気が出る訳がありません。良い人間関係、困ったことがあったら何でも相談できる空気感、自分の意見や希望を聞いてくれる上司や仲間。家族のことまで心配してくるトップ。そんな環境であれば誰もが安心して仕事に集中できるでしょう。今、「職場の心理的安全性」という言葉が注目されていますが、四国管財さんは正にその見本。中小の経営者の方、あるいは人事・労務系のお仕事をされている方におススメです。