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Best Movies 2018

〈概要〉
・日本で2018年に劇場公開、販売(ビデオスルー)、配信された映画が対象
・リバイバル上映などは基本的に対象外
・順位なし

・タイトルを押すと予告編に飛びます。
・一応①~⑩をBEST10のつもりで選んではいます。

①『ビューティフル・デイ』(リン・ラムジー)

ジャンル:クライム,ミステリー,ドラマ
製作国:イギリス,フランス,アメリカ

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〈あらすじ〉
 元軍人のジョーは、年老いた母親と静かな生活を送る一方、長年のトラウマに苛まれていた。そんなジョ ーのもとに舞い込んできたのは、売春組織に囚われた娘ニーナを連れ戻してほしいという政治家からの依頼。 仕事を遂行するためなら血生臭い殺しも辞さないジョーは、組織の娼館からニーナを救出するが、心ここにあらずといった様子だった。

〈説明・感想〉
 ホアキン・フェニックスと『少年は残酷な弓を射る』のリン・ラムジーがタッグを組み、第70回カンヌ国際映画祭で男優賞と脚本賞をダブル受賞。

  視点を絞ったストーリーに難解さをもたらすが、逆に言うと余計なシーンや邪魔なシーンは見受けられない。
 キャスト、カメラワーク、そしてジョニー・グリーンウッドの神秘的なスコアにより、本作を高みへと登らせており、ストーリーの難解さと相まって私は乗めり込むように観賞した。一秒も映画から気持ちが離れることはなかった。
 観終わった後も、疑問点が残り何度も観たくなる。最高の映画だ、文句なし。尺が短いのもまた良い。

〈作品データ〉
脚本:リン・ラムジー
出演:ホアキン・フェニックス エカテリーナ・サムソノフ
音楽:ジョニー・グリーンウッド
撮影:トム・タウネンド
原題:You Were Never Really Here
時間:89分


②『スリー・ビルボード』(マーティン・マクドナー)

ジャンル:クライム,ドラマ,コメディ
製作国:アメリカ,イギリス

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〈あらすじ〉
 最愛の娘が殺されて既に数ヶ月が経過したにもかかわらず、犯人が逮捕される気配がないことに憤るミル ドレッドは、無能な警察に抗議するために町はずれに3枚の巨大な広告板を設置する。それを不快に思う警察とミルドレッドの間のいさかいが、事態を予想外の方向に進んでいく。

〈説明・感想〉
 2017年・第74回ベネチア国際映画祭で脚本賞、同年のトロント国際映画祭で観客賞を受賞。第90回アカデミー賞では主演女優賞、助演男優賞の2部門受賞。

 こちらの予想を裏切り続けて、ここまでストーリーが変化しつづける映画はそうはない。登場人物の皆に善と悪があり、どこか憎めない魅力溢れるキャラクターがたまらないし、それを演ずる役者にもあっぱれ。フランシス・マクドーマンド、サム・ロックウェル、ウディ・ハレルソンの三人には絶えない拍手を送りたい。キャスティングが完璧だし、音楽もカメラワークも良い。

 ジャンルにコメディとあるように、少しそういったシーンもある。最初、そこは好きにはなれなかったが、思い返したときには味になっていた。
とてつもなく密度の濃い映画で、2018年一番感情が揺さぶられた作品。
  日本版のポスターには"魂が震える"とある。その通りだと思う。

〈作品データ〉
脚本:マーティン・マクドナー
出演:フランシス・マクドーマンド サム・ロックウェル
   ウディ・ハレルソン  
   ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ ルーカス・ヘッジス
   ジョン・ホークス ピーター・ディンクレイジ
音楽:カーター・バーウェル
撮影:ベン・デイビス
原題:Three Billboards Outside Ebbing, Missouri
時間:115分


③『RAW 少女のめざめ』(ジュリア・デュクルノー)

ジャンル:ドラマ,ホラー
製作国:フランス,ベルギー,イタリア

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〈あらすじ〉
 16歳のジュスティーヌは厳格なベジタリアンの獣医一家に育ち、両親、姉と同じ獣医学校に入学。初めて親元を離れ、見知らぬ土地の大学寮で学生生活を送ることになった彼女は、新しい環境で不安に駆られる日々を過ごす。新入生通過儀礼として生肉を食べることを強要されると、家族のルールを破り、人生で初めて肉を口にする。

〈説明・感想〉
 2016年・第69回カンヌ国際映画祭で批評家連盟賞を受賞した、フランス人女性監督ジュリア・デュクルノーの長編デビュー作品。

  グロテスクなシーンや、悲痛なシーンも多く思わず目を背けたくなるが、主人公の叫びがそれを許さない。
 慣れない環境に、周りは知らない人ばかり。ルームメイトはゲイの男。そんな不安定でストレスを抱えてる時期なのに、先輩たちの容赦ないヘイジング。痛々しく、辛い毎日を送り、日本人からしたら現実離れしているが、それでも彼女に興味を抱き、放っておけず感情移入をしてしまう。

 驚異的なビジュアルと最高のカメラワーク、一度聴いたら忘れられぬサウンドで彩られ、主演・ギャランス・マリリエの怪演に震える。
 ホラー映画ではなく、ホラー要素のある青春映画。大傑作。

〈作品データ〉
脚本:ジュリア・デュクルノー
出演:ギャランス・マリリエ エラ・ルンプフ
   ラバ・ナイト・ウフェラ
音楽:ジム・ウィリアムズ
撮影:ルーベン・インペンス
原題:Grave(英題:Raw)
時間:98分


④『アナイアレイション 全滅領域』(アレックス・ガーランド)

ジャンル:冒険,ドラマ,ホラー,ミステリー,SF
製作国:アメリカ,イギリス

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〈あらすじ〉
 生物学者で元兵士のレナの夫は、米国の海岸地帯で拡大を続けていた不可解な現象が起こる謎の領域"エリアX"の調査へ行くことに。しかし調査隊は音信不通の行方不明に。そんな中、エリアXから夫だけが生還するも、瀕死の重傷を負っており意識不明の昏睡状態に。レナは、夫の身に何が起きたのか、真相を解明するため自ら調査隊に志願してエリアXへ向かう。

〈説明・感想〉
 『エクス・マキナ』のアレックス・ガーランド最新作。SFファンタジー作家ジェフ・バンダミアの『サザーン・リーチ』を実写映画化。NETFLIXオリジナル映画。

 今年最もたまらない映画の一つ。景色、設定、世界観、音楽、映像、天才的な感覚の持ち主たちによって生まれた映画。サウンドトラックと設定は本当にえげつない。これは2時間のアートだ。

 主人公たちがエリアXに入った瞬間から、見た事もない世界が広がり、ジャンルに冒険とあるように、ワクワクする要素にも溢れている。主人公たちが中心部に進むに連れ、そこで起こる現象は人間の理解を越えて行く。

 ジェニファー・ジェイソン・リーが2016年から毎年BEST映画に出演している。好きな俳優だし、ちょっと嬉しい。

〈作品データ〉
脚本:アレックス・ガーランド
出演:ナタリー・ポートマン ジェニファー・ジェイソン・リー
   ジーナ・ロドリゲス テッサ・トンプソン ツバ・ノボトニー
   オスカー・アイザック
音楽:ベン・サリスベリー ジェフ・バーロウ
撮影:ロブ・ハーディ
原題:Annihilation
時間:115分


⑤『フロリダ・プロジェクト』(ショーン・ベイカー)

ジャンル:ドラマ
製作国:アメリカ

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〈あらすじ〉
 6歳のムーニーと母親のヘイリーは定住する家を失い、フロリダ・ディズニー・ワールドのすぐ外側にある安モーテルでその日暮らしの生活を送っている。周りの大人たちは厳しい現実に苦しむも、ムーニーはモーテルに住む子供たちと冒険に満ちた毎日を過ごし、そんな子供たちをモーテルの管理人ボビーはいつも厳しくも優しく見守っている。しかし、ある出来事がきっかけとなり、いつまでも続くと思っていたムーニーの夢のような日々に現実が影を落としていく。

〈説明・感想〉
 全編iPhoneで撮影した映画『タンジェリン』のショーン・ベイカー最新作。ウィレム・デフォーが第90回アカデミー助演男優賞にノミネート。

 本作のような生活や、風景、日常描写を切り取ったような映画はかなり好き。目立ったストーリーはなく、エンタメ性に欠けるが、本作が描写したものには計り知れないほどの価値がある。
 自身の子供生活を思い出しつつも、今まで見て見ぬふりをしてきた部分を痛感する。世界だけでなく、日本国内で日常的に起こっている物事からどれだけ目を背けてきたのだろう。
 しかし、本作は決して暗い方へと向かわせる映画などでは無い。日常に潜む秀麗な情景、子供たちの元気いっぱいなリアルな姿を美しい映像で描く。
 ショーン・ベイカーの志と優しさをずっと応援し続けたい。

〈作品データ〉
脚本:ショーン・ベイカー クリス・バーゴッチ
出演:ブリア・ビネイト ブルックリン・キンバリー・プリンス
   ウィレム・デフォー
音楽:ローン・バルフェ
撮影:アレクシス・サベ
原題:The Florida Project
時間:112分


⑥『テルマ』(ヨアキム・トリアー)

ジャンル:ドラマ,ファンタジー,ホラー
製作国:ノルウェー,フランス,デンマーク,スウェーデン

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〈あらすじ〉
 ノルウェーの人里離れた田舎町で、信仰心が深い両親のもとに育った少女テルマ。オスロの大学に通うため一人暮らしを始めたテルマは、同級生のアンニャと初めての恋におちる。募る欲望と罪の意識に引き裂かれながらも、奔放な彼女に強く惹かれていくテルマ。しかし、その後テルマは不可解な発作に襲われるようになり、その度に周りで不気味な出来事が起こる。

〈説明・感想〉
 カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された『母の残像』などで注目されるノルウェーのヨアキム・トリアー監督が手がけたホラー。

  序盤で確信出来る、圧倒的な映像センス。雪、森、氷、赤い服、被写体の位置、カメラワークと一瞬で掴まれ、全てに魅了された。
 謎が常に突き纏い、凝った映像と共に一秒も飽きさせることのないストーリーに痺れる。複雑にはし過ぎずていない、しかし解釈を何通りをも与えるつくりは見事。

 ラース・フォン・トリアーの甥という立場がどれほどの影響を与えたのかは分からないが、彼の個性とセンスは抜群。

〈作品データ〉
脚本:エスキル・フォクト ヨアキム・トリアー
出演:エイリー・ハーボ カヤ・ウィルキンス
音楽:オーラ・フロッタム
撮影:ヤコブ・イーレ
原題:Thelma(英題:Thelma)
時間:116分


⑦『The Witch 魔女』(パク・フンジョン)

ジャンル:アクション,ミステリー
製作国:韓国

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〈あらすじ〉
 ある特殊な施設で育ったジャユン。8歳のときに逃げ出し、記憶を失ったジャユンは助けてくれた酪農家の 娘として暮らす。そして、10数年の歳月が過ぎ、ジャユンは頭に異変を感じるようになる。手術費用と経済状況が厳しい養父母のため賞金が出る歌のオーディションを受けることを決意。しかし、テレビ番組で、あるマジックを披露したことで謎の男たちから追われることになる。

〈説明・感想〉
 『新しき世界』のパク・フンジョン最新作。

 例えるなら"日本の青年漫画の究極の実写化"。バイオレンス要素を持ちつつも過激すぎず、ミステリー、アクション要素共に、韓国ノアールに見事に仕上げている。
 全てが調度良い具合で、かつドストライク。深いテーマなど存在しないが、少年心を熟知しており、好きな人はとことん好きな映画になるだろう。
 一重まぶたのとてつもない存在感を誇る主演のキム・ダミ。本作を過激に偏らせないコ・ミンシの役割は大きく、『20世紀少年』の木南晴香のよう。

 何度も観たくなる最高の映画。

〈作品データ〉
脚本:パク・フンジョン
出演:キム・ダミ コ・ミンシ
   チョ・ミンス パク・ヒスン チェ・ウシク
音楽:モグ
撮影:キム・ヨンホ
原題:마녀(英題:The Witch:Part1.The Subversion)
時間:125分


⑧『心と体と』(イルディゴー・エニェディ)

ジャンル:ドラマ,ミステリー
製作国:ハンガリー

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〈あらすじ〉
 ハンガリー、ブダペスト郊外の食肉処理場。代理職員として働くマーリアはコミュニケーションが苦手で職場になじめない。片手が不自由な上司のエンドレは彼女を気に掛けるが、うまく噛み合わない。そんな不器用な二人が急接近するきっかけは「同じ夢を見ていた」ことだった。

〈説明・感想〉
 長編デビュー作「私の20世紀」でカンヌ国際映画祭カメラドール(最優秀新人監督賞)を受賞したハンガリーのイルディコー・エニェディが18年ぶりに長編映画。2017年・第67回ベルリン国際映画祭で最高賞の金熊賞をはじめ4部門に輝く。

 静かで単調で眠たくなってしまうかと思ったが、そんなことには全くならなかった。主人公のキャラクターの言動や仕草が非常に可愛らしさを持ち、演ずるアレクサンドラ・ボルベーイが見事に表現していた。
 そこまでインパクトを与える画ではなく、少しだれてしまうかと危惧したが、鹿のシーンがそれを防いでいる。随所に挟まれる鹿が、何故か集中力を持続させる。不思議だ。
 繊細で気難しく、美しい。神秘的な映画。

〈作品データ〉
脚本:イルディゴー・エニェディ
出演:アレクサンドラ・ボルベーイ ゲーザ・モルチャーニー
音楽:アダム・バラージュ
撮影:マーテー・ヘルバイ
原題:Teströl és lélekröl(英題:On Body and Soul)
時間:116分


⑨『少女邂逅』(枝優花)

ジャンル:ドラマ
製作国:日本

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〈あらすじ〉
 いじめをきっかけに声が出なくなった小原ミユリ。自己主張もできず、周囲にSOSを発信するためのリストカットをする勇気もない。そんなミユリの唯一の友達は、山の中で拾った蚕。ミユリは蚕に「ツムギ」と名付け、こっそり大切に飼っていた。ある日、いじめっ子の清水に蚕の存在がバレ、捨てられてしまう。唯一の友達を失ったミユリは絶望するが、その次の日、ミユリの通う学校に「富田紬」という少女が転校してくる。

〈説明・感想〉
 監督は「美味しく、腐る。」で早稲田映画まつり観客賞を受賞した枝優花。「転校生」名義で活動していたミュージシャンの水本夏絵が音楽を担当。「MOOSIC LAB 2017」で観客賞を受賞。

 現在の私では感想を書くことが難しい。何故本作がBEST入りし、ここまで高く評価している理由を考えても辿り着かない。
 若手監督らしい初々しさとギリギリで保っている危うさが、とても愛らしく思えたことは確か。不器用ながらにも必死な様が何とも好きだ。

 枝監督自身の写真の上手さが映像に直結しており、色味も考えぬかれているのが良く分かる。難解な部分もあり、感想という感想は書けないが本作を大事にし続けたいと強く思う。

〈作品データ〉
脚本:枝優花
出演:保紫萌香 モトーラ世理奈
音楽:水本夏絵
撮影:平見優子
原題:少女邂逅(英題:Girls' Encounter)
時間:101分


⑩『ヘレディタリー 継承』(アリ・アスター)

ジャンル:ホラー,ドラマ,ミステリー
製作国:アメリカ

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〈あらすじ〉
 グラハム家の祖母・エレンが亡くなった。娘のアニーは、過去の出来事がきっかけで母に愛憎入り交じる感情を抱いていたが、家族とともに粛々と葬儀を行う。エレンの遺品が入った箱には、「私を憎まないで」というメモが挟んであった。アニーと夫・スティーヴン、高校生の息子・ピーター、そして人付き合いが苦手な娘・チャーリーは家族を亡くした喪失感を乗り越えようとするが、奇妙な出来事がグラハム家に頻発。

〈説明・感想〉
 アリ・アスター長編監督デビュー作。

 観たければ観るといい。観たくないなら観ない方がいい。煽るようなことを書くのは嫌いだが、本作については仕方がない。

〈作品データ〉
脚本:アリ・アスター
出演:トニ・コレット アレックス・ウルフ ミリー・シャピロ
   アン・ダウド ガブリエル・バーン
音楽:コリン・ステットン
撮影:パベウ・ボゴジェルスキ
原題:Hereditary
時間:127分


『きみの鳥はうたえる』(三宅唱)
ジャンル:ドラマ
製作国:日本

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⑪『BPM ビート・パー・ミニット』(ロバン・カンピヨ)

ジャンル:ドラマ
製作国:フランス

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〈あらすじ〉
 1990年代初頭のパリ。エイズの治療はまだ発展途上で誤った知識や偏見が横行する中、ACT UP Parisのメ ンバーたちはエイズ患者やHIV感染者への差別に対してさまざまな抗議活動を行っていた。行動派のメンバーであるショーンは、HIV陰性でありながら活動に参加しはじめたナタンと恋に落ちる。しかしショーンのエイズの症状は次第に顕在化していき、ACT UP執行部に対して批判的な態度を取るように。

〈説明・感想〉
 2017年・第70回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。

 唯一無二のサウンド。映画本編になり響くその音は、映画に込められた魂と共に忘れられぬものとなる。
 自分自身が過酷な状況に陥り、危機感を覚えなければ、行動を起こすことは難しい。そんなことは分かっていたとしても、自分が目立つのは嫌だし、弱みを見せるのは恐ろしい。しかし、黙っていては変わらない。
 黄色いベスト運動もかつてほどのニュースは聞かないが、終息したわけではない。

 本作はフランスに触れる良い機会にもなる。
 
〈作品データ〉
脚本:ロバン・カンピヨ フィリップ・マンジョ
出演:ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート アーノード・バロワ
   アデル・エネル アントワン・ライナルツ
音楽:アルノー・ルボチーニ
撮影:ジャンヌ・ラポワリー
原題:120 battements par minute(英題:BPM)
時間:143分


⑫『ウインド・リバー』(テイラー・シェリダン)

ジャンル:クライム,ドラマ,ミステリー
製作国:アメリカ,イギリス,カナダ

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〈あらすじ〉
 雪深いアメリカ。ネイティブアメリカンが追いやられた土地“ウインド・リバー”。そこで見つかった少女の死体。新人捜査官ジェーン・バナーが単身FBIから派遣されるが、慣れない雪山の厳しい条件により捜査は難航。ジェーンは地元のハンターで、遺体の第一発見者であるコリー・ランバートに協力を求め、共に事件を追う。

〈感想・説明〉
 『ボーダーライン』、『最後の追跡』の脚本を担当したテイラー・シェリダンの初監督作品。

 白が目立つ映像とスリリングなストーリーに時間を忘れる。
 「久しぶりに映画観たいな、大人向けのかっちりしたやつ」なんて思ってる人には打ってつけの映画。

 ドゥニ・ヴィルヌーヴの『ボーダーライン』と比べてしまうと、カメラワークや音楽は劣って見えてしまうのは少し残念。ロジャー・ディーキンスとヨハン・ヨハンソンの力はとてつもないことが身にしみて分かる。
 しかし、ストーリーに関してはさすがテイラー・シェリダン。申し分ない。

 ジェレミー・レナーの常に「これからお前を殺す」みたいな表情には引き込まれ、実に見応えがある。

〈作品データ〉
脚本:テイラー・シェリダン
出演:エリザベス・オルセン ジェレミー・レナー
   ジョン・バーンサル ケルシー・アスビル ジル・バーミンガム
音楽:ニック・ケイブ ウォーレン・エリス
撮影:ベン・リチャードソン
原題:Wind River
時間:107分


⑬『バスターのバラード』(ジョエル&イーサン・コーエン)

ジャンル:西部劇,ドラマ,コメディ
製作国:アメリカ

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〈あらすじ〉
 My Name is Ozymandias King of Kings.

〈説明・感想〉
 全6話西部劇アンソロジー。NETFLIXオリジナル作品。
 第75回ヴェネツィア国際映画祭脚本賞受賞。第91回アカデミー賞脚色賞、歌曲賞、衣装デザイン賞ノミネート。

  PS4の西部劇オープンワールドゲーム『Red Dead Redemption 2』をプレイしていたときに観たのもあり、開拓時代の建物や舞台、広大な自然の景色、衣装などて最高だった。
 音楽とビジュアル面が素晴らしく、凄腕ガンマンなどのキャラクターにも惚れ惚れした。ゾーイ・カザンを最も素晴らしく撮った映画な気がする。

 コーエン兄弟の脚本・演出が好きなんだなと再確認。バラエティ豊かで楽しい映画でありつつも、 ブラックユーモア溢れる物語に、扱っているテーマも良い。テーマとアンソロジーが見事にハマった最高の映画。

〈作品データ〉
脚本:ジョエル &イーサン・コーエン
出演:ティム・ブレイク・ネルソン ジェームズ・フランコ
   リーアム・ニーソン トム・ウェイツ ゾーイ・カザン 
   ブレンダン・グリーソン
音楽:カーター・バーウェル
撮影:ブリュノ・デルボネル
原題:The Ballad of Buster Scruggs
時間:132分


⑭『犬ヶ島』(ウェス・アンダーソン)

ジャンル:アニメ,コメディ
製作国:アメリカ,ドイツ

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〈あらすじ〉
 近未来の日本。犬インフルエンザが大流行するメガ崎市では、人間への感染を恐れた小林市長が、すべての犬を“犬ヶ島”に追放する。ある時、市長の養子で孤児のアタリが小型飛行機に乗り込み、愛犬のスポッツを救うためにその島にやって来た。島で出会った勇敢で心優しい5匹の犬たちを新たな相棒とし、スポッツの探索を始めたアタリは、メガ崎の未来を左右する大人たちの陰謀へと近づいていく。

〈説明・感想〉
 第68回ベルリン国際映画祭のオープニング作品として上映され、コンペティション部門で監督賞(銀熊賞)を受賞。

 音、及び音楽と画作りへのこだわりが半端じゃない。太鼓の音が鳴り響くオープニングから一時も目が離せない。
 カメラワークも非常に凝っており、人形を使ったアニメーションならではの味と手法は新たな映像表現と言ってもいいぐらい。

〈作品データ〉
脚本:ウェス・アンダーソン
出演:コーユー・ランキン リーブ・シュレイバー 
   ブライアン・クランストン エドワード・ノートン ボブ・バラバン
   ビル・マーレイ ジェフ・ゴールドブラム ティルダ・スウィントン
   スカーレット・ヨハンソン グレタ・ガーウィグ
   渡辺謙 夏木マリ 野村訓市 高山明 伊藤晃 野田洋次郎
   ハーヴェイ・カイテル オノ・ヨーコ
音楽:アレクサンドル・デスプラ
撮影:トリスタン・オリバー
原題:Isle of Dogs
時間:101分


⑮『聖なる鹿殺し』(ヨルゴス・ランティモス)

ジャンル:ドラマ,ミステリー,スリラー
製作国:イギリス,アメリカ

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〈あらすじ〉
 
心臓外科医スティーブンは、美しい妻と健康な二人の子供に恵まれ郊外の豪邸に暮らしていた。スティー ブンには、もう一人、時どき会っている少年マーティンがいた。マーティンの父はすでに亡くなっており、 スティーブンは彼に腕時計をプレゼントしたりと何かと気にかけていた。しかし、マーティンを家に招き入れ家族に紹介したときから、奇妙なことが起こり始める。

〈説明・感想〉
 『ロブスター』『籠の中の乙女』のギリシャのヨルゴス・ランティモス監督作。第70回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞。

 こんなに、映像を観てて不安になる映画が今まであっただろうか。非常識なまでの気持ち悪いカメラワークに、腹の中に石を詰められているようだった。徐々に不安な気持ちが大きくなり、発狂しそうしなる。

 衣装や美術関連もとにかく冷めた色にこだわり、暖色もまた気持ちの悪い使い方をする。

 大嫌いな人は大嫌いな映画かもしれない。私も本作が好きなのかはよく分からない。たぶん傑作だろう、傑作のはずだ。わかんねぇけど。
 はたしてこれは、人間に興味があるのか、それともただおちょくっているだけなのか。

〈作品データ〉
脚本:ヨルゴス・ランティモス エフティミス・フィリップ
出演:コリン・ファレル ニコール・キッドマン バリー・コーガン
撮影:ティミオス・バカタキス
原題:The Killing of a Sacred Deer
時間:121分


『レディ・バード』(グレタ・ガーウィグ)
ジャンル:ドラマ,コメディ,ロマンス
製作国:アメリカ

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⑯『暁に祈れ』(ジャン=ステファーヌ・ソベール)

ジャンル:伝記,クライム,ドラマ
製作国:イギリス,フランス

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〈あらすじ〉
 ボクサーのビリー・ムーアは、タイで自堕落な生活を過ごすうちに麻薬中毒者になってしまう。ある日、警察から家宅捜索を受けたビリーは逮捕され、タイで最も悪名高い刑務所に収容される。そこは殺人、レイプ、汚職が横行する、この世の地獄のような場所だった。

〈説明・感想〉
 タイの刑務所に服役し、ムエタイでのし上がることに成功したイギリス人ボクサー、ビリー・ムーアの自伝小説を映画化。

 バイオグラフィー映画の手本。長期スパンでバイオグラフィー映画は描きがちだが、本作は短期間。 1年も描いてないと思う。
 リアルさを追い求めたことにより、バイオグラフィーでありながらドキ ュメンタリーにも感じた。決して、ビリー・ムーアの人生を観る様な映画ではなく、ビリー・ムーアが過ごし経験した現実を忠実に描くことで、観客が感じれるような映画だった。

 残酷かつ容赦ない描写で、映画的な撮り方も控え、音楽は現地のタイの音楽を使用し、映画的な使い方は控えている。映画的な、作りモノ的な演出はとにかくしないことにこだわっている。ここまで突き詰めるのかと愕然した。素晴らしい。
 "Before Dawn"を"暁"と訳すのはイカしてる。

〈作品データ〉
脚本:ジョナサン・ハーシュ ビーン ニック・ソルトリーズ
出演:ジョー・コール
音楽:ニコラス・ベッカー
撮影:ダビド・ウンガロ
原題:A Prayer Before Dawn
時間:117分


⑰『ROMA』(アルフォンソ・キュアロン)

ジャンル:ドラマ
製作国:メキシコ,アメリカ

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〈あらすじ〉
 政治的混乱に揺れる1970年代メキシコを舞台に、とある中産階級の家庭に訪れる激動の1年を、若い家政婦の視点から描いたヒューマンドラマ。70年代初頭のメキシコシティ。医者の夫アントニオと妻ソフィア、 彼らの4人の子どもたちと祖母が暮らす中産階級の家で家政婦として働く若い女性クレオは、子どもたちの世話や家事に追われる日々を送っていた。そんな中、クレオは同僚の恋人の従兄弟である青年フェルミンと恋に落ちる。一方、アントニオは長期の海外出張へ行くことになり…。

〈説明・感想〉
 NETFLIXオリジナル作品。
 アルフォンソ・キュアロンが脚本・撮影も手がけ、自身の幼少期の体験を交えモノクロ映像で紡ぎ出す。2018年・第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で、金獅子賞を受賞。第91回アカデミー賞でも作品賞を含む10部門ノミネートされ、外国語映画賞、監督賞、撮影賞を受賞。

 映画館で観たかった。NETFLIXで配信され、アカデミー賞受賞後ぐらいに、日本でも全国各地の映画館で上映されたが、都合が合わず結局観れずじまいだった。
 モノクロ映画が少ない分、本作の映像美をぜひ映画館で体感したかった。

 子供の頃から当たり前と思っているものが、そうそう変わることはない。当たり前に育てば、大きくなってもそれは当たり前だ。大人になって社会に出て、ようやく外の世界を知る。学生の頃、周りにいるのは学生だ。老若男女問わず、多種多様な人種ではない。
 
 誰も触れて来なかった分野の多様性に富む映画にも見えるが、監督自身の謝罪と感謝を込めた極めて個人的な映画とも取れる。というか実際そう。
 物語やキャラクターではなく、"一人の女性"にカメラを向け続けた上、ここまで映画としてレベルの高い作品を作り上げたことに感嘆する。

〈作品データ〉
脚本:アルフォンソ・キュアロン
出演:ヤリッツァ・アパリシオ マリーナ・デ・タビラ
撮影:アルフォンソ・キュアロン
原題:ROMA
時間:135分


⑱『シェイプ・オブ・ウォーター』(ギレルモ・デル・トロ)

ジャンル:ロマンス,ファンタジー,ドラマ
製作国:アメリカ

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〈あらすじ〉
 1962年、アメリカとソビエトの冷戦時代、清掃員として政府の極秘研究所に勤めるイライザは孤独な生活を送っていた。だが、同僚のゼルダと一緒に極秘の実験を見てしまったことで、彼女の生活は一変する。

〈説明・感想〉
 2017年・第74回ベネチア国際映画祭の金獅子賞、第90回アカデミー賞の全13部門ノミネートされ、作品賞、監督賞、美術賞、音楽賞の4部門受賞。

 この年の主演女優賞は『スリー・ビルボード』のフランシス・マクドーマンドが受賞したが、個人的には本作のサリー・ホーキンスに取ってほしかった。声が出せない役のため、セリフこそないが、彼女の表情と動作は一生忘れられないものだった。
 
 美術関連は細部にまでこだわっており、観ているだけで満たされていく。映像自体はあまり明るい作りではないのに、2018年公開の映画の中では群を抜いて美しい。

 自身が持てる最高の映像・音響環境で楽しんでください。

 「美しいから ぼくらは」byカネコアヤノ(燦々)

〈作品データ〉
脚本:ギエルモ・デル・トロ バネッサ・テイラー
出演:サリー・ホーキンス マイケル・シャノン 
   リチャード・ジェンキンス ダグ・ジョーンズ
   マイケル・スタンバーグ オクタビア・スペンサー
音楽:アレクサンドル・デスプラ
撮影:ダン・ローストセン
原題:The Shape of Water
時間:124分


⑲『A GHOST STORY』(デビッド・ロウリー)

ジャンル:ドラマ,ファンタジー
製作国:アメリカ

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〈あらすじ〉
 田舎町の小さな一軒家に住む若い夫婦のCとMは幸せな日々を送っていたが、ある日夫のCが交通事故で突然の死を迎える。妻のMは病院でCの遺体にシーツを被せ病院を去るが、死んだはずのCは突如シーツを被った状態で起き上がり、そのまま妻が待つ自宅まで戻る。

〈説明・感想〉
 かなり実験的な映画。ワンシーンが猛烈に長いし、主人公はほぼ一言も喋らない。映像のサイズも1.33 : 1と非常に狭く、ストーリーも設定も類を見ない。
 タイトルとは違い、ホラー要素は全くないのでご安心を。
 
 余計な知識や前情報はいれずに観て欲しい。

〈作品データ〉
脚本:デビッド・ロウリー
出演:ケイシー・アフレック ルーニー・マーラ
音楽:ダニエル・ハート
撮影:アンドリュー・D・バレルモ
原題:A Ghost Story
時間:92分


⑳『寝ても覚めても』(濱口竜介)

ジャンル:ドラマ,ロマンス
製作国:日本,フランス

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〈あらすじ〉
 東京。亮平は、コーヒーを届けに会社に来た朝子と出会う。真っ直ぐに想いを伝える亮平に、戸惑いながらも惹かれていく朝子。ふたりは仲を深めていくが、朝子には亮平には告げられずにいる秘密があった。亮平は、かつて朝子が運命的な恋に落ちた恋人・麦に顔がそっくりだった。

〈説明・感想〉
 『ハッピーアワー』で注目された濱口竜介の商業映画デビュー作。第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品。芥川賞作家・柴崎友香の同名恋愛小説を映画化。

 濱口竜介という才能、そしてジャンル。
 観はじめたとき「ラブロマンス全開の映画なのかな」と思っていたら、途中から「スリラーなのかこれは?」「いや、ホラー?」と、どんどん訳が分からなくなり、観終わったときは「何を観せられたんだ」と困惑した。

 妙な気持ち悪さがある映画で、微妙な違和感がずっと続く。演技も音楽も物語も独特だが演出力が決して低いわけではなく、何とも言えないものがある。それが良いか悪いかは自分次第だが、この映画体験はしておくべきだ。
 間違いなく、2018年の日本映画では一番異色。

〈作品データ〉
脚本:濱口竜介 田中幸子 
出演:唐田えりか 東出昌宏
音楽:tofubeats
撮影:佐々木靖之
原題:寝ても覚めても(英題:ASAKO Ⅰ&Ⅱ)
時間:119分


『search』(アニーシュ・チャガンティ)
ジャンル:スリラー,ドラマ,ミステリー
製作国:アメリカ,ロシア

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㉑『来る』(中島哲也)

ジャンル:ホラー,スリラー,ドラマ,ミステリー
製作国:日本

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〈あらすじ〉
 オカルトライター・野崎のもとに相談者・田原が訪れた。最近身の回りで超常現象としか言いようのない怪異な出来事が相次いで起きていると言う。田原は、妻・香奈と幼い一人娘・知紗に危害が及ぶことを恐れていた。野崎は、霊媒師の血をひくキャバ嬢・真琴とともに調査を始めるのだが、田原家に憑いている「何か」は想像をはるかに超えて強力なモノだった。

〈説明・感想〉
 『告白』『渇き。』の中島哲也最新作。第22回日本ホラー大賞で大賞に輝いた澤村伊智の小説を映画化。

 良く出来るところはいっぱいあるとは思う。それは素直に思う。しかし、全体的にエンターテインメント性溢れる演出に仕上がっており、楽しめた。
 和の要素がもっと強ければ、海外でめちゃくちゃ受けたに違いない。若干苦手なホラーの演出もあったのは悩ましいところ。

 ミステリー、スリラー、ホラー、ドラマとこの4つのジャンルを常に織り交ぜながら、ストーリー展開が見事で飽きさせることはない。中盤は本当に神がかってた。
 そして、黒木華はやはり良い。
 本作をクリスマス映画にと12月に公開したのはイカれてる。

〈作品データ〉
脚本:中島哲也 岩井秀人 門間宜裕
出演:妻夫木聡 岡田准一 黒木華
   小松菜奈 青木崇高 柴田理恵 松たか子 志田愛珠
音楽:冨永恵介 成川沙世子
撮影:岡村良憲
原題:来る(英題:It Comes)
時間:134分


㉒『ボーダーライン ソルジャーズ・デイ』(ステファノ・ソッリマ)

ジャンル:アクション,クライム,ドラマ
製作国:アメリカ

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〈あらすじ〉
 アメリカ国内で市民15人の命が奪われる自爆テロが発生。犯人らがメキシコ経由で不法入国したとにらんだ政府は、国境地帯で密入国ビジネスを仕切る麻薬カルテルを混乱に陥れるという任務を、CIA特別捜査官マット・グレイヴァーに命じる。それを受けてマットは、旧知の暗殺者アレハンドロに協力を要請。麻薬王の娘イサベルを誘拐し、カルテル同士の戦争を誘発しようと企てる。

〈説明・感想〉
 ドゥニ・ヴィルヌーヴの『ボーダーライン』のスピンオフ。

 前作を観た方が、キャラクターに愛着は湧くとは思うが、ストーリー的には観なくても問題ない。スピンオフとあるのは、続編という立ち位置なのかがいまいち分からないからです。

 前作の大ファンの身としては、前作に寄せた演出だけでたまらない。
 テイラー・シェリダンは『ウインド・リバー』といい、脚本がしっかりしてるし、キャラクターが魅力的。『ウインド・リバー』同様に緊張感と張り詰めた空気がずっと続く。
 
 音楽はヨハン・ヨハンソンの弟子、ヒルドゥル・グドナドッティルが担当。

〈作品データ〉
脚本:テイラー・シェリダン
出演:ベニチオ・デル・トロ ジョシュ・ブローリン
   イザベラ・モナー イライジャ・ロドリゲス
音楽:ヒドゥル・グドナドッティル
撮影:ダリウス・ウォルスキー
原題:Sicario: Day of the Soldado
時間:122分



まとめ
 特にないです。


『万引き家族』(是枝裕和)
ジャンル:ドラマ,クライム
製作国:日本

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