読むTHINK #75_中原慎一郎さん(ランドスケーププロダクツ)2017年3月24日のアーカイブより
ーー定期購読マガジン THINK BOOK について
THINK BOOK は,読む "THINK" です.Suppose Design Office の谷尻誠が毎月魅力的なゲストを招き「"考える"ことを考える場所」として開催しているイベント"THINK"を読み物として再構成してまとめています. 多彩なゲストとの間で繰り広げられる本音のトークはここでしか聞けないヒントがたくさん詰まっています.過去100回以上に及ぶ記録資料などの掘り起こしを含め定期購読マガジンとして掲載します.ぜひ定期購読していただいて,皆さんの日常をTHINK するきっかけにしていただければ幸いです.(谷尻誠,西尾通哲:共同編集)
部活感覚で友達と家具を作っていた
谷尻誠(以下、谷尻):
もう20年ですか。当時、読んでいた雑誌に中原さんの部屋が紹介されていたんですよね。僕はそれで中原さんの部屋に惹かれたのをハッキリと覚えています。
中原慎一郎(以下、中原):
ありがとうございます。そうこうしているうちに、空間デザインの仕事も請け始めたんですよね。当時は生活スタイルは無茶苦茶で、家具を作るのも工場を閉めた後でこっそりやって。夢中でやっていました。
谷尻:
大変だったでしょうけど楽しかったでしょうね。
中原:
それから、プレイマウンテンを立ち上げる前に地元で働いた家具屋はカフェを一緒にやっていたんですよ。それで、自分でもそれをやりたかったけど当時は物件を探すノウハウもない。でも、友達が、お前に似合いそうな物件があるって教えてくれて、それがタスヤードをつくった場所だったんです。だから、ここも偶然といえば偶然ですね。
谷尻:
みなさん、タスヤード、行かれたことあります?なんかいいんですよね、言葉に出来ないこの感じを作るのは難しいと思う。力の抜け加減がすごくいいんです。独特の空気感ですよね。
中原:
今でこそ安定してきましたけど、最初は僕も含めて誰も飲食やったことが無い人間が集まってカフェをやるもんだから大変でしたよ。出張行ってる間にスタッフが喧嘩したりしてね。
あとはその近くにコーヒースタンドをつくりました。
千駄ヶ谷、サンフランシスコ、そして鹿児島
最近はサンフランシスコに会社を作ってお店を出しました。これも流れというか。鹿児島の出身なんですけど、鹿児島って移民として出ていった人が多くて、僕の家系にも移民が多い、カリフォルニアとかブラジルとか。最近はその移民の文化にすごく興味があって、カリフォルニアにも親戚がいたりして、そういうこともあって、お店を出すことになったんです。そこでは日系人のモノも扱っているんです。自分の関心というか、そういう文化を通したいろんな探究拠点としてやっている感じです。
その他には、鹿児島でもモノづくりを頑張っている若い才能をあつめて作品の展示を企画するなどしています。最初は彼らもほとんど副業でやっていたんですけど、活動を通じて独立して仕事ができるようになってきています。
谷尻:
写真を見ると、すごく素敵なものを作っていますよね。いつも不思議なんですけど、モノを作れる人が必ずいいデザインやセンスの持ち主とは限らないじゃないですか、でもこの人たちはすごく中原さんのセンスに通じるものがありますよね。
中原:
それは、育てたというと大げさですけど、こういうのを作ってくれたら買うよ、とか、そういうことの繰り返しで上手くなったんだと思います。いろんな国や地域に連れて行ったりしたことも影響していると思います。
谷尻:
連れて行ったりもされるんですね。中原さんそんなに時間ありそうに見えないんですけど。
中原:
でもまあ、そんなに世話をしているわけでもないんですけどね。
谷尻:
そんなに世話をしなくても育つというのもすごいですね。
中原:
それぞれの作家が、ちゃんと自分がやりたいことがあるというのが大きいでしょうね。
谷尻:
そのほかには?
ランドスケーププロダクツで働くには?
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「THINK BOOK」は、サポーズデザインオフィスが企画する、THINKをテーマにしたプロジェクトを文字と写真でとどけるメディアです。 …
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