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メープルシロップ論文を図解してみた。

メープルシロップに含まれるオリゴ糖の一種、メープルビオースが、砂糖(ショ糖)の吸収を半分に抑えたことが報告されました!!(動物実験にて)
研究を行っているのは私の出身校、近畿大学薬学部。

研究論文はこちら▼

※翻訳版はこちらからご覧ください。

薬学研究を日常の食品開発に活かすという理念のもと設立した「Healthy&Lab.」にて、このメープルシロップを白砂糖の代わりに利用した菊芋フロランタンを開発しました。

しかし、なぜメープルシロップが砂糖の吸収を抑えるのか、論文だと専門用語だらけだし英語だし、理解しずらい…
そこで本記事では、メープルシロップがどのようにショ糖の吸収を抑えているのかを実際の研究論文を紐解いて、超簡単に図解致します!

メープルシロップ研究の変遷

実は、今回の研究論文での結果が出るまでに、メープルシロップについていくつかの研究が行われてきていました。その研究変遷に沿って、メープルビオースの説明をしてゆきます。(結果だけ知りたい人は最後のまとめに飛んでね!)

研究第①弾

まず下記論文にある研究によってメープルシュガー(メープシロップから水分を取り除いて生成している砂糖)は、砂糖(スクロース)よりGI価が低いことが判明!

これをきっかけに更にメープルシロップについて研究を深めることに。

研究第②弾

そして新たな研究の末、メープルシロップの採取時期によってGI値が変わることが判明!※どの採取時期が低いのかは研究室秘密

採取時期よってGI値の違いが生まれている理由に着目し、メープルシロップに含まれる成分を分析…!そうして発見されたのが今回のメープルビオースだったのです!

メープルシロップイラスト

つまり、採取時期によって、メープルビオースの含有量が変わり、メープルビオースが多ければ多いほど糖の吸収を抑える効果が強くなり、その結果GI値が低くなっているのです。

研究第③弾

そして今回の研究にて、このメープルビオースというオリゴ糖が、なぜ糖の吸収阻害(阻害とは、抑えるという意味)しているのかが分かりました。

メープルビオースとは

このメープルビオースとは、フルクトシルオリゴ糖の一種で、糖の分解酵素を阻害することで、糖の吸収を阻害しています。
「阻害することで阻害…?なんのこっちゃ!」と混乱が起こっているかもしれないので、下記に詳しく解説してゆきます。

メープルビオースの働き

そもそも、砂糖(スクロース)は二糖類で、グルコースとフルクトースという二つの単糖が結合して出来ています。
人の体は、単糖の形でしか糖を吸収できないため、二糖類を単糖に分解するための酵素(消化酵素)というものが胃液の中などに存在しています。(吸収は腸で行われる)

胃の中図解

その砂糖(スクロース)の分解酵素はスクラーゼやインベルターゼという種類で、米(マルトース)のようなでんぷんを分解している酵素はアルファグルコシダーゼというもので、分解するものによって酵素が変わります。

スクロースとスクラーゼ図解

今回見つかったメープルビオースは、その砂糖の分解酵素であるスクラーゼやインベルターゼを阻害(働きを妨げるという意味)する作用が発見されたのです。

メープルビオースとスクラーゼ図解

つまり、砂糖が体内に取り入れられても、酵素阻害によって分解されないので吸収されにくくなり、食後血糖値上昇も緩やかになる!ということです。


※ちなみに、同じオリゴ糖の分類ですが、チョコのCMでお馴染みの「糖として吸収されないオリゴ糖」とメープルビオースとでは、また違う働きとなります。糖として吸収されないのか、糖の吸収作用を邪魔するのかの違いです。同じ糖でもいろんな働きがあって面白いですね。

メープルシロップの凄い理由まとめ

✔メープルシロップは砂糖よりもGI値が低い
✔砂糖よりもGI値が低くなっているのは、メープルシロップに含まれるメープルビオースというオリゴ糖が要因
✔メープルビオースは、糖の分解酵素を阻害することで、糖の体内吸収を妨げ、それによりGI値(食後血糖値の上昇度)を低くしている!

以上、メープルシロップの論文を図解してみました!

このメープルシロップを使って開発されたヘルシーな薬膳菓子 #菊芋フロランタン はヘルシーラボのサイトから現在受注販売限定で購入可能です!

今後もこのように、薬学研究を活かしてヘルシーで美味しい食品を開発してゆくのでお楽しみに!!

薬学研究を活用した食品開発のお問い合わせは下記まで📪
info@new-ron.com



【プレスリリース&参考文献】




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