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Best Albums of 2022
今年SpotifyがおすすめしてくれたアーティストにSour Widowsというカリフォルニアのバンドがいた。端的にいって、今年最高の出会いだった。
当初かれらはアルバムを年内にリリースする予定だっが資金面が芳しくなく年内リリースには至っていない。
順調に行けば来年にはリリースされると思われますが、余裕のある方は是非下記のリンクから協力をお願いしたいです。
昨年同様、良かったアルバムを10枚紹介。順位という順位は無く、一枚サントラを入れることにしている。記事画像はArt Mooreの"Muscle Memory"からで、これを選んだ理由に特に深いものはない。
あと初めてプレイリストなるものを作成した。今年リリースされたシングル曲及び、アルバム・EP収録曲を対象とした「The Best Songs of 2022」。20曲と少なめで、一枚のアルバムのようなまとまりのある感じで作成した。画像はアーロイ。これもなんとなくです。
タイトルのリンクは全てSpotifyに繋がっています。
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Boy Scouts名義で活動するTaylor VickとEzra Furmanのコレボレーター Sam Durkes, Trevor Brooksによる新プロジェクトで、セルフタイトル・デビューアルバムとなる本作。昨年の私のベスト記事を読んでもらえればわかりますが、私はBoy Scoutsの熱心なファンです(たぶん声が好きです)。なので、本作を正当に評価出来ているとは思いませんが、ベストを評価だけで選出する気もありません。その時の気分や様々な感情が起因することでしょう。
とても好みで最高でした。Boy Scoutsのときの楽曲から遠く離れず、ややポップよりに仕上げ、全体を通して一貫性のあるアルバム。外れ曲のようなものもなく、何回も聴いていくうちにどんどん好きになっていった。
2. Tomberlin - "i don’t know who needs to hear this…"
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Tomberlinの2枚目となるアルバム。インディーズに精通している方ならTomberlinを知らない人はいないでしょう。それゆえ、期待していた人も多いと思いますが、予想を超える見事な音作りと多様さに富んだ面白さもあるアルバムでした。
最初の事前リリース曲の"idkwntht"が公開されたとき、今年は彼女の年になるとすら思いました。万人受けなど微塵も狙っておらず、本作のタイトルにもなっている。アルバム最後の曲を最初にリリースするのかと驚きもありましたが、それが彼女の覚悟と自信にも感じました。可能な限り優れた音響設備を整え聴いてもらいたい一枚。音が面白いアルバムですが、人によってはややあざとく感じてしまうかも。
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Floristは本作で本当に跳ねましたね。世間は知りませんが、音楽ファンに広く知れ渡ったことでしょう。YoutubeのMVの再生数は伸びているとは言えませんが、Spotifyのリスナーはとんでもないぐらい跳ね上がりました。以前は月間20万~30万ほどでしたが、現在は100万を超え、維持しています。このまま代表的なインディーフォークバンドとして地位を築くことでしょう。もともとNPR MusicのTiny Desk Concertで十分注目もされていましたしね。
青葉市子の"アダンの風"とまでとはいきませんが、半アンビエントのようなアルバムに仕上げてきた、セルフタイトルアルバム。今、セルフタイトルで出すのかと驚きましたが、本作が跳ねるきっかけにもなったのかなとも思います。正直、前作の"Emily Alone"がほぼEmilyのソロプロジェクトと化していただけに、Floristの今後の活動を心配していました。Emilyは本名名義でアンビエントアーティストとして活動もしているので、そのへんが主な理由です。しかし、心配する必要は無いのかな。小さい音で静かに楽しみたくなる見事なアルバム。
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Gracie Grayのセカンドアルバムとなる本作。今年初めて知ったアーティストです。美しくも陰鬱な雰囲気のある歌声で、楽曲も基本的には暗めながら、盛り上がりのある楽曲も入れ満足感の高いアルバムだった。本作を気に入り、ファーストアルバムの方も聴いてみたがそちらも素晴らしかった。
インタビューによると一人で制作出来る範囲で行っているようだが、今後変わっていくかもしれないと発言している。まだまだ変化と伸び代がありそうで今後が期待される。
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実のところ、これまでに優河の曲を聴いたことはほぼなく、石橋静河の姉で音楽活動をしているという程度の認識だった。アルバムを通しで聴くのも本作が初。まず、とても驚いた。音作りが豊かで、どこか神秘的な雰囲気すら宿しており、落ち着いた雰囲気の曲が多いものの、リズムに乗れる曲もしっかりあった。曲としてというより、アルバムとしての完成度がとても高く感じられた。今年聴いた日本人アーティストのアルバムでは一位です。
6. Babehoven - "Light Moving TIme"
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ニューヨーク州のハドソンを拠点に活動しているインディーフォークデュオ。満を持してのデビューアルバム。実は2022年3月にEPもリリースしており、今年もアルバム無しかなと思っていたんですが、まさかの10月にリリース。ちなみにそのEPと同じ楽曲は含まれていません(……似た曲はありますが)。Babehovenを知らないのであれば、本作が良い入り口になると思います。かわいい曲も多く好みでした。
7. Kathryn Joseph - "for you who are the wronged"
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評価が非常に高かったので聴いてみたところ大変気に入ったアルバム。Kathryn Josephは本作で初めて知りました。初リリース曲が2015年だったので若手かと思ったら現在47歳ということで驚いた。スコットランド出身。wikipediaを覗いても過去何をしていたのか知ることは出来ず(それ以上調べなかったのは私の怠慢からですが)。
一枚のアルバムで一つの曲、そんな印象を覚える作品で、引き込む力が大変強く、小声なのに力強いというか、魔力がある。優しいというよりは陰鬱よりかな。
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本作がデビューアルバムとなったペンシルベニア州・フィラデルフィア拠点で活動するSadurn。まだまだ活動歴の浅い若手のバンドで、私は事前リリース曲の"Snake"のときに存在を知った。それから割とすぐにデビューアルバムをリリースする発表があったが、そのときのかれらの知名度はとても低かった。が、本作で大変跳ねた。Spotifyの月間リスナーは10倍以上に伸び、各ソーシャルメディアのフォロワーもかなり増えた。正直、ここまで反響があるとは思っておらず、嬉しい驚きだった。人気プレイリストなどに収録されたんでしょう。
歌声も若く、音の少ないアルバムなので、次回作でどう変化があるのか期待したいバンド。
9. Why Bonnie - "In 90 November"
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期待のバンドとして注目されいてるのかは、よく分かりませんが、2018年や2020年にリリースされたEPで非常に良い曲を輩出しており、本作が待望のデビューアルバム。とにかく事前リリース曲の"Galveston"とアルバムタイトルにもなっている"In 90 November"が最高だった。どちらも今年TOP10に入るといっていいほどお気に入りの曲。逆にいうと、この2曲が良すぎて他が霞んでしまったのが、下位に紹介している要因ではあります。が、本作が好きなことに変わりはないです。
10. Dan Romer- "Station Eleven"
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はっきりいって今年は、そこまでいいサウンドトラックには出会えなかった。それでも、なんやかんやStation Elevenが一番良かったかなと。なかなか類を見ない独特な曲が多く、ギリギリ鼻唄出来ない感じが癖になりました。
10-1. Flower Face - The Shark in Your Water
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Flower Faceの三枚目のアルバムとなる本作。Flower Faceを知ったのは2年ほど前で、Spotifyでテキトーに曲を流しているときに"Angela"という曲が流れ一目惚れした。おそらく本記事で紹介するアーティストの中で一番有名なので、知っている人も多いと思う。本作も非常に良く、"October Birds"がお気に入り。サントラ一枚入れるという謎ルールがなければこれがベスト10の10枚目です。
11. Hiding Places - Hiding Places
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ベストEPを紹介。Hiding Placesはデビューしてからまだ浅く、まとまったものは今年2枚のEPを出した程度である(本作はその2枚目)。知名度がまだ低いものの、Spotifyの月間リスナーは1万と上場の滑り出しを見せている。Why BonnieやBabehoven、有名どころだとCrismanやSlow Pulpにも近しいものもあるため、このあたりが好きな方は是非。
以上で終わりますが、昨年のが豊作だったかなという印象。(ところでSpotify Hifiはいつなんですかね?)