「教育」から「学育」の時代へ
学育と聞いてもピンとこないと思います。この言葉はスタンフォードオンラインハイスクールの校長である星友啓先生が作った造語です。
これまでの教育、特に日本の教育は教師が教えて生徒を育てるというスタイルが主流でした。
そのため、教育内容やカリキュラム、授業スタイル、教え方は適切なだろうか、という教師側の視点が重視されてきました。
そのため、生徒側からするとどうしても受け身にならざるを得ないのです。教師から一方的に教えられ、宿題や課題を出されて粛々とこなす。確かに学力は伸びるかもしれませんが、生徒自ら学ぶ姿勢を養うことは困難です。
「学育」は、「教育」が陥りかねない教える側の視点への偏重を避けて、学ぶ主体である子供に焦点を置きなおそうというスローガン的な言葉だと星先生はおっしゃっています。
「学育」の視点は、能動的に学び、主体的な学びのプロセスを中心に考えます。
講義の内容や授業の課題を受け身な姿勢でこなしていくのではなく、題材を批判的に考察したり、自ら問いを立て自分の理論を展開したり、プロジェクトを遂行したり、自らのカリキュラムやスケジュールを選択するスタイルです。
子供をそうした学びの主体として尊重し、その主体性を更に養い、 子供の学習条件を最適化するようにサポートしていこうというのが「学育」のメインの視点だといいます。
予測不能な時代が到来する中、私たち大人がすべきことは「自ら学ぶ人材」を育てることだと思うのです。
受動的な学びは指示待ち人間しか生まれません。
星先生はこんなことを言っています。
”学びの主体である子供を中心に考え、その子供にフィットする学習条件を模索し、学びを促していく。
そのことが私たちにできるベストの学習サポートだというイメージを意識することが、目まぐるしく変わる現代社会で、より必要になっています。”
教育の在り方について、私一人ひとりが真剣に考えていく必要があるのかもしれません。