BEST ALBUMS OF 2021
サムネの画像は Boy Scouts の"Didn't I"のMVから。牛を見た瞬間、今年はこれだと思った。
1位は決まっており、それ以下はただアルバムのジャケットデザインが好きな順……というわけでもないが、いずれにせよ順位という順位はない。
(2021年、結局Spotify Hifiはこなかった。記事を書いている現在もサービス開始はしていない。より良い音を求めて、Amazon Musicを使用してみたものの、あまりの使いにくさにがっかりした。別のアーティストでも、同じ名前で活動されていたらAmazon Musicは同じアーティストとして登録するのだ。全世界に何人の人がいると思っている。かぶることだって当然ある。だからといって同じ人物ではない)。
前作でありデビューアルバムの"Lush"はそこまで好きになれなかったのだが、今作"Valentine"は今年一番のお気に入りとなった。曲や音にも変化はあると思うが、ヴォーカルが最も大きな変化だったと思う。過去作を改めて聞いて、声の若さに驚いた。
一曲一曲の顔立ちがしっかりしていて、頭の中でくどく再生されることもない。30分と少し短いのは寂しいが、落ち着いた楽曲も入れ、充足感に包まれた。
メディアからの評価は高いものの、なぜか一般ユーザーからは、そこまで高評価ではない。低くもないが、AOTY、RYM共になんとも中途半端な点数だった。なぜだろう。
Spotifyの月間リスナーが100万を越えていたのにも驚いた。2018年以降、意識して彼女の曲は聞いてこなかったのだが、"Lush"の頃は40万程度だったと記憶している。
2. Anna Leone - I've Felt All These Things
Anna Leone待望のデビューアルバムとなる今作。2020年リリースのシングル曲等が含まれているものの、意識しては聞いてこなかったので、いずれもフラットに聞くことが出来た。
アルバムのジャケットが今年一番のお気に入り。"Love you now"のイントロがめちゃくちゃ好き。
おそらく今作がアルバム3か4枚目。(カウントし辛いものがあるので……)
もともと彼女のファンで、前作リリース時に存在を知り、それから聞き続けている。
正直なところ、過去作の方が好きだし、良いと思っている。実際Pitchforkは前作より、低い点数を付けた。私も同様なのだが、やはり彼女の曲は好きだった。
今作リリース後、Spotifyの月間リスナーが6倍に膨れ上がったので、おそらくBoy Scoutsの中では、最も注目されているアルバムなんだと思う。tiktokとかで注目されたりしたのだろうか。
家で聴いたときは、そこまで良いと感じなかったが、車で夜レイトショーに向かう途中で流していると、どんどんはまっていった。全てが丁度よく、心地よく、気持ちよく運転できた。
こんなに、評価が変わるのかと、他のアルバムも車と家(ヘッドホンとか)で聴き比べてみた。それなりに違いがあったので面白かった。車だとおそらく、音に包まれている感覚が強いのだと思われる。もちろん、運転中なので、エンジン音や他の音も混ざるし、全ての音を聞きとることは出来ないけれど、こちらの方が好みだった。(いやでも、それは作品によるかな)。
高評価のアルバムだったので、ベストに入れる人が多いのかと思いきや、メディアのベストや、一般ユーザーのベストからも外れている印象がある。難しいねぇ。
5. Elori Saxl - The Blue of Distance
たぶん、本作がデビュー。アンビエント。そんなに、アンビエントは聞く方ではない。どうやって、本作を知ったのか記憶にない。何かきっかけがあったとは思うが、とにかく嬉しい驚きだった。これも、車内で聴いて、たまらなかったアルバムの一つ。まさに包まれた。
評価件数は少ないものの、メディアからは高評価を得ているので、今後が期待される。
アンビエントと呼んでいいのだろうか、ジャンル分けが少し難しい。そして、この手の作品にあるのが、楽曲数の少なさ。いまだに、アルバムとかEPをどう区別してよいのか分からない。サイトや配信サービスによって違ったりすることもあるので。
HualunのAn Elephant Sitting Stillを彷彿とさせ、好みだった。ちなみに、"Midwife"は今作で初めて知りました。
7. Skirts - Great Big Wild Oak
今作で初めて知った。特に言う事もないかな、好みだった。
にしても、Boy Scoutsといい、Midwifeといい、検索し辛い名前はなかなか困る。Spotify内で検索をかける分には困らないけど。
Boy scoutsを他人に紹介するとき、毎回「何言っているの?」という、くだりが入る。まぁ、Taylor Vickと言えば良いんだけど。
ベストに入れるか迷った。シングル曲も多いし、アルバムとして考えると少し悩む。『燦々』や『祝祭』より弱いという印象が拭えなかった。でも、カネコアヤノは好きだし、入れることにした。
7曲目の"春の夜へ"がとても好き。
Jay somとPalehoundのEllenによるユニット。めちゃくちゃ好みという訳ではないのだけれど、特定の人たちを満足させるであろう、メロディや音になんだか満たされた。一番好きな楽曲が最後の"Doomin' sun"。ベスト入りはほとんどこれが決めてだった。トラック数を確認せずとも、「最後の曲だ」と確信させた"Doomin' sun"は、今年一番聴いた曲となった。Spotifyでは、全然聴かれてないけれど。
アルバムリリース後、シングル曲を出しているので、今後も活動していくのだと思われる。楽しみではあるが、Jay somはChastity BeltのAnnie Truscottとのユニット"Routine"が音沙汰無しなので、そちらも何かしてくれないかなと願う。
10. Nicholas Britell - The Underground Railroad : Volume 1.2.3
まず、驚いた。Spotifyを開き、Nicholas Britellと検索する。そしたら、何と『地下鉄道』のサントラが三枚もあるのだ。それぞれ1時間もの長さがある。
少しずるいなと思いつつも、今年のサントラ1位は『地下鉄道』に決まった。(私はサントラを1枚、ベストに入れることにしている。しかし、今回は3枚になってしまった)
胸に来るものが違う。他にも、Jonny Greenwoodなどの候補はあったが、勝負にならなかった。もう本当に、来るものが違う。
ちなみに、昨年のサントラ1位は『The Last of Us Part2』。一昨年は、『An Elephant Sitting Still』。映画、ゲーム、テレビシリーズときている。来年はどうなるだろう。
以下、良かったアルバムやEP
Smoothboi Ezra- Stuck
Cassandra Jenkins - An Overview on Phenomenal Nature
Hana Vu - Public Storage
Katy Kirby - Cool Dry Place
Indigo Sparke - Echo
Lizzie Reid - Cubicle
Danielle Durack - No Place
Senora May - All of My Love
Drug Store Romeos - The world within our bedrooms
Kiki Rockwell - Bleeding Out In A Forest
Margo Cilker -Pohorylle
Yasmin Williams - Urban Driftwood
Mabe Fratti - Será Que Ahora Podremos Entendernos
Tashaki Miyaki - Castaway
Tuvaband - Growing Pains & Pleasures
Claire Cronin - Bloodless
Skullcrusher - Storm in Summer
Kiki Rockwell のEPが大変面白かった。「一体自分は何を聞いているんだろう」と何故か笑いがこみ上げて来る。シングル曲もEPリリース後に出され、そちらも面白かった。再生数が多いので、注目している人は多そう
ちなみに、アルバムベスト10にCassandra Jenkins入れるかは最後まで迷った。