Spotifyに変えた
Apple MusicからSpotifyに移った。Apple MusicでたまたまLikeした「フィッシュマンズ」に反応したアルゴリズムが、自分の苦手な洋楽もどきJ-Popばかり再生してきたのがきっかけだ。以前よりSpotifyのほうが、好みに合わせた選曲をしてくれるという噂を聞いていた。
変えた1日目
まず好きな曲、オノシュンスケ/坂本慎太郎の「ディスコって」を聴き、そのまま「オノシュンスケRadio」なる自動生成プレイリストを聴く。
すると、初めて聴くのに好きと思える曲ばかり並んだ。しかもアーティストの属性やジャンル、例えば「日本人」「ファンク」「打ち込み」にとらわれない曲群。なのにどことなく、曲が持つ円やかさが似る。
もしや「属性/ジャンル/曲調」だけではなく「音色/周波帯域」も考慮に入れつつ、そこから少し振り幅をとって選曲している?好みはあうのに、ほどよい新鮮味がある。これは興味の近い音楽友達に出会ったようだ。そんな友達は待ち焦がれていた。Spotifyに早く人格を持たせてくれない?飲んだら話が弾みそうだ。
しかし何日か経って
1.変わらず、ほどよいズラしは心地よい。しかし音楽には「似て非なるもの」というのがある。坂本慎太郎とogre you asshallの隔たりはかなり大きいですよ。君、似てると思うのなら解説しようか?
2.アーティストごとの月間再生数、人気曲の再生数が表示されるのはえげつない。クラフトワークの人気第1位「The Model」は2位「Robots」の3倍差。結局みんな、歌が好きなのか。国内で著名な、海外でも活躍する自分の好きなアーティストの最高人気曲は80万再生。Drakeの曲の10億再生と比較して、0.08%だ。愕然とすることが冷酷に示される。人気は価値と関係ない。ヒエラルキーを可視化しないでほしい。
3.ここは流動性が重んじられる場所だ。大きな回遊水槽を眺めて、気に入った魚に注目することは許される。しかしそのうちどこかに行ってしまうし、別の魚が気になるようできている。決して水槽から出して自分のモノにはできない。
自分が好きな他ならぬこの音楽家の、特定の神がかった1曲だけを愛するのだ、というスタイルには不向きのプラットフォームだ。
4.Apple musicよりマシだが、やはりクレジット情報が足りない。いつ、誰が、どの国で作った曲なのかわからない。演奏者も不明。もちろん解説もないので文脈がわからない。ネガティブに捉えると、洋楽を受け取ってきたこれまでの文化が消えそう。ポジティブに捉えると、勉強しなくても趣味を先鋭化できる。
出会うだけならいい。長く付き合いたいなら結局フィジカルを買うべきかも。こんな考えは時代の周回遅れもいいところ、とっくに皆が
気づいていることだわ、と自分につっこみつつ。
(フィジカル、7インチはすでに買えない)