文園
不定期更新。Twitterなどで公開したものをまとめていく予定です。
初見ゲームの感想をイラストやらガチレポートやらで書き連ねています。ゲーマーの自由帳。
note開設以前にサイトで駄弁ってた記事をまとめています。
かちり。枕元の時計の音で目が醒めた。時計の針は二本とも真上を指しており、辺りは静寂に包まれたままだ。寝ぼけて一瞬自分がどこにいるのか分からなくなったが、実家とは明らかに違うサイズの個室が目に入り、ここが合宿施設であることを理解させられた。 だんだん頭が覚醒してくる。そういえば明日は俺が早朝パトロールの担当だったな、今日合宿施設に泊まっているのは白星の中では俺だけだったな、明日一緒にパトロールするのは……倫理だったな。 あいつはきちんと寝ているのだろうか。たまに妙な時間
3月22日(火) 「ちょっと!アナタ!心理って誰よ!」(北村・アライブチャット「心理テスト」) -チャットの本筋とは全く関係ない一言ですが、何にでも茶々を入れたがる北村の性格が滲み出ていて好きです。その後の霧谷とのやりとりもほっこりします。 3月23日(水) 「それで「正義」なんて、よくかたれるよ〜。倫理観を疑っちゃうねぇ。あはは!」(北村・第3章61話「知っていること」) -ヒーローの血性と運命についての真実を隠していた志藤正義につっかかった時に放った言葉ですが、ただ
「好きな食べ物は?」 なんて、世の中のあらゆる人間に擦り切れるまで使い古されてきた質問だ。 ハンバーグとか、オムライスとか。そこら辺の「いかにも」って感じのものを適当に答えておけば切り抜けられる。ボクの場合、それがお寿司だった。 ただ浅桐サンじゃないけど人間ってのは不便なもので、プラシーボ効果みたいなものにやられた今では名実ともにお寿司が好きになってしまった。まあ、それ自体に不便はないから別にどうでもいいけど。 ただ、だからといって。 「まさか誕生日プレゼントに
1.はじめに 助けてください(助けてください) 予告時点では「成程成程、北村倫理のバケ通における第三者枠はモブ警官さんなのだな」とモブ視点からの推しを観測できることに喜びを感じつつアニメディア発売当日を待っていたのですが…… 『今月のショートストーリーは、北村倫理の物語』ってそういう意味ですか深澤先生!!! 流石北村、いつも君は私の予想と好み120%のものを用意してくる——と、文園の情緒と感情はぐちゃぐちゃになってしまいました。南無三。 とりあえずキャラ紹介のポ
草木も眠る丑三つ時。……って言うんだっけ? 正確な時刻としては午前二時からしばらくの間。俺とユウナギは七見の計画の一端として、ALIVE本部の見張り番をしていた。 計画といってもまだ七見も俺たちも動き始めたばかり。コールドスリープから目覚めたての身体は未だ本調子ではない。そんな状態で敵の本拠地に乗り込むのは得策とはいえない……ってんで、今夜は大人しく監視に徹していろ、とのお達しだった。 「一心、空が黄色。……それともこれは橙色? 変な色をしてる。七見くんが何かやったの
「はーあ。流石にこの量のプリントを終わらせろってのは無理難題じゃない? 解いた傍から増えてく心地だよ」 「……? 倫理のプリントは別に増えたりしてない」 「物理的にはそうだろうけどさあ。気持ち的にはネズミ算式にたっぷり増えてるよ」 そう言ってボクは、自分と同じように教室の机に縛り付けられた隣人を見る。ふわっと窓から夏風が吹いてきて、彼の隠れた黄金の瞳が一瞬顕わになった。 ボクたちは名誉あるチーム・バカの一年部隊として、指揮官サンから『この単元のプリントを正午までに全て
「あーあ、私にもベアマンさんが来ないかなぁ」 「なにそいつ。熊人間?」 びゅうう、と窓から病室へ強い風が吹き抜ける。カーテンがぶわりと膨らみ、窓際のベッドで体を起こしている線の細い女性の姿を一瞬かき消した。その隣のベッドをあてがわれている矢後は、寝ころんだまま退屈そうに彼女へ相槌を打つ。彼女は薄いレースカーテンをさりさりと開け矢後へ向き直った。 「私を助けてくれるヒーロー。『最後の一葉』って話、知らない? ほら、丁度あそこに葉っぱの少ない木が見えるでしょ」 彼女が指
絶好調で核融合反応を起こしている太陽に辟易しながら桜並木を歩く。まだ四月だというのに今日はやけに暖かい。 俺の気分など知らずにずけずけと照りつけるさまはまるで頼城のようだ、と考えてしまうのは、きっと入学式で生徒会の一員として祝辞を述べていた幼馴染の姿が海馬に引っかかっていたためだろう。 太陽は俺の行く道をあたたかく、輝かしく照らしていた。 かつかつと歩きながら桜並木を抜けると、やっと体育館が見えてくる。目的地を目に留めた俺はふぅ、と息を吐き、残りの道を進んでいった
「まったくもう、矢後さんってばまた指揮官さんからの呼び出しすっぽかして! 僕が真面目にALIVEへ行っていた間、コンビニでのんびりカレーまんを買い食いしてるなんていいご身分ですね」 「今日は行こうと思ってたっつの。ただ雨が降ってきてうざったかったからコンビニ寄って、そのままめんどくさくなってフケた」 「結局すっぽかしてるじゃないですか!」 うぃーん、と自動ドアが開いてコンビニから出てくるあいだ、そんな会話を交わす二人。久森は指揮官からの呼び出しが終わった帰り、矢後は呼び出
がこん、ごとっ、という不規則な音。それに合わせて否が応でも揺らされる身体。高速で移り変わってゆく車窓越しの光景。『透野光希』にとって、これらの感覚はどれも初めてのものだった。 隣に座っている少年は慣れた様子で両足を畳み、他の乗客の邪魔にならぬよう最低限のスペースを使って電車に揺られている。透野もそれを真似するようにぴたりと足を閉じ、ちんまりと座り直した。 「慎くん」 「どうしたの、光希くん」 透野はこの妙な感覚を共有したくなって、つい隣人に声をかける。 「電車っ
ボクの変身アイテムが無様にも復活して、ヒーローらしくさっさと元気に退院したあと。 なんだか無性にひとりの時間が欲しくなって、気付けばボクはふらふらと瓦礫降り積もる廃墟にやってきていた。初めて行く場所だけど、見るのは初めてじゃない。我ながら、道もわからないのによく辿りつけたなと思う。これが神の思し召し……なーんて、死んでも思わないけど! 「うわ、あのとき見たのとそっくりそのままおんなじだ」 廃墟の中へ入り込んだボクは、歩みを進めるなり思わずそう呟く。 そこだけ時間
イーター。円筒。ごつごつしたキュウリ。X。点々。マーライオン。 全く共通点の見いだせないイラストたちを前にして指揮官は首を傾げた。これらの絵が描かれている黒板は、先ほどまで三年生が会議で使っていたものである。合宿施設の一室にある黒板に人やイーターの図を描き、陣形の確認や検討をしていたようだ。大変感心、と思ったはいいが、なぜか一匹の大型イーターから矢印が伸ばされ、その先に円筒の図が続いている。イーターを円筒に閉じ込める作戦でも考えていたのだろうか。 「指揮官さん、ずいぶ
◎一言感想 そう来たか!!!!!!!!! ◎ざっくり感想 いやあまさかそう来るとは……伏線回収や過去の展開からのなぞりが丁寧でスッキリした読後感でした。 メインスト読了後に風の噂で『メインストーリーの時間軸はver2.01世界、イベントストーリーの時間軸は再構築後のver2.0世界』ということを小耳に挟んだので、メインストーリー読破前に必ずしもイベントストーリーを全て追っておく必要はなかったのかもしれません。 というのも、自分は後述のようにまずイベストを全て読破
すう、とゆっくり息を吸って、ふっと短く吐いた。まだ自分の喉は空気を通している。 身に纏っている白いシャツはいつも仕事で着ているもの。同じく真っ白なパンツは洒落た服屋で買ったもの。自らのことながら、そのアンバランスさを嗤いたくなった。 常にきっちり締めていた第一ボタンをぷつりと取り外し、くすんだ茶色の輪っかを首に掛けた。ああ、あとは足台から降りるだけ。 さん、にい、いち。心の中で数えて、自分は台から足を降ろす。しかし、宙に浮かぶはずだった自分の足はざりり、という不格
●忙しい人向けの結論 とにかくダーホンがかわいい。 ●私が沼へ落ちるまで 諸事情により男女問わず勝手にぐいぐい来られる事に関して少し拒否感があるので、一周目の初見プレイではあんまり発情してこないキャラがいいな〜〜と思った矢先に出てきたのが本多くんである。 初邂逅の場面で『なぜ教室の窓は常に左側についているのか?』という問題について教えてくるという中々インパクトの強い登場をし、私の脳裏に強い印象を残した。 (以下スクショ) ちなみにどうしてかというと、ペンを持つ
オフライン版の東成都に着任した指揮官の感想レポ。随時更新中です。 字が汚いのは……許してください……!!!