子どもの遊びと有能感
先日、社員とその子どもたちと一緒に海釣りに行ってきました。と言っても私は釣りをしないので、大人が釣りに夢中になっている間、子供たちと遊んでいました。
海に付き出した堤防は子どもがワクワクするものでいっぱい。5歳くらいの男の子たちは、自分の背丈より高いコンクリートのてっぺんに登るために何度もトライしています。てっぺんに登ったと思えば、今度はそこから下に飛び降りる遊びに変わります。「こわ~!」「無理や!」「できた!」と言っては、楽しそうに遊んでいました。
心理学では、こうした「自分はできる!」という感覚を自己有能感と呼ぶそうです。人と比べず自分を肯定でき、自分を褒めることができる心の働きと言われていて、この有能感が、「よし、もっと高いところから飛んでやろう」というチャレンジにつながっていったり、内発的動機づけの基礎になるそうです。確かに子どもの頃の遊びを通して「やればできる」という感覚を身に付けてきた気がします。
しかし、子どもたちが夢中になって遊んでいる様子を見ていると、本当に幸せそう。怖さを克服して挑戦し、達成して喜び、先に達成した子が出来ない子にコツを教えたり、応援したり。誰に命令さたりしないのに、どんどん「高み」に挑戦しています。なぜ大人は仕事になると楽しさを忘れてしまうのか?どんな仕事もをこんな風にやればいいのにとか、仕事と遊びの違いは何だろう、楽しくするポイントなどと、ついいつもの癖で仕事に置き換えてみてしまいました。
心理学では、この有能感を育てる時に、大人の関わり方が大事なのだとか。例えば、子どもたちが高いところから勇気を出して飛び降りた時、つい「よくできたね!」と言ってしまいます。しかし、ここで大人が褒めると、「褒められる」ということがご褒美になり、褒められるために頑張ろうとなってしまうそうです。自分で自分を励ましたり、褒める感覚が大事なのに、褒められると動機が変わっていってしまう。内発的動機が外発的動機に変わってしまうのです。私の記憶でも、子どもで勝手に遊んでいる時に、大人が横から「凄いね、よくできたね」と言われると、その時は嬉しくても、何か急に面白くなくなってしまう感覚がありました。有能感を育てるには、褒めたりせずに、ただ見守っていること。
面白く仕事をする人を育てるためには、子供の遊びから学んでみるのがいいのかもしれません。
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