個人的フィルムスキャン環境について
今日フィルム写真を始めるのにあたってネックの一つに挙がるのが写真のデータ化だと思います。特段目新しい情報は無いとは思いますが、これからフィルムスキャンを始める方のために自己流ですがまとめたいと思います。
何故フィルムをスキャンするのか
「フィルムはプリントで楽しみなさい」
はい、そうかもしれません。だけど、そうもいかないのがデジタル全盛の今日です。プリントをする環境があればそうしているでしょう。銀塩プリントを始めるのには引き伸ばし機が必要です。原版のフィルムサイズなんかで大きさが変わりますし、カラープリントを始めたりしたらプロセッサーや水回りが大変です。将来的には揃えて楽しんでみたいのですが未だ遠い夢です。個人的に一番の理由は写真を扱いやすくするためです。パソコンやスマートフォンの中で鑑賞したり、人に送ったりSNSにアップするためにはデジタル化がマストです。手軽さでいえばスキャンでしょう。
写真屋さんでスキャンするか、自家スキャンか
ここからはお店のフロンティアによるスキャンと自家スキャンの雑感です。最初の数本はお店でCDにしてもらっていました。現像代含めて35mmで1500円くらいだったと記憶しています。お店の方でやってくれるので、時間や労力はいりません。お手軽です。しかしそれで我慢できなくなるのがオタクの性です。次第にコストパフォーマンスと品質を求めデジタルデュープを始めました。Nikonのデジイチにマイクロレンズ、フィルムデジタイズアダプター ES-2です。フロンティアでのスキャンとは全く違う解像度や自由さに驚きました。何より初期投資だけで済みますからね。お手軽さと画像のクオリティーを天秤にかけて選択するのが一番だと思います。お店スキャンが悪いわけではありません。とりあえずお金を払えば写真を出してくれますから。
残念なことにプロラボのドラムスキャナーでのスキャンは経験したことがありません。高額ですし、心理的ハードルが高いです。(お店の人に見せれるほどいい写真が撮れていません笑)この記事は今後続きを書く予定があるので今度出してみようと思います。
使っているスキャナー
前置きが長くなりましたが今のスキャン環境について備忘録を兼ねて書いていきたいと思います。先に書いておきますが、自身でも未だ探究中ですので何かいい方法がありましたコメントを頂けると幸いです。(Twitterで軽率なつぶやきをしたところ、訂正を頂きました。勉強不足なので反省しています。)
Nikonのデジタルデュープも良かったのですが、35mmにしか対応していないので他の手段を探した結果フラッドヘッドスキャナーにたどり着きました。フィルムスキャンが売りの製品で挙がるのはCanonのCanoScan9000F MarkIIとEpsonのGT-X 980でしょう。私はNikon党員ですので迷わずEpsonにしました。いや、冗談ですよ(笑)。付属のホルダーの取り込み枚数とか4x5が取り込めるかなど違いがあります。
さて、安い買い物ではないのでハードルは高いと思います。ですが、フィルム写真にどっぷりはまっている人、これからはまる予定がある人には迷わずおすすめできます。もっと安価で同等かそれ以上のクオリティが出せるデジデュープがありますが、個人的にはおすすめしません。理由としては疲れるからです。いや、やればわかるんですよ本当に。フレットヘッドスキャナーなら余程特殊なことをしない限り一気に十数コマスキャンできるから楽なんです。
使っているスキャナーソフト
次に取り込みの際に使っているスキャンソフトウェアです。EpsonScanも悪くはなかったのですが、如何せんスキャン時間が長いのとホコリの修正が少し物足りなかったからです。今使っているソフトウェアはSilverFast 9です。
https://www.silverfast.com/show/silverfast-se-9/jp.html
これはドイツのLaserSoft Imaging AGが出しているフィルムスキャンのソフトウェアです。49ユーロ掛かりますがフィルムスキャンを始めるならおすすめのソフトです。このソフトの良いところは4つあります。
1.スキャン速度が上がる
2.ホコリ等のゴミ修正の機能が高い
3.NegaFixの機能が優秀
4.CCR(Color Cast Removal)が使いやすい
スキャン速度は結構変わります。ゴミ修正ですが、SilverFastのiSRDとSRDxの方がより強力に補正してくれます。次にNegaFixの機能です。ネガからポジへの変換を助けてくれる機能です。メーカー別のフィルム銘柄のプロファイルも存在します。(数が少なく、自分はあまり適用しません)そして個人的に最大の長所だと思っているのがCCRの機能です。この機能はカラーステッチ、色被りの補正が容易に行える機能です。直感的なインターフェースで上記のNegaFixだけで補正が行えないときも簡単に綺麗な画を出すことができます。本当に便利です。上記の機能以外にも様々な機能が備わっているソフトです。
SilverFast 9の事を褒めちぎって来ましたが別に案件ではありません。時々ソフトウェアがクラッシュしたりすることもあります。ただ、本当にいいソフトウェアです。もう一度言いますが案件ではありません。LaserSoft Imagingさん、ここまで褒めちぎっているんだからAI Studioに無料でアップグレードさせてください(笑) そうそう、私が使っているSilverFast 9はスタンダード版です。さらに色々な機能が付いた上位互換が存在します。購入次第新しい記事を書こうと思います。
今後のスキャン環境について
ここまで現在のスキャン環境について書いてきましたが、不満もあります。理由は3つ。
1.付属のフィルムホルダーだとゴミが乗る
2.付属のフィルムホルダーだとピントが完璧に来ない
3.SilverFast 9の上位互換が欲しい
付属のフィルムホルダーについての不満点が2つあります。1つ目はGT-X 980を使っている人なら誰しも持つ悩みだと思います。本当にゴミが乗るんです。どれだけブローしても取れないゴミが。2つ目はピントの問題です。付属のホルダーは高さを5段階程で調整することができるのですが、なんせプラですので最高の制度ではありません。自分の個体だけかもしれませんが少しだけボヤります。(と言ってもシャープなことはシャープですが。)2つの問題の解決策として今現在考えているのがサードパーティー製のフィルムホルダーの購入です。しかし、従来の様なフィルムホルダーだと同じような問題は起きてしまいます。
そこで目を付けているのがThe BetterScanning.comというサイトで販売している取付ステーションです。
http://www.betterscanning.com/scanning/mstation.html
従来型のホルダーは所謂ドライスキャンという方式ですが、スキャンの世界にはウェットスキャンという方式があります。特別な液体と透明なシートでフィルムを圧着して平面性を確保する方法です。シャープネスやコントラストの向上が期待できます。フィルムの小さな傷を埋める効果やゴミの付着防止も。スキャナーのガラス面に直接フィルムを乗せる方法もあるのですが、こちらの取付ステーションはイモネジでスキャナーのピント面にフィルム面を持っていくという優れものです。こちらも購入予定があるので購入次第レビュー記事を書いてみたいと思います。
3つ目はソフトウェアです。先ほども書いた通り自分が使っているのはスタンダードモデル、さらなる機能がある上位版に切り替えたいと思っています。と言っても単体だと249ユーロ、アップグレードでも200ユーロ掛かります。
まとめ
ダラダラと書いてきましたがまとめです。最初に書いた通りフィルムスキャンを昔からやっている先輩方には目新しい情報は無いと思います。もしこれからフィルムスキャンに挑戦してみたいという方がいたら、少しでも参考になれば幸いです。簡単に言えばEpsonのGT-X 980を買ってSilverFast 9を買えばとりあえずはベターということです。フィルムスキャンの環境は今でも探究中なので新しい発見があればNoteにて共有していきたいと思います。