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U.S.CPA考察③FARの重要論点

USCPAのFARの勉強方法や重要論点について解説します。


FAR(財務会計)の重要論点

FARはUSCPA試験の共通基礎科目であり、経済取引を仕訳によって貨幣金額に換算する方法を習得し、単体財務諸表作成から連結財務諸表作成、財務分析のスキルを身に付ける科目です。

有価証券の会計処理

重要論点として、有価証券の会計処理があります。
金融商品取引は財務諸表における経常項目を増減させるものであり、企業活動にとって非常に大きな役割を持ちます。
またUSGAAPやIFRS、日本基準とその処理方法に差異がある部分でもあり、しっかりと理解しておくことが必要です。
デリバティブやヘッジ、スワップ契約、為替など高度会計については設問として難易度は高くなく、基礎的なレベルが出題される傾向にあります。得点源になりやすい部分なので、理解しているかどうかで差がつきます。

連結財務諸表

連結財務諸表の作成は、内部取引の相殺や資産/資本の相殺、子会社持分調整などやや複雑な処理が必要なため、TBS等で設問となりやすいと思われます。
実務上の決算においても、連結決算は非常に大変かつ重要な業務であるため、経理・財務領域を目指す人であればしっかりと理解しておくことが良いでしょう。

キャッシュフロー計算書

間接法によるキャッシュフロー計算書の作成は非常に重要です。
貸借対照表と損益計算書からキャッシュフロー計算書を作成するという作業は、コンサルティングファームや事業会社投資部門等での財務モデリング作成と共通した作業となります。

実際のモデリングのようにシナリオ分析や予測CF作成までは要求されませんが、BSの資産や負債の増減を調整したり、営業損益を投資CFに調整するという作業は実務でも活用できるので、よく理解しておくと良いです。

棚卸資産

棚卸資産の評価は実務上も重要であり、原価計算の基本となります。
FIFO、LIFO、平均法、ドルコスト平均法、低価法の出題に合わせて柔軟に計算に対応していけるように準備が必要です。
別科目の監査論や管理会計等の勉強にも活きてくる部分なので、このタイミングで整理しておくと後々楽になります。

リース会計

リース会計は日本基準とIFRS/USGAAPとの差異がある部分で(日本基準はIFRSへのコンバージョン予定)、差異を理解ながら、そしてどの部分が改定されるのか、を理解しながら勉強しておくと有益です。

勉強方法

仕訳の方法を覚える

FAR攻略のためには、仕訳を覚えることが重要です。
経済取引がどの勘定科目をどのタイミングで上下させるのか、そして最終的にBSのどこに影響していくのかを意識して覚えていきます。

商品券販売やサブスクリプションなどの未実現収益やソフトウェアの資産計上タイミング、製品保証引当金など、仕訳にはタイミングが非常に重要です。収益認識のタイミングが異なれば、財務諸表の信頼性が崩壊してくるため、監査やIFRS導入時の収益認識基準は実務でも重要論点として扱われます。
原理原則を理解して、例外を覚える、という鉄則で臨みましょう。

MC対策を徹底する

FARの試験は選択問題であるMCの配点が50%です。
以前の試験ではMultistage Adaptive Testing方式(MC問題の最初のテストレットの正答率により2つ目のテストレットの難易度を調整する方式)が採用されていましたが、直近の改定によって廃止されたようです。

これは何を意味するかというと、全ての受験生が同じ設問を解くことになるので、問題全体のレベルが上がっており、従来よりも差が付きやすい(得点分布が広がりやすい)傾向になると想定されます。

MC対策としては予備校の問題集や市販教材でこれと決めたものを何度も繰り返すということに尽きると思います。
自分自身アビタスの教材とRQしか解いておらず、各科目3周くらいはしていて、各科目ストレートで合格しています。受験勉強でもそうですが、同じ問題集を繰り返すだけで合格の実力は必ず付くと思います。
なぜそうなるのか、同じような問題で違う英単語や数値、条件が異なった時に対応できるかどうか、を意識しながら進めていくと良いでしょう。
単なる暗記ではなく、会計基準と原則を理解したうえで論理的に問題を解いていくことが効率的です。

また、少しでも疑問に思ったら何度もテキストを読んで、その答えの背景となる会計処理の考え方を理解するようにしてください。
テキストの各ページに何が書いてあるのか、脚注の内容まで覚えられるまでしっかりと読み込むことが、非常に有効です。

TBSは正確性を重視する

TBSにも色々種類がありますが、間接法によるキャッシュフロー計算書の作成や減価償却を考慮した利益算出、棚卸資産やリース償却額の計算などFARは計算問題が非常に出やすいです。

こうした計算問題は一つのミスが命取りになります。
序盤で数字を間違えると、それ以降すべての計算結果が間違ってしまうとテストレット1つを全て失点してしまうことになります。
思い込みではなく、資料に書かれている条件に忠実に従う必要がありますので、問題文を正確に読解するように訓練すると良いでしょう。

特にTBSでは時間が無くなっていく焦りから、問題文を丁寧に読解する余裕がない可能性があります。
何度も読み返す時間はありませんので、英文を1度で正確に解釈できる英語力を磨くことも重要だと思います。
日頃から英語ニュースを読んだり、英語でFASBの原文に当たるなどトレーニングを積んでおくと良いでしょう。




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