捨てなくてよかった
去年のクリスマスにプレゼントのようにやって来た義母。
突然義母の介護生活が始まった。
この頃はだんだんお互い素性がわかってきて、我が儘を押し通したい義母と拒否する私とでバトルをやっている。
以前両親の介護をした私は、介護してたあの時つらかったって思い出しかないと思っていたが、今回その時の経験がとても役にたった。
両親が亡くなった時、もう必要なくて誰かにあげたり捨てようかとなやんだけど、とりあえず置いておいた物も役だった。
紙パンツや紙オムツ、尿瓶やポータブルトイレである。
義母はとりあえず歩行は出来るが、突然足が痛くなり立ち上がれなくなったりした。
本当に突然で、原因はあるのだろうがわからない。
とにかくそういう時あってよかったと本当に思った。
捨てなくてよかったと。
突然の義母の介護で捨てなくてよかった物は他にもある。
衣類である。
私は洋裁をして、服のリメイクもするので、布地を使おうと着ない洋服をすぐ捨ず置いていた。
断捨離が流行ってるけど、私は簡単に物を捨てたり出来ない性分である。
義母は突然我が家にやってきたが、持ってきた衣類は少なく、すべてずいぶんくたびれていた。
義兄が面倒みてたから、衣類には無頓着だったようだ。
私が着なくなった服だけど、義母が着れそうなが結構あり、ガサゴソと引っ張りだし着せた。
義母と私は体型も似ていて、シンプルなデザインであれば義母も文句言わず着てくれた。
この季節は洗濯物は乾かないし、服はたくさん欲しいので、本当に捨てなくてよかったと思った。
新しく洋服を買えば結構するし、代金は義兄から貰えるかどうかはわからなかったから。
家に居るだけならいいけど、デイサービスに行ってるし、息抜きにデイサービスには行って欲しいし。
私が気に入らず着なかった服、本当に捨てなくてよかった。
ヒートティックに負けて、買ったけど着なかったババシャツも役にたった。
新品で捨てるのはもったいなくて、とりあえず捨てずに置いてたババシャツ。
寒い季節ではあるし、重宝した。
人生、何が起こるかわからない。
しみじみと思ったのである。
捨てなくてよかったと。